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Channel: まつたけ秘帖
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クズでもゲスでも

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 師走の邦画イケメン映画祭②
 「彼女がその名を知らない鳥たち」
 冴えない中年男の陣治と同棲中の十和子は、不潔で下品な陣治を嫌い蔑みながらも、彼に依存した自堕落な日々を送っていた。数年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、黒崎に似た水島という男との情事に溺れる。そんな中、黒崎が失踪していることを知った十和子は、自分に執着する陣治がそれに関わっているのではないかと疑い始めるが…

 同じ白石和彌監督の「孤狼の血」にも出演していた松坂桃李と竹野内豊が、最低のゲス男役を演じているということで、劇場公開当時すごく気になっていた作品なのですが、主演の蒼井優と阿部サザヲが苦手なので、結局スルーしてしまいました。wowowowで放送されたので、観てみました。トーリも竹野内も、いろんな意味で「孤狼の血」以上に好演してました。二人とも期待してた以上にゲスで笑えたわ。悪人よりもタチが悪い、下劣で卑怯でセコいゲス&クズ野郎ども、なんだけど、いい男!バカ女が騙されて溺れるのも理解できます。私も彼らみたいなゲスクズに引っかかってみたいけど、十和子ほどバカにもドMにもなれないので、良いカモにはなれそうにありません

 水島役のトーリは、表面的には優しくナイーブで真面目な青年、実は中身カラッポな嘘つきヤリチンを、ねっとりしつつ軽やかに演じてました。トーリは声がエロいですよね~。低く甘い声での愛の囁き、あれはジュンときますわ。「娼年」ほどではないけど、濡れ場も頑張ってました。舌使いがヤらしいディープキスが特に印象的でした。でも声や雰囲気と違い、ガリガリな裸には色気がない。トーリはもうちょっと年とって、脂ののった肉がつけば日本屈指の濡れ場王になれる可能性ありかも。

 黒崎役の竹野内豊も、これまでのイメージを破壊する非道いクズ野郎っぷりです。彼も優しい言葉やムード、セックスで女を蕩けさせて、残酷な方法で彼女を利用したり虐げたり、まさに女の敵。逆ギレして十和子をボコボコにするシーンとか、あの竹野内豊がよくこんな役を…と往年のファンが見たらショックかもしれません。「孤狼の血」での凶暴ヤクザとか、最近の竹野内さんは役の幅を広げようと努めてるようですね。でも濡れ場が大したことなくてガッカリ。エロの部分では、トーリのほうが圧倒的に勝ってます。

 最低なゲスクズ役なのに、二人とも全然不愉快じゃなかった。優しそうなイケメン、という見た目もその要因でしょうけど、二人よりも主役の十和子と陣治のほうが不快で気持ち悪かったのが最大の理由かも。十和子なんか、ゲスクズ男よりもはるかに不快なゲスクズ女でしたし。いい年して男にパラサイトしたニート女なんて、世界一醜い生き物だわ。ゲスクズ男に何度も引っかかる、心もお尻も軽いユルい十和子みたいなバカ女には、フェニミストじゃなくても腹が立ちます。十和子みたいな女がいるから、女性の地位は向上しないんですよ。

 十和子の、どうでもいい人間には冷たく高圧的なのに、タイプのイケメンには可愛くけなげな女の子になるところも、嫌悪感と反感しか覚えませんでした。憂さ晴らし、暇つぶしで店に執拗なイチャモンをつけるクレーマーぶりも、人間として最低な行為。酷い目に遭っても自業自得。十和子に一途な愛を押し付けてくる陣治も気持ち悪くて、悪い意味でお似合いのカップルでした。十和子役の蒼井優は、何かベチョベチョしてるところや、いい年して少女もどきなところが苦手。濡れ場も、不自然な乳首隠しに覚悟のなさ、中途半端感を否めず。喘ぎ声だけはAV女優みたいだったけど。十和子が狂気に蝕まれていたのではなく、単なる性悪女にしか見えなかったのは、甘々なTVドラマみたいな脚本同様、蒼井の大熱演のつもりで実は肝心なところで吹っ切れてない演技のせいだと思う。陣治役の阿部サダヲの、顔だけでなく暑苦しい自己満足的演技も苦手。二人の関西弁は、ネイティヴの方々的にはどうなの?孤狼の血の広島弁は、ネイティヴにはちょっと???でしたが。

女王さま狂想曲

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 「ボヘミアン・ラプソディ」
 70年代のロンドン。インド系の青年フレディは、ファンだったバンドのメンバーであるブライアンとロジャーに売り込み、ヴォーカルとして仲間に加わり“クイーン”を結成する。フレディの類まれなる歌声と独創的な楽曲で、クイーンは瞬く間に人気ロックグル-プとなるが…
 クイーンにはそんなに興味があるわけではなかったので、当初は鑑賞予定に入ってなかったのですが、アメリカのみならず日本でも大ヒットしている今、映画ファンとしてはやはり押さえておかねばならぬと思い、観に行ってまいりました(^^♪レイトショー、しかも公開から結構日が経ってるにもかかわらず、席はほとんど埋まっていました。やっぱ人気なんですね~。初日なのにガラガラだった山崎賢人の「羊と鋼の森」との違いに苦笑いで、どうだったかと言うと。評判通り、すごく面白かったです!クイーンのファンじゃなくても、いや、返ってクイーンのことをよく知らない、ヘンな思い入れやこだわりがない非ファンのほうが、あーじゃないこーじゃないと文句や不満なく観ることができて楽しめるかも。私もクイーンのCDが欲しくなりました。クイーン教布教、洗脳映画としては、かなり成功してるのではないでしょうか。

 クイーンのファンじゃなくても、その楽曲は絶対耳にしたことがありますよね~。日本でもCMやTVドラマで使われ、馴染みぶかいものばかり。あの有名なママ~ウウウウ~♪もクイーンの曲だったことを(これがボヘミアン・ラプソディですよね?)、この映画で初めて知った私ですそのボヘミアン・ラプソディが引き起こしたスッタモンダを始め、ロックユーやチャンピオン、ボーン・トゥ・ラブ・ユーなど代表曲が誕生するエピソードが、愉快に描かれていました。曲だけでなく、パフォーマンス(フレディの歌い方とか衣装)も奇抜で強烈なのもクイーンの魅力でしょうか。クイーンってかなりイロモノ、キワモノバンドだな~とも思ったが。ラストの大観衆の前でのチャリティーライヴ再現シーンは、圧巻の完コピパフォーマンス。魂が震える、と言ってはオーバーだけど、かなり圧倒的で感動的です。すべてはこのライブシーンのための前座とさえ思えるほど。

 この映画、かなりクイーンの音楽に助けられてると言えるでしょう。要所要所で効果的に活用されてる楽曲やパフォーマンスのおかげで、目にも耳にも楽しいミュージックフィルムにはなってるのですが、肝心のドラマはかなりフツーなんですよ。ぶっちゃけ、NHKのドラマみたいな無難さで、子どもが観てもOKな内容になってたのが物足りませんでした。フレディの短い人生って、もっと破天荒で破滅的なのかと思ってました。フレディの同性愛に対する苦悩や耽溺も、リアルで過激な描写は避けてサラリと触れてる程度。同性愛シーンもほとんどありません。フレディと他メンバーとの関係もそうですが、真実を描くよりも都合よく脚色された当たり障りのない美談、ありきたりなサクセスストーリー、誰にとっても不利益にならない忖度映画になってたのが、かなり残念でした。フレディの放埓な性生活はもっと常軌を逸していたはずだし、メンバーとの葛藤や対立も、もっと醜いものだったでしょうし。

 ゲイであることを公にしているブライアン・シンガー監督は、この映画の完成間近になって途中降板したそうですが。ゲイ描写をめぐって、リスクは避けたい出演者や製作者側とトラブったのかな?と推察もできますが、真相は謎のままのようです。
 フレディ・マーキュリー役のラミ・マレックが、入魂の大熱演!実際のフレディには全然似てないのですが、どんどんフレディに見えてくる、こっちがフレディと錯覚してしまうほどの一世一代のパフォーマンスに驚嘆、感嘆。特殊メイクで姿形を変え、声や口調も似せた実在の人物のモノマネ演技って苦手なのですが、ラミのなりきり演技はそれに当てはまらない魅惑の名演でした。小柄だけど、ほとばしるエネルギー、みなぎるパワーに圧倒されました。特に熱唱シーンは、口パクなんだろうけど動きとか表情とかが神がかり的で惹きこまれます。ゴールデングローブ賞に続いて、オスカーにもノミネートされてほしい!フレディってこんなに出っ歯だったの?と笑えるほど、ただでさえ独特な顔のラミを付け歯がさらに強烈、かつ愛嬌ある御面相にしてます。偶然なのですが、この映画を観て家に戻った深夜に、TVで放送してた「ナイト・ミュージアム2」にもラミが出ていてビツクリ!インド系同様、エジプト系も濃ゆいですね~。

 ちなみにフレディ役は当初、サシャ・バロン・コーエンが演じる予定だったとか。いろいろあってサシャは降板、次はベン・ウィショー!に白羽の矢が立ったそうですが、ベンもいろいろあって断念し、最終的にはラミにおはちが回って来たそうです。ベン子さんのフレディ、見たかったかも!ベン子なら、リアルにゲイゲイしいフレディになってたことでしょうね。
 お涙ちょうだいではなく、だいたいはユーモラスな笑えるシーンやエピソードばかりで構築されてたのが、ワタシ的には良かったです。特に印象的だったのは後半にある、クイーンの記者会見シーン。そこでフレディに向けられる容赦のない意地悪で悪意に満ちた質問と、それに対するフレディの受け応えが笑えました。あんな記者会見、日本ではありえんわ~。あんな風に非情なまでに核心に迫る質問、カープを退団した丸にぶつけてみたい!それはそうと。誰がどこから見てもゲイなフレディなので、それを否認したり隠したり悩んだりする姿が、もうみんな気づいてるのに独りで何イジイジしてんのと滑稽でした。フレディ、あと少し遅く生まれてたら、堂々とゲイライフを満喫できたのにね。フレディは短い生涯でしたが、ぜんぜん不幸とも悲劇的とも思いません。むしろ、才能にも栄光にも人間関係にも恵まれ、みじめに落ちぶれた老醜も避けられた、とっても幸せな人だと、私の目には映りました。あと、60~80年代のファッションも素敵でした。ぜんぜん古めかしくなく、むしろ斬新で今よりオシャレ!
 
 

パパとムスメの地獄絵図

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 師走の邦画イケメン祭③
 「渇き。」
 コンビニで起きた惨殺事件の第一発見者となった元刑事の藤島は、離婚した妻から娘の加奈子が行方不明になったと知らされる。加奈子を探し始める藤島だったが、やがて娘の恐るべき正体を知ることになり…
 最近の人気女優のほとんどが苦手な私ですが、小松菜奈ちゃんは好きです。菜奈ちゃんの記念すべき映画デビュー作品を、ようやく観ることができました。なかなかの衝撃作ということも公開当時話題に。関わる者すべてを破滅に導く魔性の美少女を演じた菜奈ちゃんは、すごくチャーミングでした。絶世の美少女!というわけでもなく、演技が天才的!というわけでもないのですが、そういうありきたりな部類ではなく、ニュータイプというか、他に似たような女優があまりいない珍種のように思えます。モデル上がりの菜奈ちゃんですが、うじゃうじゃいるモデル上がり女優のほとんどは、人工的で味気ないロボットみたいなのばかりですが、菜奈ちゃんはそれとも違うんですよね~。生々しくもなく、かといってファンタジーすぎない、現実と夢の間に存在してるような、親しみやすさと神秘性を併せ持つ不思議な女優、みたいな。

 この映画でも菜奈ちゃん、すごく都会的というか、田舎には絶対いないモダンで小粋な魅少女って感じで、それは男よりも女に受ける素敵さかも。菜奈ちゃんみないな同級生がクラスにいたら、すごく憧れただろうな~。美貌や性を武器にしておらず、ミステリアスな優しさと清々しい包容力で相手の心に入り込んでくる加奈子は、菜奈ちゃんの個性のおかげで陳腐な魔性の美少女(ロリコン的色仕掛けとか、一見清純だけど実は腹黒いとかいった)にならずにすみました。

 可愛いけどブリッコではなく、カッコいいけど気どってない菜奈ちゃんは、まさに理想の女の子。私と同じ人間とは信じがたいほど、スラっとした肢体と長~い手足も羨ましい。菜奈ちゃんの身体、三日でいいので借りたいわ。ガーリーだけど乙女乙女してないファッションも好き。何の変哲もない制服でさえオサレ。手入れが大変そうな長い髪も美しい。どのシーンの菜奈ちゃんも、まるでCMかプロモーションビデオみたいに撮られているのですが、それも功を奏したのかも。登場シーンは多いけど、長々と映ってたり喋ってたりは決してしない演出は、CMをメインにしてる菜々ちゃんの魅力を活かし、弱点を隠せたように思われます。

 「嫌われ松子の一生」や「告白」で高く評価された中島哲也監督の作品。この映画も、奇をてらった才気走りがちょっと鼻につくのですが、タガのはずれた暴走感があるので前二作よりも好き。血だらけ血まみれなエグい暴力描写は、衝撃的というより笑撃的かも。この映画、全体的にかなり笑いを狙ってるはず。まともな奴が一人も出てこず、みんなハチャメチャに大暴れ、狂乱のハイテンション、ありえないほど悲惨すぎる末路は、岡田あーみんの漫画ちっくで笑えた。TVでは放送禁止用語である『き◯がい!』多用も笑えた。藤島役の役所広司が、「孤狼の血」以上に楽しそうにイカレてました。善い人役、カッコいい役よりも、いろんなものをかなぐり捨てた、見てるほうが疲れてしまうほどの暑苦しいケダモノおじさん役の役所さんのほうが、面白くて魅力的です。

 刑事役の妻夫木聡をイケメン扱いするのは、ちょっともう無理があるでしょうかもうイケメンとは言えない風貌になりましたよね~。もちろん今でも可愛いけど、可愛いおじさんってのもどうなのかな~とも。いい役者に成長するため、いろんな役に挑戦してるブッキーの気概は賞賛に値しますが、演技がいつまで経っても大根。いつも一生懸命やってるのが分かるのが、よけい痛々しいんですよね~。今回も、ヘラヘラ笑ってるけど実は悪どいという役を軽薄かつ不気味に演じたかったんでしょうけど、わざとらしすぎて単なる頭の悪そうな小さいおじさんにしか見えなかったブッキーといえばの、あの最強の性的フェロモンも、もう干上がってしまったのでしょうか。老けた子どものような風貌、すごいチビで短足なスタイルの悪さは、まるで某事務所タレントみたいでした。加齢とともに、かなり残念化してるブッキーの今後が心配…
 キャストは豪華(なのかな?)で、中谷美紀、橋本愛、二階堂ふみ、オダギリジョー、國村準が助演してます。中島哲也監督の新作「来る」にも小松菜奈ちゃんが出演してるので、早く観に行きたいと思ってます。

増速駆動のイケメン!

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 師走の邦画イケメン祭④
 「OVERDRIVE オーバードライブ」
 世界ラリー選手権の出場を目指す若き天才レーサー檜山直純は、同じチームに所属するメカニックの兄・篤洋の助言を無視し、何かと反発していた。二人の軋轢は、少年時代に起きたある悲しい出来事が原因だった…
 映画館に観に行こうと思ってたのに機会を逸してしまい、ようやくDVDで。映画館に行かんでよかったです年に何本かはトホホ映画、ズッコケ映画を観るハメになりますが、この作品はまさにそれでした。まあ、想定内だったし、無料同然で観たし、苦笑いで済ませられます。F1とかラリーが大好きな人には楽しめるのかな?興味がない私などからすると、ただ車が猛スピードで走ってるだけにしか見えなくて同じ車映画なら、ハチャメチャしながら巨悪をやっつけるワイスピみたいな映画のほうが好きです。

 ラリー好きの人も、この映画にはかなり不満、落胆したのではないでしょうか。主役の兄弟の葛藤とか恋愛なんてどーでもいいでしょうし。そんなんいいから、もっとカッコいいラリーシーンぶっこめよ!と思われた方も少なくなかったはず。じゃあ、イケメン好きには楽しめるのかというとそうでもなく、兄弟ドラマ部分も驚くほどの陳腐さ、薄っぺらさで、アホらしくて何度も途中リタイアしかけました兄弟のわだかまりの原因が、実にくだらん!虫歯になりそうなほどの甘々さに、命がけなはずのラリーも軽薄に見えてしまいました。

 百歩譲って、イケメン兄弟だけの話にしとけばまだ、イケメン好きにはそこそこ楽しめる映画になってたかもしれないのですが、二人に絡んでくる女がすごい目障りでイラっとするんですよ。あんな無能な小娘が、どうやってスターアスリートのエージェントになれたんだろう。直純の前をウロウロウロチョロしてるだけで、ろくに働いてないし。心を閉ざしてるはずの兄弟が、ウロウロチョロチョロしてるだけの小娘に、胸の内をペラペラと話すのも理解不可能でした。兄弟が心ほだされる魅力が全然ない、不要で邪魔なだけのキャラでした。ハリウッド映画ならまだ、まったく重要じゃない形だけのヒロインでも、ラヴシーンとか水着姿とかでセクシー要員として男性観客の目を楽しませてくれることが多いけど、そういうヴィジュアル面でも役立たずな小娘でした。見た目も演技も、AKB関係?な感じだったし。

 ラリーよりも、人気イケメン俳優の共演がこの映画の売りでしょうか。兄の篤洋役は、杏の夫こと東出昌大。彼はね~。うう~ん…イケメンとは思うのだけど、何だろう?地味というか、オーラがないというか、覇気がないけどかといって倦怠的でもない、要するに特筆する点がないんですよね~…怒っても悲しんでもすごい棒読みで表情に乏しく、若手人気俳優の中では屈指の大根ではあります。背が高くてスタイルは抜群。でも色気は皆無。イケメンなウドの大木というか、典型的な毒にも薬にもならん俳優かも…って、杏さん、ファンの皆さま、すんません💦
 弟の直純役は、最近お気にの新田真剣佑。もちろん、この映画は彼目当てで観ました(^^♪

 おおっマッケンユー、やっぱカッコいいですね~彼、イケメンというより美男子ですよね~。きれいな顔と、冷たくてシャープな男らしさは、イケメンなの?なビミョー顔のオカマみたいな草食男子ばかりな若手俳優の中では特異で希少。ヤンチャで奔放で傲慢でひねくれてるけど、実はナイーブで傷つきやすい美貌の天才レーサーなんて、ほとんど少女漫画でしかお目にかかれぬファンタジー王子さま役を演じることができるのは、今はマッケンユーしかいないでしょ。某事務所タレントなど論外ですわ。

 この映画、まるでマッケンユーのアイドル映画、プロモーションフィルムなんですよ。カッコいいレーサー姿だけでなく、美しい上半身裸も披露。着替え、昼寝、プール、筋トレ、怪我の手当てetc.いろんなシーンで明らかに必要以上に、やたらと脱がれてます。もちろん脱ぐだけなので、セクシーだけどエロくはないです。エロってやっぱ、見た目じゃなくて醸す雰囲気ですよね~。エロスって何となく汚れて淀んでるものなので、白がすごく似合うせいかクリーンでクリアに見えるマッケンユーは、脱いでも色気はないです。若くて美しいうちに、大胆な濡れ場とかにも挑戦してほしいものです。

 東出昌大は、ほとんどマッケンユーの引き立て役!マッケンユーに勝ってたのは身長だけ!とにもかくにも、ファンにはまさに眼福、必見のマッケンユー映画です。彼のファンなら、映画の稚拙さも気にならないでしょう。ダメ映画だけど、マッケンユーがカッコよかったのでひとつおまけ清爽だけど、決して善い子ちゃんには見えないところも、マッケンユーの魅力でしょうか。クソみたいな悪党役、鬼畜役とかもイケると思う!

 オーナー役は、オファーを断らない?吉田鋼太郎。もうちょっと仕事を選んでもいい、選べるはずなのに、気取りのない働き者ぶりに好感。篤洋の部下役で、中学聖日記の勝太郎さんこと町田啓太も出演してます。はじめ誰だか判んなかった。もちろん、作品によって別人に変わるカメレオン俳優だからではなく、ただ単に地味で薄いからイケメンなんだけどね~。彼の役も、ぜんぜん重要性、必要性なし。明らかにイケメン要員でした。町田くんも東出昌大と同じで、メカニック役なのに作業服が全然汚れておらず、モデル撮影みたいに小ぎれいなままだったのには失笑。二人とも、役者としては何か決定的、大事なものが足りないというか。中学聖日記同様、すごい大根で素人以下な演技も気になった。若いうちはいいけど、見た目が崩れる年齢になった時が心配です。ライバルレーサー役の北村匠海も、すごい演技下手だけど可愛かったです。池松壮亮をアイドル風にした感じ?

 ラリーについてはまったくの無知なのですが、あんな日本各地で大々的に開催されてるのですか?高速?や田舎の村?みたいなとこを交通封鎖したり、許可がおりるものなのか~と驚きました。

 ↑14歳でデキた隠し子はもう、なかったことになってるみたいですねマッケンユー主演で三島由紀夫の「禁色」や「鹿鳴館」を映画化してほしいわ~。「危険な関係」のヴァルモンみたいな悪い色男役もいいですね~。漫画映画はもうカンベンしてほしい!CM俳優にもなってほしくないな~…

2018年cinema lifeを総括する

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 早いもので、明日はもう大晦日。2018年が終ろうとしてます。自然災害が過酷な1年でしたね。広島でも悲しい、辛い夏となりました。信じられないような光景や、経験したことのない不便な生活に打ちのめされましたが、こうして元気に年を越せることに感謝です。来年は災害のない年でありますように!
 辛いとき悲しいとき、心を救ってくれるのが映画です。映画が好きで本当によかったと、今年ほど思った年はありません。今年もいろんな映画を観ることができました。どんな映画を映画館で観たのか振り返ってみますと…

 1月 光 ※
    キングスマン:ゴールデン・サークル
 2月 スリー・ビルボード
    マンハント
    ビカイルド 欲望のめざめ
 3月 ブラックパンサー
 4月 シェイプ・オブ・ウォーター 
    ハッピーエンド
    アベンジャーズ インフィニティ・ウォー
 5月 ダウンサイズ
    君の名前で僕を呼んで
    孤狼の血
 6月 娼年
    羊と鋼の森
    第七天国 ※
 9月 MEG ザ・モンスター
10月 チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛
    2重螺旋の恋人
    散り椿
11月 ファントム・スレッド
    ヴェノム
12月 斬、
    ボヘミアン・ラプソディ
    来る
    アリー スター誕生

 ※ 2018年日本公開以外の作品

 24本!このブログを始めてから最多かも!災害の時季と重なってしまい、「ジュラシック・ワールド 炎の王国」「レディー・バード」「君が君で君だ」を観に行けなかったのが残念。では僭越ながら、マイベスト映画、男優女優 in 2018 を発表(DVD鑑賞した2018年日本公開作も含む)

🎥 作品賞

  1位 君の名前で僕を呼んで

 美男子の甘酸っぱいBL、そして文化的で貴族的なブルジョワ生活…私のような醜い貧乏人などには無縁な、夢のような美しい世界に酔うことができました。名匠ジェームズ・アイヴォリー監督のアカデミー賞脚色賞受賞も嬉しかったです。

  2位 ブラックパンサー

 アベンジャーズシリーズもそろそろ飽きてきた…そんな気分を吹き飛ばしてくれた、最高にカッコいいヒーローの登場!続きが気になる!殿下、抱いて!今年最高の男前映画でした。

  3位 孤狼の血

 MYホームタウンK市で撮影された映画。わしの周囲では、ふだん映画館に足を運ばない人も観に行って、話題を提供してくれました。K市民賞を授与したい、思い出に残る作品となりました。

  4位 スリー・ビルボード

 激烈な演技、巧妙な脚本、独特な演出。いい映画を観た!という満足感は今年ナンバーワン。オスカーの脚本賞は、この作品のほうが相応しかったのではと今でも思ってます。

  5位 シェイプ・オブ・ウォーター

 いろんなジャンルが詰め込まれた、宝箱のような素敵な映画でした。

 🎥 男優賞

  1位 チャドウィック・ボーズマン 「ブラックパンサー」

 ブラックパンサー/殿下は、今年最高の男前でした。チャドウィック・ボーズマンは、いま私が最も好きな黒人俳優です♡

  2位 松坂桃李 「孤狼の血」「娼年」

 今年も馬車馬のように働いたトーリ。テレビドラマの撮影でもK市に来てくれて、好感度と親近感が増しました。わらわらいる若手イケメン俳優の中から頭ひとつ抜けようとしてるチャレンジ精神を高く評価したいです。

  3位 ラミ・マレック 「ボヘミアン・ラプソディ」

 チャーミングで独特のなりきり演技に圧倒・魅了されました。あの出っ歯もインパクトありました。

 今年も男優は百花繚乱で、「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェル、「ビガイルド 欲望のめざめ」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のコリン・ファレル、「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメとアーミー・ハマー、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のセバスチャン・スタン、

 「羊と鋼の森」の山崎賢人、「2重螺旋の恋人」のジェレミー・レニエ、「ファントム・スレッド」のダニエル・デイ・ルイス、「ヴェノム」のトム・ハーディ、「散り椿」「斬、」の池松壮亮、「アリー スター誕生」のブラッドリー・クーパー、といった花も実もあるいい男たちが研を競いました。

 
🎥 女優賞

  1位 フランシス・マクドーマンド 「スリー・ビルボード」

 2度めのオスカー受賞も納得の力演!深刻なのにどこか笑える、というマクド姐さん独特の個性が炸裂しました。

  2位 サリー・ホーキンス 「シェイプ・オブ・ウォーター」

 今年最も強烈な女優魂、といえばこの人です。

  3位 レスリー・マンヴィル 「ファントム・スレッド」

 クールでエレガントな、かっこいい熟女!こういう女性に憧れます。

 女優はもう見た目の美しさ、可愛さ、そして若さだけでは勝負にならない!実力者だけが心に残ります。「マンハント」のハ・ジウォン、「ビガイルド 欲望のめざめ」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のニコール・キッドマン、「ハッピーエンド」「エヴァ」のイザベル・ユペール、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーとアリソン・ジャネイ、「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」のアリシア・ヴィキャンデル、「2重螺旋の恋人」のマリーヌ・ヴァクト、「アリー スター誕生」のレディー・ガガ、の好演が特に印象的でした。
 皆さまも、たくさんの映画をご覧になったことと存じます。よろしかったら、ぜひベスト作品やベスト男優女優、思い出話などお聞かせください(^^♪
 今年もお世話になりました!来年も何卒よろしくお願いいたします!I wish you a happy new year!よいお年を!See you soon!

HAPPY NEW YEAR!

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 明けましておめでとうございます!皆さま、素敵なお正月をお過ごしのことと存じます2019年が始まりましたね。元旦に初詣し、今年は災いのない幸せな年になりますようにと祈願したのですが、ああ、そんな祈りも虚しく、帰りにサイフを落としてしまうという災いに早くも見舞われ、ああ~今年もあかんわ~と早くも絶望の淵に突き落とされてしまいましたが、神社から電話があってサイフは無事戻ってきました。これって、ご利益あったと喜ぶべきなのか、早すぎる災いの到来を恐れるべきなのか…今年も禍福が糾える年になりそう。できれば福のほうにたくさん来てほしい…
 年末年始は、災いが怖いのでなるべく外に出ず、例年通り自室に引きこもってました。紅白とカープ特番、録画してた映画を静かにまったり観て過ごしました。紅白は、普段あまり見られないレアな歌手とかも出てたり、なかなか楽しかったです。でも、司会の内村が出しゃばりすぎ!去年の欅坂のときも思ったけど、今年はDA PUMPのUASに乱入ダンスとか、誰得な演出なの?本人は頑張ってる自分を楽しめるかもしれないけど、歌手のファンにとっては邪魔なだけなのでは。内村のはしゃぎっぷりのおかげで、某事務所タレントの印象が薄くなってたような。特に司会の櫻井くんの、自分が仕切りたいのに内村邪魔!と言わんばかりの笑ってない冷たい目が怖かった。大野くんの目も相変わらず怖い。広瀬すずも出過ぎ!司会としてはまったくの役立たずで失笑。

 最大の目玉は、やはり初のTV生出演となった米津玄師。徳島県の美術館からの中継。幻想的で美しいセットで大ヒット曲「LEMON」を生歌唱する米津さん。ちょっと整形逃亡犯、市橋被告に似てる?無表情だった彼が、最後に見せたはにかみが印象的でした。レアといえば、レコ大に続いて生出演のMISIAさん。またまた他の出演者を前座にしてしまう圧巻の歌唱!デビュー曲の「つつみ込むように…」を歌ってくれたのが驚喜でした。20年前の曲だって!もうそんなに経ったのか~と隔世…

 聖子の懐かしのヒットメドレーや、ゲイパブのショーみたいだった氷川きよしの着替え失敗とか、桑田佳祐とユーミンの大物ジジババの老体にムチ打つ胸騒ぎの腰つきパフォーマンスとか(後ろで見てる広瀬すずの、何このジジババ怖い…と引いてる、油断して笑顔を忘れた冷めた目!)、他の歌番組では絶対に見られないシーンの数々が紅白ならではでした。
 続いて、年始のカープ特番。RCCのカープ日本一TVでは、大瀬良くんとアドゥワくんがハワイでマリンスポーツを満喫。大瀬良くん、ますます恰幅がよくなって重量感ハンパない。スラっとスマートだった昔の大瀬良くんとは別人ですが、可愛い笑顔と優しい人柄は不変。いつもニコニコ温厚そうな福顔は、インチキ臭がキツい某事務所タレントの営業スマイルとは真逆です。アドゥワくんは見た目も言動も、ほんとに二十歳?!な大人っぽさ。大瀬良くんはやっぱ、いっちーかイマムーとイチャチャしてほしいな~。

 TSSのカープ特番は、セイヤ&野間っちが買い物と温泉。堂林、リョーマ、アツさん、コースケがハワイでマリンスポーツや買い物。堂林がなぜ優勝旅行に同行できたの?よく一緒に来れたな~と、その精神の太さに感嘆。カープのプリンスと呼ばれ、プロ野球界NO.1のイケメンだった堂林も、すっかりおじさんになって、腹とかぼってりタプタプしてたのが衝撃的でした。顔は太ったけどやっぱイケメン。

 ↑ゴルフでのパイナップルシャツも可愛かった大瀬良くん♡
 野間っち&セイヤの仲良しコンビ、新春の着物姿や温泉浴衣姿、ちょっとヤンキーっぽい普段着も、カッコいい~。体つきがもう一般人とも芸能人とも違う逞しさ、力強さで男らしい!今回も若くて美人の女子アナが一緒だったので、野間っちと彼女の親密そうな雰囲気が気になった!野間っちもセイヤも、女子アナに狙われてそうだもんね。温泉入浴で、野間っち&セイヤがヌード披露!おおっ思ってた通り、すげー肉体だ!野間っちは引き締まった筋肉質系で、セイヤはムチムチゴリマッチョ!どっちにも抱かれたいわ~新年早々、眼福でした

 それにしても。引退した新井さんと違い、あの人の名前はNGになってたのが、笑えるような侘しいような。創建ホームの2019年版CMもお目見え!当然あの人は消えて、大瀬良くんとセイヤの二人になりました。カッコいい編とオチャメ編、どっちも好き♡エースと主砲、カープを引っ張る二人のさらなる活躍を期待しましょう!

 最後に、今年のマイ目標。独善的にならず、人を批判するより肯定して気持ちよく受け入れたいです。あと、体を鍛えたいです。皆さまも新年の抱負、おありのことでしょうか。健康で楽しい一年になりますやうに!今年もよろしくお願いいたします!

 ↑私の新しい彼氏でーす♡か、可愛い新婚旅行でまたハワイ行こうネ(←初夢ならぬ初妄想)

インチキイクメンの恐怖!

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 皆さま、楽しいお正月をお過ごしのことでしょうか?お正月ももう終わり…わしは明日から仕事憂鬱すぎて腹が痛くなってきました(単なる食べ過ぎ?)…
 師走じゃないけど、UPしそこねた去年の邦画イケメン祭りの最終回を今さら(^^♪
 今年もいっぱい映画観るゾっと

 師走の邦画イケメン祭⑤
 「来る」
 可愛い娘に恵まれ、妻の香奈とともに幸せな日々を送っていた秀樹は、怪奇な現象に悩まされ始める。オカルトジャーナリストの野崎は、秀樹に霊媒能力をもつキャバ嬢の真琴を紹介するが…
 ホラー不感症な私なので、予想通り全然怖くなかったですむしろ笑えた。作り手側も、恐怖より笑いを狙ってたとしか思えない内容とシーンの数々でした。そもそも、この映画のどこに怖がればいいのでしょうか。腕や体半分がちぎれたり、妖怪?が襲ってきたりするのですが、おどろおどろしいオカルトっぽさは皆無で、ノリも視覚的にもかなり明るくてポップ。まるで洋楽のMVみたいなところは、「渇き。」や「嫌われ松子の一生」など中島哲也監督らしかったです。中島監督、オカルトには向いてないというか、はなっからオカルトを撮る気なんかサラサラなかったのでは。終始ハイテンションにギャーギャー大騒ぎ、ラストのお祓いはまるでド派手なミュージカルみたいでした。あのお祓い、かなり大がかりで金がかかってそう。誰が祈とう師に支払うの?と気になって笑えた。

 いろんな場所で血まみれ血しぶき、無残で怪奇な死に方、死体ゴロゴロなのに、無関係な人たちにはほとんどスルーされ、大した事件扱いもされないのが変で笑えた。いくらあの人物が警察や政治家に顔がきくといっても、あんなに簡単に隠蔽、ごまかしができるなんて無理がありすぎる。結局あの妖怪?の正体とか目的が何だったのかよく分からないまま終わってしまい、え?は?と当惑という余韻だけが残ってしまいました。
 キャストはなかなか豪華(なのかな?)です。中島監督の過去の作品に出演してる俳優、女優が再登場してます。秀樹役の妻夫木聡が、なかなか好演してました。「渇き。」より役も演技もmuch better!

 ブッキーもすっかりおじさんになりましたが、今でも可愛いですね~。おじさんなのに、淡いカラーのトレーナーやカーディガンが似合います。インチキイクメンという役が面白かったです。明るく優しいけど、軽薄で独善的で無神経でもある秀樹の言動には、かなりイラっとさせられます。悪意のない無神経な善人って、実際にはいない幽霊や妖怪よりもリアルで怖い。あんな奥さん泣かせなインチキイクメン、世の中いっぱいいそう。ブッキーパパのインチキイクメンブログも笑えた。幼い娘を可愛がるブッキーが素敵でした。無残な最期も笑えた。

 いちおう主演は野崎役の岡田准一で、クレジットもトップなのですが、登場がかなり遅く、役も演技も印象が薄かったような。岡田准一じゃなくてもいい役なのか、岡田准一の演技がそう思わせてしまったのか。彼もすっかりおじさんになったな~。某事務所タレントの中では数少ない美男子だとは思うのだけど、いかんせんチビすぎる。ブッキーも小柄だけど、岡田くんはさらにチビっこい。はじめはクールでニヒルだったのに、急にオドオドと小心なキャラに変わってたのが、途中で何かを省略した感ハンパなかったです。岡田くんとブッキーには、若い頃にアルモドバル監督の「バッド・エデュケーション」みたいな映画で共演してほしかったです。

 霊媒キャバ嬢の真琴役は、「渇き。」で魔性の美少女を演じた小松菜奈。長い黒髪というイメージの彼女が、ピンクのショートヘアでイメチェン。スタイルいいな~。足、長っ!錯乱したり血ヘドをゲボゲボ吐いたり、なかなか熱演してました。真琴の姉で最強霊媒師役は、「告白」以上の怪演で美味しいところをもってった松たか子。大女優?の彼女が、ほとんどイロモノ、キワモノな役。霊媒師というより、妖術師みたいだった。妖怪はあんたのほうなのでは?な面妖さが笑えた。ダークヒロインとして、彼女主演の新作も面白いのでは。

 香奈役は、またあんたか!な働き者、黒木華。「散り椿」でも岡田准一と出てましたね~。女優の人材不足が嘆かれます。いい子ちゃんな彼女しか見たことなかったので、育児ノイローゼというより無神経な夫ノイローゼ、ヒステリックで神経症気味、じわじわコワレていく演技は新鮮でした。菜奈ちゃんも松たか子も黒木華も背が高いので、ブッキー&岡田くんがますますチビに見えた。見た目も気も強そうな女優陣に比べて、ブッキー&岡田くんはヘボくてチョロチョロしてるチビおじさんって感じでした。秀樹の後輩社員役の太賀が、可愛くて可哀想な役でした。

いつものように幕ガガ~♪

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 「アリー スター誕生」
 人気カントリー歌手のジャクソンは、立ち寄ったバーで歌うアリーに感銘を受け、自分のツアーに彼女を誘う。歌手になる夢を諦めていたアリーは、戸惑いながらもジャクソンとともにステージに立つが…
 レディー・ガガの映画初主演作として、公開前から話題になってた作品。多くの女性人気アーティストが、女優としても成功しようと目論んで失敗してますので、ガガも同じ轍を踏むんだろうと誰もが思ってたけど、いざ蓋を開けてみたらガガの演技は絶賛の嵐で、アカデミー賞主演女優賞のノミネーションも確実視されるなど、予想を見事に覆す大成功を収めたのでした。で、私の目から見た女優ガガはどうだったかというと…

 その独特というか特異な衣装やパフォーマンスで、ユニークを通り越してキワモノ、イロモノ歌手ってイメージのレディー・ガガの素顔は、デーモン小暮やゴールデンボンバーの樽美酒以上に謎だったので、原型に近い彼女が見られるのも楽しみでした。ゴテゴテ衣装やガッツリメイクで盛ってないガガは、美人だけどかなりキツそうな鬼顔でした。体つきもゴツくてイカツい。ゲイクラブで歌う彼女、どう見てもオネエさんの一人さすが本業は歌手、あたしは口パクなんかじゃないわよ!なドヤドヤな入魂のパフォーマンスは、エモーショナルで迫力満点。情が深い、情に脆い女心の表現がちょっと力強すぎるというか、オーバー気味な演技に映画半ばでオナカイッパイになってしまいましたが、いつも同じ女優や似たような女優ばかり見てる目には、映画女優ガガの個性と演技は新鮮でした。
 
 周囲にはべらせてるのがゲイや黒人ばかりというのが、マイノリティーの味方であるガガらしい演出。ガガの熱唱シーンも見どころ。「ボヘミアン・ラプソディ」と違って、あ!この曲!知ってる!好き!な楽しみ方はできませんが、曲を即興で作って即興でパフォーマンスするアリーの天才ぶりに驚嘆。才能あるアーティストって、みんなあんなことできるの?!アリーとジャクソンが初めてステージでデュエットするシーンとか、完璧なハーモニーすぎ!あんなん入念なリハーサルしても難しそう!とにかく、凡人はだだもう黙ってひれ伏すしかないアリーの才能でした。才能もだけど、ジャクソンと出会えたアリーの運の良さも神ってる(死語)。才能も運もない私なので、羨ましいかぎりです。

 スターになって富と名声を得れば得るほど、どんどんケバくなっていくアリー。いつものガガに近づいていってるのが、何だか皮肉な展開でした。アリーの大衆に媚びた下品なパフォーマンスを見て悲しむジャクソンの表情が印象的でした。ただのサクセスストーリーではなく、スターの虚栄の醜さと悲しさも描きたかった意図も感じられました。アリーが昇れば昇るほど、輝けば輝くほど、ジャクソンは暗く沈んでいく姿が悲痛。王子さまに見出されたシンデレラ物語というより、栄える者あれば滅びる者ありな栄枯盛衰、盛者必衰の物語でした。
 ガガ渾身の演技も賞賛に値しますが、私はジャクソン役のブラッドリー・クーパーの演技のほうに心惹きつけられました。もともとブラパが大好きだからということもありますが、今までの作品の中でも屈指の名演だったのもその理由です。

 カッコいいのに全然カッコつけておらず、スターらしからぬ温かみがあって、どんな失礼な一般人にも怒ったりセレブぶった気取りも見せないジャクソンは、ブラパご自身とカブるキャラなのでは。エラソーに指導したりせず、包み込むようにアリーの才能を引き出すジャクソンの優しさに萌え~。包容力のある大人の男だけど、少年のような純真さと傷つきやすさで母性本能もくすぐる男、だけど精神不安定でどこか破綻してる男、というブラパのオハコ役でもありました。いつしかとんだお荷物、足手まといな存在になっていくジャクソンは、イケメンなだけの演技ビミョー俳優が演じてたら、ただもうウザいだけの男になってたでしょうけど、チャーミングなダメ男を演じさせたら世界一かもしれないブラパだと、絶対にジャクソンを見捨てないアリーもだめんず女に見えないのです。ブラパの、あの見捨てないでと訴える子犬のような目!あれは卑怯!反則!アリーのグラミー新人賞受賞のステージでの醜態は、極めつけのダメ男っぷり。痛ましくも笑えた。

 ご自身が監督を務めているので、ガガだけでなく自分の魅力も活かすことにも尽力し、成功したブラパの才能にも感嘆。歌もギター演奏もお上手でカッコいい。悲しい最期も痛ましかったけど、私がジャクソンだったらおとなしくアリーのヒモとして幸せに暮らすわ~と、ジャクソンのガラス細工すぎる心がもどかしくなりました。ラストシーンのアリー、ちあきなおみの「喝采」みたいで笑ってしまった。ケバいセレブになっても、優しくけなげで常識を失わないアリーですが、ちょっといい人すぎ。ガガの怖い鬼顔と怒った時の迫力のせいか、結局は男からすべて吸い取って成りあがったヴァンパイヤ女にも思えてしまってあと、ウェイトレスやバーのダンサーや運転手が、底辺の人々みたいに扱われていたのも気になった。

 ↑主演男優賞&監督賞で、アカデミー賞ノミネーションが期待されるブラパです

映画に猪突猛進

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 ゴールデングローブ賞が発表されましたね!
 日本でも大ヒット中の「ボヘミアン・ラプソディ」が作品賞と主演男優賞を受賞の快挙。ラミちゃんの受賞も嬉しかったけど、私が最も驚喜したのはベン・ウィショーの受賞!「英国スキャンダル」でTV部門の助演男優賞を獲得したベン子さん。壇上に小走りで向かう姿が、ちょっキャマキャマしくて可愛かった!おめでとうベン子さん!次は映画でオスカーを狙おう!
 今年もいっぱい映画観たいですね!ぜったいにハズせん、陽春に日本公開となる話題作をピックアップしてみたけんね~

  女王陛下のお気に入り

 ギリシアの新鋭ヨルゴス・ランティモス監督の新作。女優たちのユニークかつ火花散る演技が絶賛され、今年のオスカー最有力との呼び声も高く、この春もっとも私が気になる作品!ランティモス監督が、私好みの男前なのも気になる~。

メリー・ポピンズ・リターンズ

 ディズニーの名作、約半世紀ぶりの続編。私のお目当ては、大好きなベン・ウィショー♡でも今回のベン子さん、ゲイ役ではなく子持ちのやめも役ってのがちょっと残念

バーニング 劇場版

 日本が誇る文豪、村上春樹センセイの作品が韓国で映画化されました。お正月にNHKでテレビ版が放送されましたが、内容が不思議系すぎて私にはワケワカメでした劇場版はテレビ版では描かれなかった物語とかあるのかな。ユ・アインくんはやっぱ可愛い!謎のイケメン役のスティーヴン・ユアンの好演も高く評価されてます。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス

 英国王室もの、大好き!去年のアカデミー賞主演女優賞を争ったシアーシャ・ローナンVSマーゴット・ロビーが競演し直接対決!大好きなガイ・ピアースも出演してます。

天国でまた会おう

 フランスの人気作家ピエール・ルメートルの傑作を映画化。ルメートルの作品に今ちょっとハマってるので、この映画ほんと楽しみ!

グリーンブック

 ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリがオスカー級の好演ということで話題。マハーシャラさんはGGの助演男優賞受賞。数々の傑作おバカコメディを放ったファレリー監督の作品、ということも期待させられます。

ブラック・クランズマン

 スパイク・リー監督の新作。デンゼル・ワシントンの愛息ジョン・デヴィッド・ワシントンが、いよいよ日本でも本格的お目見え。意識高い系映画ファンに人気のアダム・ドライヴァー共演。

 どれも待ち遠しいのお!皆さまはどんな作品を楽しみにしておらるるでしょうか?春もLet's enjoy movies together !

妻が侵入された…

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 「セールスマン」
 国語教師のエマッドは、妻のラナと共に所属する劇団の舞台「セールスマンの死」の稽古に励んでいた。そんな中、エマッドが留守にしていた家に何者かが侵入し、ラナを暴行するという悲劇が起きてしまう。それを機に、夫婦の間や周囲の人々との間に亀裂が生じ始め…
 イランの名匠アスガー・ファルハディ監督が、「別離」に続いて2度目のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品。ファルハディ監督作は、「ある過去の行方」しか観たことがなかったのですが、この作品も評判通りの秀作でした。人と人との間には、どんなに愛し合っていても、信じ合っていても、親しくしていても、埋めがたい溝があるんだな~と、繰り広げられるドラマに思い知らされてしまいました。平穏な人生を乱して砕く理不尽な暴力だけでなく、それによって炙りだされてしまう人間関係の脆さが恐ろしかったです。いかにも映画や小説のネタっぽい人間の心に潜む闇とか狂気とかいったものではなく、多くの善良な人々の無意識で何気ない言動に見え隠れする思慮のなさ、無神経さがリアルで胸がザワつきました。

 悪人よりも怖いのは、善人の悪意のないKYさ、無神経さです。犯人の顔が見たいとか何の気なしにラナに言う隣人とか、内密にしておくべきことと認識できずに周囲に吹聴する大家とか、基本的には親切で親身な人たちなので、怒ったり責めたりできないのが辛い。彼らへの困惑や瞋恚、傷ついた気持ちを抑え隠し、ストレスを募らせながらも円滑な人間関係を営む努力をするエマッドとラナが、痛々しくも歯がゆかったです。相手の気持ちよりも、自分の独りよがりな“優しさ”と“正しさ”を優先してるのかもしれない…と、我が身を顧みてゾっとしました。気をつけねば!

 ショッキングで激情的なシーンや、息をのむようなドラマティックな展開などはなく、終始淡々と静かに物語は進行するのですが、散りばめられた謎に先が読めず、気になってラストまで退屈しません。ラナに起こったことがはっきりしてないなど、説明をほとんどしてないところも想像をかきたてられます。説明しないけど、説明不足でわけがわからない映画じゃないんですよね~。最近の映画って、おしゃべりで頭が悪い男みたいに説明や自己主張が多いのでウンザリ。その点、この映画は寡黙だけど目ですべてを語れる静かで賢い男みたいです。伏線の張り方や小道具の使い方がさりげなくも巧みで、脚本がとにかく秀逸です。結局は善良すぎて泣き寝入りするしかない二人か、と思いきや、ラストに意外なドンデン返しがあって、苦く重い余韻を遺します。

 イランを舞台にした映画は滅多に観られないので貴重。宗教色と政治色がほとんどなく、日本や西洋とそんなに変わらない生活の描写に驚かされました。もっと抑圧された厳しい生活を余儀なくされてるのかと思い込んでました。ベールを被り、肌を露出しない女性の衣装はまさに中東ならではでしたが、男に絶対服従、隷属、みたいな虐げられてる様子も全然なく、言動も恋愛も自由そうだったのも意外でした。でも、住んでるビルがいきなり取り壊されたり、演劇の脚本に検閲が入る、といった描写はさりげなくあって、窮屈で不自由な社会は垣間見ることができました。
 
 エマッド役のシャバフ・ホセイニが、なかなかの男前でした。コリン・ファレル+ジェラルド・バトラー、みたいな感じ?優しそうで知的なところも魅力的。寛容で冷静な表面と、グツグツと怒りと猜疑に煮えてる内面のアンビヴァレント演技が素晴らしかったです。カンヌ映画祭男優賞受賞も納得。ラナ役のタラネ・アリドゥスティも美人。気丈に見えて不安定な女心を静かに力演してました。エマッド夫妻が立つ舞台劇「セールスマンの死」も、最初から最後までちゃんと観たくなりました。イランにも行ってみたくなりました。観光旅行記とか幾つか読んでみましたが、イメージしてるような不穏で危険な国ではなさそうです。

 ↑薄っぺらい塩イケメンより、濃ゆい中東イケメンのほうが美味しそう(^^♪シャバフ・ホセイニはファルハディ監督の「別離」にも出演してるらしいので、観るのが楽しみ

仁義なき討ち入り!

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 「赤穂城断絶」
 江戸城松の廊下で刃傷事件を起こした浅野内匠頭は、即刻切腹させられる。大石蔵之介を筆頭とする浅野家の家臣たちは、主を追い詰めた吉良上野介を討つための決起を主張する者、お家断絶と開城という幕府の命令に従おうとする者、そして殉死を願う者と、赤穂城での大評定で激しく意見を対立させるが…
 「柳生一族の陰謀」のスタッフとキャストが再集結し、二匹目のどじょうを狙った時代劇大作。柳生一族ほど破天荒でダイナミックではなく、大ヒットもしなかったそうですが、時代劇映画ファン、やくざ映画ファンは楽しめる作品となっています。深作欣二監督ならではの仁義なきテイストに胸踊ります。
 江戸時代の武家社会と、現代のやくざ社会のヒエラルキーが、こんなにもカブるものなのかと驚きました。さしずめ幕府は日本最大の暴力団江戸組、幕府の実権を握る柳沢吉保や老中が江戸組の大幹部、吉良上野介など身分の高い武家は江戸組の幹部、浅野内匠頭は地方の有力やくざ浅野組の組長で、大石蔵之介がその若頭、赤穂藩士は浅野組の組員、といったところでしょうか。老獪で冷徹な柳沢吉保など、典型的な大物やくざ。討ち入りに逸る血気盛んな赤穂浪士も、典型的な下っ端やくざ。鉄砲玉とかヒットマンとか、やくざ映画でおなじみなキャラもいて笑えた。ちゃんとした武家言葉や所作は守られているのに、やくざの激しい抗争劇を観てるような錯覚に陥ってしまいました。数ある忠臣蔵映画の中でも、独特で特異な作品です。

 仇討ちに目の色を変え、荒々しく激しく動き回る赤穂藩士たち。忠義に燃えてるというより、血に飢えて殺気ギラギラといった感じ。ラストの討ち入りなど、鬼気迫る殺し合い。ほとんど虐殺です。吉良上野介はともかく、何の落ち度もないのに上野介に仕えてるというだけで殺される吉良家の家臣が可哀想!
 最大の魅力は、やはり豪華なオールスターキャスト。柳生一族からほぼスライド登板、そして柳生には出てないけど深作監督映画ではお馴染みの顔も新たに参入してます。大石蔵之介役は、柳生但馬守を大熱演、大怪演して強烈インパクトだった時代劇の大スター萬屋錦之介。柳生一族に比べたら、かなり抑えた演技。美しい発声での台詞まわしや端麗な所作など、時代劇演技の教科書のようです。今の人気俳優の時代劇が、いかに学芸会レベルかをあらためて思い知りました。千葉真一は赤穂浪士の一人でワイルドすぎる剣豪役。いま彼みたいな男くさい俳優、いないですよね~。息子のマッケンユーより、この頃のサニー千葉に抱かれたいです。浅野内匠頭役は西郷輝彦。柳生一族での徳川忠長に続いて、悲劇の貴公子役。
 柳沢吉保役の丹波哲郎、上杉家の重臣役の芦田伸介の、大物役が似合う大物俳優の貫禄と威厳。松方弘樹と成田三樹夫も出演してますが、カメオ出演的なチョイ役。吉良上野介役は、「仁義なきや戦い」でのズルくてセコい親分そのまんまなキャラで金田信雄が妙演。吉良上野介は、超大物俳優が演じたらヘンにカッコいい部分、人間的な部分を加えなきゃいけないので、金田氏みたいなズルセコおやじ役専門俳優のほうが合ってます。超大物といえば、三船敏郎がチョイ役でゲスト出演。オーラがすごく、出てきた瞬間におおっとなります。

 赤穂浪士の中では、近藤正臣がいちばん美味しい役だったでしょうか。はじめの凛々しい若侍ぶりも、後半の酒浸りの荒廃したダメ男ぶりも、男の色気があって素敵。現在は千葉県知事の森田健作もイケメン。堀田安兵衛役の峰岸徹も色っぽい男前。年配組では、藤岡琢也、遠藤太津朗、加藤嘉といった名バイプレイヤーが好演。
 個性も演技も強烈な俳優たちがひしめいている中、やはり存在感といい男の魅力といい群を抜いていたのが、上杉家の家臣で暗殺や諜報を指揮する小林平八郎役の渡瀬恒彦。

 登場は遅く、出番も多くはないのですが、メインキャラをかすませる演技と魅力。台詞もほとんどないのですが、声だけでも他の出演者を圧しています。彼とサニー千葉との一騎打ちは、この映画の白眉かも。壮絶な戦いに目がクギヅケ!迫力と緊張感と荒々しさがハンパない。あれ、撮り直しとか何度もできんよな~。つねぴーのダークな雰囲気、ギラギラした目、動きの俊敏さ力強さ、そして着物姿でも判る無駄な肉のないガッシリと引き締まった体に心奪われっぱなし。彼もまた、不世出の役者です。今の人気俳優なんか、ほんと無難すぎてつまんない。つねぴーの衝撃的かつあっけない最期もインパクトあり。

 つねぴーは当時34歳。信じられないけど、今の嵐の連中と同じ年頃!深作監督作品だけでなく、「事件」や「皇帝のいない八月」など役者として男として最も脂がのっていた頃で、ほんといい男、いい俳優で惚れ惚れします。70年代の彼の出演作、もっと観たくなりました。つねぴーをはじめ、すでに鬼籍に入ってる出演者が多いので悲しい。ご健在なのは、サニー千葉、近藤正臣、西郷輝彦ぐらい?

高齢娼婦に密着取材

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 「エヴァ」
 盗作で戯曲家としての名声を得たものの、次回作が書けず焦っていたベルトランは、エヴァという娼婦と出会う。謎めいたエヴァに翻弄されながらものめりこんでいくベルトランだったが…
 「エヴァの匂い」のリメイク?現代版?ストーリーもキャラ設定も、まったく別物になってました。最大の違いは、男女の年齢でしょうか。旧作は若い女と熟年男でしたが、新作は熟女と若い男になってました。二人の関係性も、かなりアレンジされてます。妖艶でミステリアスで冷酷な悪女に身も心も虜となり、翻弄されながらも溺れ、やがて破滅する男の話だったはずなのですが、この映画のベルトランはエヴァに激しい恋も欲情も抱いておらず、ただ見た目も性格もヤバい高齢娼婦を戯曲のネタにしようと密着取材しようとして失敗しトホホ、みたいな感じでした。

 確かにエヴァ、ネタの宝庫な女なので、彼女をモデルにすれば面白い作品が2、3本は書けそう。見た目からしてネタですもん。何でこんなおばちゃん、いや、おばあさんが!?仕事中のファッション、メイク、ウィッグ、妖艶ではなく妖怪ですしよほどの熟女マニア、枯れ専でないとエヴァは抱けんだろ~。なかなかの売れっ子だったエヴァ、世の中には若い女じゃ満足できない殿方も多いみたいですねでもエヴァはいくらなんでも特殊すぎます。キワモノの域に到達してますもん。ベルトランに浴槽に顔を沈められて、浮かび上がってきた顔とかまさに魔老女な怖さでした。

 私が客だったら、たぶんセックスはできないと思うので代わりに酒でも飲みながらいろんな話がしたいわ~。高齢娼婦の生きざま、才能ある作家だったらさぞや興味深い小説や戯曲として、彼女との関わりを昇華できたはずなのですが、無能なベルトランにはそれができなかった。せっかくのネタを活かせず、ただ酷い目に遭うだけなんです。特異なプレイや会話をするわけでもなく、エヴァに惚れてストーカーするわけでもなく、実にもったいない骨折り損のくたびれ儲けな関わり。才能がないって、悲しい。

 悲しい凡人だけど、そんじょそこらにいないイケメンだったのが、返って凶と出てしまったベルトラン。真面目に地道にまっとうに働けよ!と呆れつつも、あれだけイケメンだとフツーの生活なんてできないよな~とも。バカ男でも、美しいので大抵のことは甘やかされたり許されたりするので、ますます愚かになってしまうのがバカ美男の悪質さ、そして不幸です。でも私、生まれ変わるなら賢いブサ男よりバカな美男になりたいです

 作家としての才能がないだけでなく、人間としてもバカすぎるベルトラン。あそこまでイケメンじゃなかったら、恋人にもエヴァにもソッポ向かれてたでしょうし。ベルトラン自身も、エヴァに負けず劣らずな胡乱で隠微な生き方してるので、自分をネタに戯曲を書けばいいじゃんと思いました。盗作前は、彼も男娼もどきだったし。じじい作家に一緒に風呂に入るよう言われて、服を脱ごうとする冒頭のシーンがスリリングでした。じじい!いいところで発作起こすんじゃねーよ!と思った人、結構いたのでは(笑)。
 生き地獄のような狂気の愛の物話、みたいなのを期待すると、あまりのそっけなさ、大したことが起きない内容にガクっとなりますが、2大スターの競演はフランス映画ファン必見です。

 エヴァ役のイザベル・ユペールは、毒々しいんだけど何かすっとぼけてひょうひょうとしてる、といういつもと同じ芸風、じゃない、演技。いつも同じもキムタク、織田裕二レベルだともう飽き飽きなんだけど、ユペりんクラスの神女優となると、やっぱそーでなくちゃ!これこれ!と、注文通りの高級料理が運ばれてきたみたいな期待感、満足感を得られるんですよね~。エヴァは、「エル ELLE」のミシェルが会社をたたんで娼婦に転職、という設定でも通りそうなヒロインでした。冷たいけど軽やかにトボけてて、怖いけどクスっと笑えるユペりんならではのヒロインでしたが、さすがに若い男を惑わす女役には無理がある、御年が隠せぬ容色魅惑の悪女ではなく、ヤバい妖婆みたいになってたのは、計算された演技というより自然の成り行きだったのかも
 ベルトラン役のギャスパー・ウリエルが、相変わらずブラボーなボーギャルソンイザベル・ユペールとは「Un barrage contre le Pacifique」以来の共演でしょうか。

 盗作して名声を得たものの、次回作が書けず焦って暴走するイケメン役といえば、奇しくもピエール・ニネの「パーフェクトマン 完全犯罪」と同じ。イヴ・サンローラン役といい、天才人気ゲイ監督作品主演でセザール賞対決といい、やはり何か因縁めいてるボーギャルソン二人。ギャス男とニネっち、どっちの盗作男もイケメンなだけでなくバカ、というところも共通してます。どっちもこんなバカ男役にはもったいない、けどバカだからこそ女がほっとけない、バカも魅力にしてしまう美男、というところがただのイケメン俳優と違うところです。

 可愛かったウリ坊も、今やアラサーのギャス男に。いい感じに大人の男に成熟しつつ、痛々しい若作りおじさんではない青年っぽさもまだ失ってなくて、男として俳優としていちばん魅力的な時期ではないでしょうか。薄汚いバカ男役なのに、悪い男には全然見えないんです。雰囲気もだけど、やっぱあの瞳ですよ。すご~く優しい瞳。宮根とか大泉洋とかの目と比べたら、一目瞭然です。瞳って、口よりも正直で饒舌なんです。優しい瞳のせいで、ギャス男は真の悪役はできないかもしれません。

 ちょっと顎がトンガリすぎて見えることもあるけど、やはり一般世界には絶対いない類のイケメン。何気ないセーターとかジャケットとか、ハリウッドや韓国の悪趣味ファッションとは大違いな小粋さ。さすがパリジャン。スラっとして見えるけど、脱いだらマッチョなところもギャス男の魅力。歩き方がノシノシとイカつくて男らしく、気どってないところが好きです。
 イザベル・ユペールは、この映画のブノワ・ジャコー監督ともよく仕事をしてるみたいで、ヘンリー・ジェイムズの「鳩の翼」や三島由紀夫の「肉体の学校」など、日本では一般公開されないままなのが残念!DVDでもいいので観たい!

 ↑雰囲気でごまかしてるイケメンもどきが多い昨今ですが、ギャス男は正真正銘のモノホンイケメン!フランス映画祭で上映された「世界の果て」は、いつ日本で一般公開になるのでしょうか

死神に魅入られた歌姫

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 インフルエンザが流行ってますね!わしの職場でも、5人ほどインフルに感染して病欠に。これからバタバタと次々に順番に…な恐怖におののいてます。わしはこれまで一度も罹ったことがないのですが、ぜったいに大丈夫!という何の根拠もない自信も今年は揺らいでます。だって今、そう…何か気分がダルくて咳が止まらないと、とうとう?!イヤー!!そんなはずはないので、今からジョギングしてきます(^^♪
 今Mステ観てるのですが、バックストリートボーイズが出演していてビツクリ!な、懐かしい~。最年少のニックが顔も体型もおっさんになってたけど、他のメンバーはそんなに変わってなかったのもビツクリ。脱退したケヴィン、いつの間にか再加入してたんですね。私もカラオケでよく歌った大ヒット曲「I Want It That Way」を歌ってくれたのも驚喜でしたが、ブライアンの声がヒドかった。声は劣化してたのは悲しかったです。

 「ダリダ あまい囁き」
 エジプトで生まれ育ったイタリア移民のヨランダは、フランスで受けたオーディションに合格し、ダリダという芸名で歌手デビューする。その美貌と歌声で、たちまちスターとなるダリダだったが…
 一世を風靡した歌姫ダリダの、華やかな栄光と悲劇的な私生活を描いた映画。歌手映画が最近流行ってるのでしょうか。フレディもアリーも、そしてダリダも、歌手としては大成功、富も名声も手に入れながら、プライベートでは不運で不幸、という点では見事に共通してます。フツーの人間として、男と女としての幸せまでは得られなかったのは、スターになるための代償なのでしょうか。私生活も幸せそうな大スターもいますが、彼らはきっと平凡な一般人には想像もできないような苦労や痛みを克服し、スキャンダルなんかに潰されたりしない、むしろそれを芸の肥やしにしてしまえるほどの強靭で冷徹な精神の持ち主なのでしょう。ダリダは優しすぎ、弱すぎ。スターとして生きるには、もっと神経が図太くないと。

 ダリダ、情に脆いというか情が深いというか、男に弱すぎ。男まみれな人生。もうちょっと男なしで頑張ろうよと思った。ただの淫乱、ヤリマンならまだ救いはあった。男なんかただの性欲処理、みたいな軽さがあれば、あんな悲劇的な末路にならなかったはず。重度のファザコンで、男への精神的な依存度が重すぎ。相手をする男もしんどいが、男から男へとさまよい続ける女もしんどい。人生に疲れたのというより男に疲れたダリダの最期は、可哀想というよりこれで安らげるねとホっとしました。

 男運も悪すぎるダリダ。ダリダの男たちが、これがまた見事なまでにだめんずばっかなんですよ。才能ある女性って、とかくダメ男を引き寄せがちで、しっかりした男よりもダメ男にハマって痛い目に遭うことが多いですよね~。ダリダが愛した男たち、悪人は誰一人いないけど、みんな大きな問題があって、はじめっから深いりしたら不幸は目に見えてる連中ばっか。そのうち3人が自殺とか、呪われてるとしか思えない不気味さ不吉さ。

 男たちとの不幸な恋愛と並行して、スターダムに乗り華やかに活躍するダリダの芸能生活が、ヒット曲やパフォーマンスをふんだんに挿入して描かれてます。世代が違う私でも、「ボヘミアン・ラプソディ」ほどではないけど、あ!この曲知ってる!な楽しみ方ができました。パローレ、パロ~レ🎵アラン・ドロンとのデュエット曲が、日本では最も有名でしょうか。ダリダのステージ衣装、私生活でのファッションも目に楽しいです。

 話よりも、ダリダの恋人たちを演じたイケメンがこの映画の魅力かもしれません。不倫略奪で熟年プロデューサーと結婚したダリダが、カンヌで恋に落ちる東欧出身の美青年役は、グザヴィエ・ドラン監督作品や「汚れたダイヤモンド」で印象を残したニールス・シュナイダー。金髪、色白、長身、タキシードもセーターも上品かつオシャレに着こなす、絵に描いたような美青年!チョイ役でしたが、彼がいちばんまともな恋人だったかも。

 ダリダが音楽祭で出会い恋に落ちるイタリアの新人歌手役のアレッサンドロ・ボルギも、なかなかのイケメンでした。私がいちばん好きなのは、3番目の恋人である18歳のイタリア少年役のブレンノ・プラシド。「眠れる美女」でイザベル・ユペールのマザコン息子役を演じてた子ですね。今回もイケメン!市原隼人+ジェームズ・フランコ、みたいな。繊細だけど恋に情熱的で一途なキャラが、見た目に合ってました。ラブシーンが大したことなく、すぐに退場するので物足りなかった。

 4番目の恋人である自称フランス貴族の男役、ニコラ・デュヴォシェルが十八番のドキュンなダメ男を好演。バカでもろくでなしでも、いい男だと魅力になってしまうところが女にはイタいですね。ニコラ、すっかり老けちゃってたのが気になった。
 ダリダを熱演したスヴェヴァ・アルヴィティは、派手で濃ゆい美しさがいかにもイタリア美女。たまにジュリア・ロバーツ、ソフィア・ローレンにも似て見えました。ダリダの弟役は、イタリアの人気俳優リッカルド・スカマルチョ。彼もすっかりおっさんになったわ~。ブルドッグみたいな顔になってたし。ダリダの弟役はちょっと無理があった。どう見ても兄、もしくは叔父。元いい男といえば、最近は監督として活躍してるヴァンサン・ペレーズも顔を見せてます。はじめ誰か判んなかった。美男の原型をとどめてない老化が悲しい。

↑ブレンノ・プラシド、1991年生まれの現在28歳

 ↑アレッサンドロ・ボルギ、1986年生まれの現在33歳
 イタリアのイケメンもチョベリグ(死語)ですね~

クーガー女

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 「セリーナ 炎の女」
 20世紀初頭のノースカロライナ州の森林地帯。製材業を営むジョージは、火事で家族を失ったセリーナと恋に落ち結婚する。やがてセリーナは妊娠するが、流産し二度と子どもを望めない体になってしまう。ジョージはセリーナと結婚する前に手をつけた女給に産ませた息子を気にかけ始め、それに気づいたセリーナは激しい憎しみに駆り立てられ恐るべき行動に出るが…
 「アリー スター誕生」が絶賛公開中のブラッドリー・クーパー主演作。日本では劇場公開されず、DVDスルーとなりました。そんなに昔の作品ではないのですが、ブラパが若く見えて相変わらずカッコよかったです若く見えるけど大人の男で、男らしいけど優しそうなところが好き。日向と土のにおいがするけど都会的な雰囲気もあって、20世紀初頭のファッションも小粋なんですよね~。当時のスーツも、ぜんぜん古めかしくなくオサレに着こなしてます。アメリカ男にしては趣味がいいのもブラパの魅力。ブラパってすごくカッコいいのに、全然カッコつけてないんですよね~。ブラパの足元にも及ばないくせに、ナルシーにカッコつけてる中途半端イケメン俳優、いっぱいいて片腹痛いわ。

 見た目や性格、頭が良いパーフェクトな男はもちろん素敵ですが、弱い部分、悪い部分も魅力になるのが真の男前。今回のブラパも、男としてのスペックは最高に見えて、実はとんでもない致命的欠陥のあるダメ男の役なんですよ。いい人、いい男なんだけど、心が弱すぎ。性欲処理で抱いた女給が孕んでも知らん顔、生まれた息子も無視、でも妻が流産して精神不安定になって結婚生活が破綻すると、今までシカトしてた母子に慰めを求める始めるとか、身勝手すぎる!身も心も傷ついてるセリーナにとっても、不誠実で薄情な仕打ち。世間を騒がせたあのゲス不倫議員も真っ青のゲスっぷりに、女性なら誰でも不快になるジョージなのですが、ダメ男ゲス男もブラパが演じると憎めない。悲しそうにオロオロしたり、追い詰められてキレたりするブラパを見手ると、悪いのは女のほう!なんて思えてくるんです。ジョージみたいな役は、顔はフツーもしくはブサイクでも演技力抜群な俳優がやっても、演技力は学芸会以下だけどルックスはいい俳優がやっても、ただもう最低な男になるだけ。ゲスもダメも魅力にしてしまうブラパは、やはり卓越した俳優と言えるでしょう。

 ブラパご自身はスマートな男性と存じますが、ちょっとアホみたいな顔してるせいか、悲惨な物語なのにあまり深刻にも暗くもならないのがちょっと…ブラパにはやっぱ、シリアスな悲劇は似合いません。大物俳優になり、監督としても高く評価さるようになった最近のブラパは、すっかり本格派志向なご様子。たまにはまた、昔取った杵柄的にコメディ映画にも出てほしいものです。

 セリーナ役は、ブラパとの共演作が多いジェニファー・ローレンス。すでに大ベテラン女優の貫禄で、とても20代とは思えません。おばさん娘って感じ。それにしても彼女、ほんと気が強そう。かわいこブリっこ女優も苦手ですが、ジェニファーみたいな性格のキツさ、悪さを隠さない女優も、好感と共感を抱きにくい。ふてぶてしく意地悪そうな顔、雰囲気が怖い。同じクラスにいたらいじめられそう。本来ならセリーナは、狂気に蝕まれる悲劇のヒロインなはずなのに、ジェニファーだと単なる凶暴なイカレ女にしか見えん。美貌のヒロインという設定にも疑問符。山奥暮らしなのに、いつも髪型もメイクも衣装もスタイリストがばっちり!みたいなのも変だった。マクベス夫人みたいに夫に悪事をけしかけるセリーナの毒妻ぶりとか、夫の心が離れてしまうほどのセリーナの心の闇を、もっと丹念に描いてほしかったです。
 その他のキャストでは、予知能力のあるサイコっぽい山男役にリス・エバンズ、保安官役にトビー・ジョーンズと、英国の個性派俳優が助演。作業員役のオーストラリア俳優サム・リードが、チョイ役ながらなかなか目立つイケメンでした。

 ↑ 先日発表されたアカデミー賞のノミネーション。ブラパ、監督賞からはまさかの候補漏れ!残念でも、主演男優賞にはめでたくノミネートされましたクリント・イーストウッド主演&監督作の「運び屋」が、近日日本公開のブラパです

早春 Ich mag dich ♡

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 Wie geht's dir?皆さま、ご機嫌いかがですか?インフルの猛威に戦々恐々な毎日ですね!
 先日、ドイツからラブレターが届きました~注目のイケメン、ヤニス・ニーヴナーくんから、ファンレターの返事!ぜんぜん期待してなかったので驚喜。ドイツ版おっさんずラブ「Jonathan」の彼、ほんとカッコカワいかった

 ポートレイトだけでなく、「Jonathan」と「タイムトラベラーの系譜 エメラルド・グリーン」」のポストカードにもサインして送ってくれたヤニスくん。ええ子じゃのお!イケメンな上にファンを大事にする彼が、ますます好きになりました。

 出演作がなかなか日本で公開されないので、日本ではいまだに知る人も少ないヤニスくん。新作のTVドラマ“Beat”では、ワイルドでパンクな役に挑戦してます。今後も応援&注目していきたいドイツイケメンです

禁じられた婚前交渉!

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 「草原の輝き」
 1928年のアメリカ、カンザス。高校生のディーニーとバッドは深く愛し合っていたが、信仰心や道徳観に一線を越えることを阻まれ苦悩していた。いつしかディーニーは精神のバランスを崩し…
 草の輝くとき 花美しく咲くとき 
 ふたたび それは帰らずとも 嘆くなかれ
 その奥に秘められし 力を見出すべし
 ワーズワースの有名な詩をモチーフにした、美しくも哀切な青春映画…かと思いきや。トンデモな病みイカレ映画でした結婚するまで清らかな関係のままでいる、という貞操観念を守るカップルって今でもいるにはいるのでしょうけど、この映画のディーニーとバッドはいくら何でも異常です。ヤりたいヤリたいヤリたい!で若い心と体は悶々としてるのに、ヤっちゃダメ!ヤったら死ぬ!みたいな我慢と苦悩が、ほとんど偏執的で狂ってるとしか思えないんですよ。真剣に深く愛し合ってるんだし、ヤっちゃっても罪にはならないのでは?婚前交渉って、そんなにいけないことなの?むしろ、結婚前にお試ししたほうが、結ばれた後に性生活の不一致で深刻な事態に、なんてことにならずにすむのでは。そんな考え方、軽すぎるのでしょうか。とにかく私なんからしたら、ディーニーとバッドは必要以上に恋愛や人間関係、人生を重くしてる、周囲にも迷惑なめんどくさいカップルです。

 セックスにカジュアルなイメージのアメリカ人だけど、異様なまでに性に厳格な人々も多いみたいですね。私のような無宗教の日本人からしたら、キリスト教の影響って救いどころか恐ろしい呪縛としか思えません。信仰に篤すぎる人って、ほんとヤバすぎる。何でそんなに他人も自分も苦しめ傷つけるのか、私なんかは理解不可能です。信仰心と思春期の不安定な情緒のダブルパンチで、どんどんコワレていくディーニーの狂態に戦慄。もうセックスしてスッキリしようよ~と心底思った。ヤリすぎもよくないけど、異常な禁欲、抑圧は心身にはさらに毒です。何でもほどほどが健全!
 ディーニーのイカレっぷりは、ほとんどホラーです。悪いものに憑かれたようで、エクソシストも真っ青。A、BまでいってもCができず、あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ~♪でもやっぱ、ダメよダメダメ!な錯乱の繰り返しとか、バスルームでの精神分裂など、やっぱ彼女とは深入りしないほうがいいかもとゾっとする、ヘヴィなメンヘラっぷりです。場所選ばずの狂乱狂態、入水自殺未遂、精神病院送り…怒涛の勢いで進行するディーニーの病み青春に圧倒されます。

 ディーニーに翻弄され周章狼狽、寸止めを食らいまくるバッドが哀れ。脳みそまでチ◯コなはずの年頃で、あの我慢、忍耐は超人的。ディーニーはあんなだし、家族もあんなだし、フツーならグレるか鬱病になりますよ。他の女の子との浮気とか大学中退とか、ごく当たり前な弱さです。すべてにおいて恵まれた少年なのに、周りの連中のせいで不幸になるなんて理不尽!ディーニーは母親、バッドは父親。二人のイビツな溺愛は、ほとんど精神的虐待。独善的で支配的な愛を押し付けてくる毒親って、古今東西の家庭問題です。

 ディーニー役を大熱演し、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたナタリー・ウッド。美人!だけど、高校生役には無理があったような。大人っぽすぎる、色っぽすぎる。身悶え演技、ヒステリー演技は鬼気迫る迫力です。バッド役は、これが映画デビューのウォーレン・ビーティ。数々の秀作・問題作の主演&監督、数々の魅力的な女優や歌手と浮名を流した、ハリウッドきっての実力者で遊び人だった彼ですが、若い映画ファンにとっては“アカデミー賞で誤発表をした爺さん”ですね当たり前ですが、わ、若い!彼も高校生には見えないし、エッチを我慢する生真面目で繊細な童貞にも見えません。イケメンだけど、眠そうな目やぽってりした唇など、どこかユル~い感じが悩める少年役にはミスキャストな感じが。もうちょっとストイックで思いつめた風情が魅力の美青年がよかったかも、と思いつつ、厳しい試練を受け入れ乗り越えるバッドは、やはり明るくたくましいアメリカ人らしさが光る俳優が演じるべき役なのかな、とも。

アンナチュラルな美熟女!

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 寒いけど、春の近づく足音もそこかしこで聞こえてくる今日この頃ですね。私の家の庭も、花はまだ少ないけど葉っぱは元気で蕾もたくさんつき、春の訪れを待っています。玄関や寝室では、ボケや水栽培のヒヤシンスが可愛く花開いてくれて、心あたためてくてます。
 
 でも、ほんとは春が苦手なんです。毎年あたたかくなると体がダルくなるし肌も荒れるし、今年こそ花粉症になったらどうしようという恐怖にも襲われるし、心身ともにダメージシーズン。先日も、早朝に突然謎の腹痛で死ぬかと思ったし…皆さまも、季節の変わり目なのでくれぐれも体調管理にご留意あそばして!

 「永遠に美しく…」
 落ち目の女優マデリーンは、旧友のヘレンから婚約者の美容外科医アーネストを奪って結婚する。ショックと恨みでヘレンは激太りし、精神病院送りとなる。数年後、アーネストはマデリーンとの破綻した結婚生活に疲弊し、葬儀社の死体修復人に落ちぶれアル中に。容色の衰えに悩み、美と若さに固執するマデリーンの前に、美しく変貌したヘレンが現れ…

 ロバート・ゼメキス監督の作品の中では、大ヒットした「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズよりも、オスカーを受賞した「フォレスト・ガンプ」よりも、この映画がいちばん好きです。とにかく明るくノーテンキでパワフルで強欲なアメリカ人!この映画のマデリーンとヘレンも自分のことしか考えておらず、他人の我慢や犠牲は当たり前、自分の利益追及や欲望を満たすためには手段選ばずな冷酷さ残忍さで暴走するイカレ女どもなのですが、暗さや湿っぽさが全然なく、その恐れ知らず疲れ知らずなバイタリティは痛快爽快でさえあります。トランプ大統領もだけど、とんでもなさに裏表がなく明快でノーテンキなおかげで、何か憎めない、笑ってしまう。それこそアメリカ人の美質でしょうか。

 げに恐ろしきは女の虚栄とプライド、そして執念。若さと美への執着、私のほうが上!というマウンティングにデスパレートな女の醜悪さ、愚かさが滑稽に描かれてます。真面目に描くと気持ち悪いけど、コメディだと良い素材になりますね。マデリーンもヘレンも中途半端に善い人、可哀想な女ではなく、徹底して性悪なところが返って爽やかで好感。特にマデリーンの底意地の悪いビッチぶりが最高。アーネストへの仕打ちとか、ほとんど精神的DVです。あの威風堂々なまでに人もなげな態度、非道すぎて笑えます。階段での言い争いシーンには爆笑。マデリーンのアーネストへの罵詈雑言、インポだのフニャチンだのとバカにしまくってる時の表情とか、すごい破壊力です。キレたアーネストに突き飛ばされて階段ゴロゴロ転落、ベチャっとありえないポーズで倒れてるマデリーンの悲惨な姿とかも、腹が痛くなるほど笑えたわ~。ラストの階段ゴロゴロ&バラバラも、コーヒー飲んでる時に思い出すと吹いちゃうので注意してます。

 今の高度なCGに慣れてる目には稚拙に映るけれども、首が伸びたり腹に穴が開いたりと、当時の特殊技術や特殊メイクが懐かしくもユニークで目に楽しかったです。下ネタや大人の醜い事情満載な内容が、オコチャマ向けファンタジーが苦手な映画ファンのお口にも合います。
 3大スターの楽しそうな怪演、珍演も大きな見どころとなってます。マデリーン役のメリル・ストリープは、世界一の大女優なのにノリが良すぎる。こんな下品で性悪な年増ビッチ役、吉永小百合には絶対ムリですし。ラスト近くにはゾンビと化してましたし、オスカー受賞やノミネートの演技同様、悪ふざけを楽しんでいるかのようなバカ演技にも、大女優の風格と余裕が感じられます。数あるメリルおばさまの作品の中でも、私はこの映画が1、2を争うほど好きです。

 ヘレン役のゴールディ・ホーンも、ノリノリで大暴れ。まさに妖怪。不老不死の薬で美しく変身した姿のスタイルのよさは、当時の年齢を考えると驚異的。アーネスト役のブルース・ウィリスも、「ダイ・ハード」シリーズの彼とは別人のようなヘボさと情けなさで、怪女二人に虐げられてメソメソイジイジな姿が可哀想で可愛いです。3人の中ではいちばん年下なのに、そうは見えないおっさんな風貌も微笑ましいです。不老不死の薬を女ふたりに売る謎の美女リスル役のイザベラ・ロッセリーニは、ママのイングリッド・バーグマンに顔も声もそっくり。バーグマンを濃ゆく退廃的にした、腐りかけの果物みたいな臭気ある面妖さが独特。リスルの正体や薬の秘密など、明かされなかった謎が気になる。

帰って来た魔女乳母

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 「メリー・ポピンズ リターンズ」
 世界大恐慌時代のロンドン。妻を亡くし3人の子どもと暮らすマイケルは、抵当に入れていた家を銀行に奪われそうになり途方に暮れる。そんな中、マイケルと姉ジェーンの乳母だった魔法使いのメリー・ポピンズが空から再び現れ…
 今年初の劇場鑑賞映画。1964年の名作のリメイクではなく、半世紀を経ての続編。小さい頃にTVで観た前作は、オスカーを受賞したジュリー・アンドリュースの名演と有名な歌、そしてアニメとの合成は印象に残っているものの、内容はうら覚え。設定や人間関係などは、ほとんど予備知識なしで観ました。メリー・ポピンズが帰還したこの新作も、とっても目と耳に楽しいミュージカル映画でした。

 前作に比べると、かなり華美でド派手でダイナミックになってました。まるで夜のショーパブみたいなノリは、同じロブ・マーシャル監督の「シカゴ」を彷彿とさせ、お子さま向けミュージカルはさすがにちょっと…という大人の映画ファンも満足できるのではないでしょうか。ファンタジックシーンの驚異的なCG、ビッグベンやロンドンの街並みを再現したセット、カラフルな衣装など、金かけてるな~と驚嘆。まさに他国の追随を許さぬハリウッド、ディズニーの威信をまざまざと感じさせられました。

 ふんだんに盛り込まれた愉快で独創的な歌や踊り、ファタジックシーンの中でも、私が特に好きなのはバスタブから海中、男たちが踊り狂う夜のロンドン、そしてラストの風船で空、です。夜のロンドンでの男たちのダンス、そしてジャンプ台を使っての自転車のアクロバットなどは、かなりイマドキな演出。
 お話も、ヘンにハートウォーミングじゃなかったのが良かったです。お涙ちょうだいな感動押し売り、ベタベタしい情愛が苦手なので、深刻で湿っぽい家族関係や家族トラブルではなく、家が差し押さえられそうになる程度(まあ、これはこれで大問題ですが)のピンチでドタバタ騒いでるだけ、な話で安堵。マイケルと子どもたちとの親子関係も良好で、子どもたちもみんな賢くて良い子たちばかりなので、メリーいなくても大丈夫だったのでは

 メリーも基本的には、子どもたちにファンタジー体験させるだけで、あーしろこーしろと厳しく躾たりはせず、マイケルにも子育てについて差し出がましい口出しをするわけでもなく、サラリとみんなの自力行動や自力解決を促すスタンスが、これまた理想的なイマドキ保育でした。安易に魔法を使って助けたりしないのも、依頼心ではなく独立心を養わせるためのメリーの教育方針だったのでしょうか。

 バンクス家が再び明るさを取り戻す手助けをするメリーですが。バンクス家はまだ幸せなほうですよ。金に困ってるとは思えぬ恵まれた衣食住でしたし。今度は北朝鮮とかイラクとかアフリカとかの、もっともっと不幸な子どもたちのもとへ飛来してあげてほしい!
 新メリー・ポピンズ役を、「プラダを着た悪魔」以来頭角が著しいエミリー・ブラントが快演。顔だけでなく、柔和で優しそうなジュリー・アンドリューズに比べて性格もめちゃくちゃキツそうなので、とても前作のメリーと同一人物とは思えぬ今作のメリーでしたが、エミリーのクール&シニカルなメリーもなかなかチャーミングでした。メリーを優しいというよりカッコよく演じています。暴風吹きすさぶ曇り空から現れる彼女、まさにダークヒロイン。バックに明るい青空より轟く雷のほうが似合いそうな感じ。あまりにも気が強そう、頭が良さそうなので、常に何か企んでるような、何か腹にイチモツありげな風情でした子どもたちを養育しているというより、彼らを威風堂々と従えてる女王さまって感じでもあった。

 ↑ちょっと悪女っぽい表情が多いのも、新メリー・ポピンズの特徴?
 メリーの相棒?な街灯の点灯夫ジャック役は、ブロードウェイのスターであるリン・マニュエル・ミランダ。所狭しと歌って踊って八面六臂の大活躍!メリーよりも出番も見せ場も多かったような印象。圧巻の歌声は、独特なハスキーアニメ声。ちょっとバイキンマンの声似?顔は特濃になった国分太一?それにしてもジャック、謎すぎるキャラ。彼も魔法使いなの?謎といえば、ほとんど怪奇現象とも言えるファンタジックな魔法を使っても、は?何のこと?と何事もなかったかのようにしらばっくれるメリーに、昔はマイケル姉弟も、今回は子どもたちも、大してツッコミ入れることなくスルーしちゃってる設定。

 マイケル役は、大好きなベン・ウィショー。ベン子さんが、やもめの子持ち役!明るくノーテンキな周囲と違い、ひとりだけ暗くて深刻そうなベン子さん、相変わらず不幸オーラがハンパないです。思ってたより出番も多く、準主役といってもいい扱いなのが嬉しかったです。ラストの風船で空に浮かび歌うベン子さん、舞台で鍛えた美声を披露!ジェーンとジャックがいい感じになるのですが、マイケルにも新しい恋、ベン子さんさんなのでイケメンとの、なんて驚きの展開にしてほしかったかもそれもまたイマドキで、きっと話題と共感を呼んだのでは。
 
 マイケルが勤務する銀行の悪どい頭取役でコリン・ファース、メリーのいとこ役でメリル・ストリープ、といった大物スターがゲスト出演。ファース氏は、高級スーツが世界一似合う男!ハリウッド俳優とはやっぱ全然違うザ・ブリティッシュな魅力です。ラスト、ひとりだけ風船で空を飛べなくてしょんぼり、な姿が可哀想でした。メリルおばさまの、元気に大はしゃぎな妖婆っぷりも強烈。コリン・ファースの伯父で元頭取の爺さん役で、前作のメリー・ポピンズに出てたディック・ヴァン・ダイクも登場。御年90歳!お元気そうで何よりですが、歌って踊るシーンは明らかに顔と体が別人な合成で笑えた。パっとサイデリア~♪のCMの小林亜聖を思い出しました。風船売りの婆さん役で、ジェシカおばさんことアンジェラ・ランズベリーも顔を出してます。

 ↑ ベン子さんの新作は、ディケンズ原作の「デヴィッド・コパフィールド」。主人公のデヴィッド役はデヴ・パテルで、ベン子さんは悪い使用人ユライヤ役!楽しみ!
 

詩を書くバス運転手

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 明日はオスカーの授賞式!昼から出勤なので、それまでまったり観る予定です(^^♪
 何だか最近、ゴタゴタ続きのオスカーですが、今年もいろいろ問題が噴出して穏やかでない話題ばかり。映画ファンの期待や喜びに水を差す大人の事情、深刻化が懸念されます。
 で、毎年ほぼ当たらないMYオスカー予想発表!
 
 作品賞 「ブラック・クランズマン」
 監督賞 スパイク・リー
 主演男優賞 ラミ・マレック
 主演女優賞 グレン・クローズ
 助演男優賞 リチャード・E・グラント
 助演女優賞 レジーナ・キング
 外国語映画賞 「COLD WAR あの歌、2つの心」
 
 こんなん出ましたけどぉ~?
 当たらないのは、予想というより希望だからですね作品賞、世間では、とりわけ日本では、大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」の受賞を願う人が多いようですが、あの内容で作品賞はないやろ~。でもまあ、「タイタニック」とか「恋に落ちたシェイクスピア」とかも獲ってるし、ありえないハプニングでもないでしょうか。主演男優賞は、クリスチャン・ベールに2個目をあげるより、ラミちゃんにあげるほうが新鮮で歓迎できますけれども。
 主演女優賞は、名女優のグレン・クローズがついに栄冠となりそう。彼女ほどのキャリアを誇る大女優が、好演したとはいえキワモノポップ歌手の映画デビュー演技に負けるなんてことになったら、可哀想すぎる!今日観ることができた「女王陛下のお気に入り」のオリヴィア・コールマン、かなり強烈な怪演でしたが、彼女なら今後まだ何度もチャンスありそうなので、今年はグレンおばさまに譲ってあげてほしいわ。
 助演男優賞は、こないだ獲ったばかりのマハーシャラ・アリより、英国のベテランバイプレイヤーのE・グラント氏に花をもたせてあげたい。大絶賛されてる「ローマ」よりも、「ブラック・クランズマン」と「COLD WAR」のほうが面白そうなので、蓋を開ければローマ惨敗な大番狂わせを期待してます
 オスカーにノミネートされてる映画の日本公開ラッシュで、映画ファンには忙しい春になりそうですね皆さまの要チェキ映画、おすすめ映画は?

 「パターソン」
 ニュージャージー州のパターソン。バス運転手のパターソンは、愛する妻とペットのブルドッグと穏やかに暮らしながら、ノートに詩を書き綴っていたが…
 スターウォーズシリーズのカイロ・レン役で一躍メジャー級のスターになり、今年はスパイク・リー監督の新作「ブラック・クランズマン」で初めてオスカー候補となるなど、まさにアゲアゲな最旬の男優と言ってもいいアダム・ドライバーですが、以前からインディーズ系の王子として意識高い系映画ファンの間では人気が高く、この名匠ジム・ジャームッシュ監督作品での彼も高く評価されました。

 地味だけど独特な風貌と雰囲気の持ち主であるアダム・ドライバー。イケメンなのかそうでないのか不思議な顔してます。ほぼ無表情で、優しそうだけど不気味でもある。ヌオオ~っとした巨体も、ちょっと怖い。手のひらと靴のデカさ、ほとんど巨人です。おとなしくて無害そうだけど、寡黙で無表情なので何を考えてるのかわからない、ひょっとしたらヤバい人なのかもしれない?実は殺人鬼だったなんて展開になるのでは、という静かな不穏さをずっと漂わせ、イヤな期待を抱かせてくれました。期待が外れて、安堵したようなガッカリしたようなたまに見せる笑顔が、すごく可愛かった!

 つかみどころのないミステリアスなアダム・ドライバーの個性が、詩人という役によく合ってました。奥さんとの親密なシーンの彼の、静かだけど優しく甘い演技も素敵でした。常に受け身で、ほとんど奥さんの言いなりなパターソンが可愛かったです。尻に敷かれた気弱で小心な夫では決してなく、理解と包容力があるいい旦那さんなパターソンですが、無邪気すぎる奥さんの言動に怒りもイライラもせず、いつも静かに受け流す様子は、何となく暖簾に腕押し、糠に釘な感じで、私が奥さんだったら不安になるかも。

 でも、心を開かない、心を許してない、な薄情さ、深刻さではなく、奥さんのことはすごく愛してるけど、愛で動揺したり壊れたりしない自分だけの世界がある、みたいなところが詩人なのかな、とも。詩人として世に認められたい!という野心も自己顕示欲も全然ない、無欲で淡々としてるところも。私には詩心がまったくないので、パターソンの詩がすぐれているのかそうでないのかは判りません。頭の中に詩的なフレーズが浮かんでくる人の感受性や語彙力が羨ましいです。

 パターソンの奥さんも、チャーミングなキャラでした。美人で可愛くて無邪気。料理やギターやデザインなど、あれこれ挑戦したがる気質にはちょっとイラっとしましたが、お金の無駄づかい、浪費も苦笑で許せる程度なところも可愛かった。バス運転手の夫のわずかな稼ぎで、のんきで楽しそうな専業主婦生活、いいご身分だな!パートでもしろよ!と思わないでもなかったが夫婦が二人そろって大らか(大ざっぱ?)で、細かいことを気にしない浮世離れした性格、やりとりが微笑ましかったです。愛する人のことばかりで心も生活もいっぱいいっぱいにしないって、恋愛や結婚生活を続ける上では大事なことですよね。奥さん役のイラン人女優ゴルシフテ・ファラハニは、「Altamira」ではピエール・ニネに恋される人妻役でした。エキゾティックな中東美女!

 パターソンが出会う日本人役で、キョンキョンの元夫こと永瀬正敏がチョコっと出演してます。パターソン夫妻のこじんまりとした、慎ましいけど生活感の薄い家が素敵でした。ペットのブルドッグの可愛さと名演も特筆に値します。ドラマティックなことは何も起こらない、淡々とした展開・内容なので、そういう映画が苦手な人はきっと睡魔に襲われます。かくいう私も何度か

 ↑メジャー大作でガッポリ稼ぎ、名監督の秀作で高い評価を得る、というアダム・ドライバーの仕事ぶりは、まさに俳優としては理想形ですよね~

オスカーラプソディ

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 アカデミー賞生中継を、今年もまったり観ることができました~(^^♪
 日本ではWOWWOWで観るしかないので仕方がないのですが…レッドカーペットの中継、ほんとに必要?去年もだったったけど、レポーターが大物にはスルーされまくりで、全然インタビューできないんですよ。石田じゅんいちの娘が、耳障りなキーキー声でミーハーに騒いでるだけで、これ誰得?視聴者へのイヤガラセ?な無駄な電波の垂れ流し。インタビューできないなら、やって来るスターをじっくり映してくれたらいいのに、それもせずに是枝監督&細田監督とスタジオとのトークが延々と続くだけ。日本人のノミネートは嬉しいけど華やかなハリウッドスターが見たい私は、ストレスが募るだけの内容でした。来年からは、もうセレモニー本番から観始めることにします。

 ↑ アダム・ドライバー、ブラッドリー・クーパー、ジェームズ・マカヴォイ いい男たちが続々と登場(^^♪
 で、いろいろスッタモンダがありましたが、つつがなく始まったオスカー授賞式。オープニングは本物のクイーンが登場し、掴みはOKなライヴで大盛り上がり。今年は司会者なし。長々と日本人には笑えないジョークトークしてるだけで時間の無駄な司会者なしだと、スムーズに進行する式典。残念だったのは、プレゼンターがやけに地味になってたこと。今をときめく人気スターとか超大物スターはほとんど登場せず、かなりビミョーなメンツばかり。アメリカでは名の知れた人かもだけど、日本人には誰?な人も多かった。
 今年も大好きなスターの姿には大興奮!中でも殿下ことチャドウィック・ボーズマンは、今年も目を惹く素敵なファッション!
  
 殿下、素敵~いい男ですね~殿下のみならず、最近はオスカーでもブラックビューティが華やかですね。候補者や出席者の中で特に気になったのは、やっぱファッションが奇抜だったり奇妙だったりする人たち。女優では、「女王陛下のお気に入り」で壮絶にバトルしたエマ・ストーンとレイチェル・ワイズ。絵馬石、魚?蛇?のウロコみたいなドレス。あれって、おしゃれなの?!レイチェル・ワイズは、カープファン?!な真っ赤。彼女の旦那であるダニエル・クレイグ、久々に見たけど爺さんになったな~。でも背筋ピシっ、筋肉でタキシードがピチピチで、お金もってそうな小粋でダンディーな爺さん。ジェニファー・ロペス、年齢に逆らいすぎな美魔女ぶりが不気味!候補者でもないのに、気合い入れすぎなファッションもKYすぎる。結婚式で花嫁より華やかな服を着て出席する非常識な女みたいでした。プレゼンターのジェームズ・マカヴォイ、相変わらず小さい!でも可愛い!トークもおちゃめでした。

 目玉のひとつだったのが、レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパーの生デュエット。ブラパ、カッコよかった今年もブラパママがいた!レオママと並ぶ目立ちすぎママキャラです。以前はキワモノだったガガも、すっかりキャラ変しちゃいましたね。目立つといえばやはりこの人、スパイク・リー監督。大物監督というより、大物お笑い芸人なファッションと言動。脚色賞を受賞し、ステージに上がってサミュエル・L・ジャクソンに飛びつくスパイク監督が可愛かったです。2度目の助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリの奥さんのファッションもスゴかったわ~。

 後半になると、続々と主要部門の発表。注目されていた主演男優賞は、2度目を狙うクリスチャン・ベールVS初ノミネートのラミ・マレックの一騎打ち。多くの人が願った通り、ラミちゃん勝利

 自信があったのか、わりと落ち着いて見えたラミ。でも本当に嬉しそうでした。また新たなるスターの誕生ですね。私が最も気になってたのが、今年も主演女優賞。プレゼンターは、「スリー・ビルボード」のコンビ復活が嬉しいフランシス・マクドーマンド&サム・ロックウェル。

 名女優のグレン・クローズがついに、というのが大方の予想。私もグレンおばさま好きなので、そう願ってました。でも、こないだ観たばかりの「女王陛下のお気に入り」のオリヴィア・コールマンが強烈すぎたので、あの演技を超える演技なんてあるのかと思ってもいました。受賞の発表、蓋を開けてみれば…何と!オリヴィア・コールマン!ここで起きた!番狂わせ!

 ご本人がいちばんビツクリなリアクション。隣の絵馬石が歓喜のキス。男前のヨルゴス・ランティモス監督も嬉しそう。女王陛下、最多ノミネートなのにまさかの無冠で終わりそうな展開だったけど、土壇場でデカいのキター!!GG賞同様、ユーモアたっぷりにスピーチするオリヴィアさんに好感。グレンおばさま、無念!残念!これはもう名誉賞送りですね~。御気の毒、だけど、女王陛下を観た人なら納得の受賞かも。
 
 監督賞は、下馬評通りにアルフォンソ・キュアロン監督が2度目の受賞。プレゼンターが同郷メキシコの親友ギレルモ・デル・トロ監督ってのが、何だかヤラセを疑ってしまうほどのデキすぎ人選。キュアロン監督も俳優してもいいほどの男前ですよね~。メキシコといえば、プレゼンターで登場したディエゴ・ルナも、相変わらず可愛かった。ほぼ毎年出席してるガエル・ガルシア・ベルナル、今年は不在で残念。どうせなら、ガエルっち&ルナちんのコンビでプレゼンターしてほしかったです。
 いよいよラスト、作品賞。「ROMA」か「グリーンブック」か?プレゼンターは、日本ではすっかり過去の人、でもハリウッドでは今でも大女優扱いされてるみたいなジュリア・ロバーツ。彼女が発表したのは「グリーンブック」!ステージに上がった関係者の中には、去年「シェイプ・オブ・ウォーター」受賞で歓喜の輪の中にいたオクタヴィア・スペンサーの姿が今年も。近年のオスカー絡み作品には必ずといっていいほど出演してるオクタヴィアさん、ナニゲに幸運のマスコット的存在になってますね。最終的にはネット配信の外国語映画ではなくアメリカ製の劇場映画を選んだのは、ハリウッドの意地というか矜持でしょうか。

 あらためて、受賞結果。
 
 作品賞 「グリーンブック」
 監督賞 アルフォンソ・キュアロン
 主演男優賞 ラミ・マレック
 主演女優賞 オリヴィア・コールマン
 助演男優賞 マハーシャラ・アリ
 助演女優賞 レジーナ・キング
 外国語映画賞 「ROMA ローマ」

 受賞者の皆さん、おめでと!偏らず分配された感じでしょうか。今年も楽しいオスカーでした。ブラック、メキシコ、女性、のパワーが顕著な年でしたね。来年も観られるかな、ひょっとしたらこれが最後…って、お約束の繰り言は置いといて、観たい映画いっぱい!「グリーンブック」はもちろん、「ビール・ストリートの恋人たち」「ブラック・クランズマン」「COLD WAR あの歌、2つの心」etc.今年もLet's enjoy cinema life together!
 
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