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Channel: まつたけ秘帖
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鯉は試練のRainy Season

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 昨日は大瀬良大地くんの24回目の誕生日でしたHappy Birthday dear Daichi
 黄金ルーキーとしてカープに入団し、期待通りの実力と活躍、そして愛くるしい癒し系ルックスと優しく穏やかな聖人キャラで、カープ人気の立役者となった去年の大瀬良くん。新人王にも輝き、さあ今年は優勝の立役者に!との期待を一身に集めた彼でしたが…しょっぱなからカープは、前評判とは真逆な大撃沈大沈没いまだに最下位から脱出できず。開幕前はあんなにカープばかりもてはやしていたマスコミも、今はそんなことなどなかったかのような冷たい黙殺ぶり。こんなはずじゃなかった…どうしてこんなことに…何とかならんかのお…と、痛みを抱えてるけど黙ってこらえているかのような、今の広島です。

 大瀬良くん…2年目のジンクスなど!と、開幕前はファンも本人も笑い飛ばしていたけど…ああ…負のループにズッパマリ運が悪すぎる負けが多いのも、可哀想で切ない。実力があっても、誰よりも一生懸命頑張っても、ダメなときはダメ!という残酷な現実の壁に、ブチあたりまくってる今年の大瀬良くん。いつも謙虚さの中にあるポジティヴさ、優しさの中にある負けん気の強さが、大瀬良くんの魅力なのですが…それさえも最近は、自分に鞭打ってるような痛々しさが。

 どんな時も明るい優しい笑顔しか見せなかった大瀬良くんも、最近はガッカリ顔とか悔し顔とかムスっとした顔とか悲しそうな顔もよく見せるように。彼だって人間、しかも若い男の子。いつもニコニコなんかできない。それはよ~く分かってるのですが…やっぱファンは、あの笑顔だけを見ていたいと願ってしまいます。

 チームも自身の成績もどん底な時に、夜遊びをフライデーされたのもイタかった。若いし独身なんだから、女遊びぐらいしたって無問題。トヤカク言うのは、よほど狭量で潔癖すぎる人だと思う。でもね~。やっぱ、私を含め大瀬良くんのファンが彼に求めてるものとは、大きなギャップがあるのも事実。周囲にも有名人にもヨゴレた人が多いせいもあって、大瀬良くんは私にとっては清涼飲水、目薬みたいな存在なんですよね~。臭いも汚れもない子、と勝手に理想化してしまってた。あまりにも誰かを過度に偶像視するのはよくない、と痛感しました…

 フライデーに続いてファンを動揺させたのは、大瀬良くんの先発から中継ぎへの転向。大惨敗の元凶ともいえるセットアッパーの崩壊を考慮すれば、致し方のない配慮とはいえ…中継ぎだって先発同様に重要な役割なんだけど…先発投手として華やかに活躍してたことを思うと、複雑な思いは否めません。

↑やっとられんわー!!と、とうとうキレてグレてしまった大瀬良くん(嘘)
 大瀬良くんの胸の内は…と、口さがなく言い騒いだり詮索するよりも、やっぱ力の限り彼を応援したい!と私は思うのであります。彼の幸せそうな笑顔に萌えたい、彼の闘志に燃える勇姿に元気づけられたい。そのためには邪推や不信を捨てて、一途に応援するのみ!と思い至ったのであります。大瀬良くん、わしももう迷わん。じゃけえ、君も迷わず邁進しんさい!ジメジメした梅雨ももすぐ明けます。大地に輝く夏の太陽が昇る日を、ファンは信じて待っています

 公式戦再開間近!大瀬良くんの可愛いカピバラスマイルが、いっぱい見られますように…七夕の短冊に願い事します

デリバリー朗読の女!

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 My Favorite 80年代映画③
 「読書する女」
 読書好きのコンスタンスの愛読書「読書する女」には、朗読を仕事にしているマリーというヒロインが登場する。いつしかコンスタンスはマリーと同化し、個性的な客たちと刺激的な関わりを体験するように…
 この映画を初めて観た時は、まだ何も知らないオコチャマな年頃だったので、面白さや魅力がイマイチ理解できなかったのですが、加齢を嘆くようになった今あらためて観ると、すごく小粋でユニークな映画だな~と思えました。

 車椅子の少年、エキセントリックな老女、おしゃまな幼女、エッチがしたくてハアハアな中年社長、ムッツリスケベな老判事tec.ひと癖もふた癖もある客と、彼らを軽やかにしたたかに扱うマリーとの、翻弄したりされたりなやりとりが不思議テイストで愉快に描かれていて、フランス映画らしいエスプリに満ちた大人向けの喜劇に仕上がってます。

 客の無茶ぶりやセクハラ、変な言動にも、サラリとフワリと応えたりかわしたりするマリーが素敵。マリーったら本を読むだけでなく、ちょっとした精神カウンセリングやエッチなサービスもしたりするんですよ。下半身不随の少年に、スカートめくってパンティ見せたり。ハアハア社長とはセックスもしたり。エッチなことをしつつ、ちゃんと朗読してるところが笑える。まさに知的なデリヘル嬢、みたいな仕事ぶり。

 コンスタンス/マリー役のミュウミュウが、ほんとチャーミング!

 ミュウミュウみたいな女性に、すごく憧れてる私。若い頃と変わらぬキュートな大胆さがトレビアン。この頃はもうすでに熟女なミュウミュウですが、少女のような瑞々しさ、愛らしさ!ブロンドのショートヘアが、これほど似合う女優はいません。可愛いけど、気色の悪いブリッコおばはんではなく、色香もベタベタしくなくて明るくて爽やか。シレっと大胆なことをするところが笑えます。ヘア丸出しのヌードにも、当たり前みたいになるところも彼女らしい。脱ぎ惜しみ女優や、ちょっと胸を見せたぐらいで女優魂示したつもり女優などと違い、あくまでナチュラル、気負ってない姿勢に好感。ミュウミュウのファッションも、おしゃれで目に楽しいです。

 
 マリーが客の家へと移動する時に流れる軽妙なクラッシク音楽とか、趣あるパリの街並みなども、目に耳に楽しい佳作です。マリーが朗読する本の中では、老判事に読まされるサドのエロ小説が面白そうでした。
 読書といえば、こないだやっと吉田修一の「怒り」を読み終えました。何年か前に世間を騒がせた、あの整形逃亡殺人犯、市橋達也の事件をモチーフにしてる小説なんですけど、かなりBLな内容は往年の吉田修一っぽくて、腐には美味しい作品でした映画化してほしいな~と思ってたら、何と!ほんまに映画化決定!誰があのゲイカップルやるんだろ。わし的には、向井理と池松壮亮が理想なんだけどな。二人にも合ってる役だと思うし♪

彼の、大きくて…

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 My favorite 80年代映画④
  「ビッグ」
 大きくなりたい!と願い事をした12歳の少年ジョッシュは、翌朝目覚めると大人の男に変身していた…
 二度もオスカーを受賞し、すっかり貫禄も恰幅もあるハリウッドの偉いおじさんになってしまっている現在のトム・ハンクスですが、若かりし頃のこの映画におけるトムのカッコカワイさは神!今とは別人のような、スマートで可愛いイケメンだったのです。まだ年端のいかぬ頃に初めて観たのですが、しばらくの間はトム・ハンクスが理想の男でしたわ。
 見た目は大人、心は子ども、という役を演じた男優はあまたいますが、後にも先にもトム・ハンクス以上のオトナコドモ演技はお目にかかったことありません。彼はこの映画で初めてオスカーにノミネートされたのですが、受賞しなかったのが不思議。後の受賞作「フィラデルフィア」と「フォレスト・ガンプ」よりも、こっちのほうが一世一代、二度と再現できない名演だと私は思ってます。

 オトナコドモ演技はヘタな俳優がやると、ただの不思議くん、気持ち悪いオトコブリッコ、または知的に障害があるとしか思えない、になりがちなのですが。トム・ハンクスはどれにも当てはまらない、実に絶妙なオトナコドモっぷりなんですよ。ボク可愛いでしょ?無邪気でしょ?とアピールするような笑顔よりも、トボけた真顔とか困惑顔のほうで笑いを誘う演技。目つきとか表情、動きも、こまかく繊細。これって計算してできる演技なのか~と、コドモになりきってるというよりコドモに憑依されたかのような、ちょっと怖くなるほどの入魂演技なんです。
 演技も驚異的ですが、やはり何と言ってもこの映画のトム・ハンクス、若くてイケメン!優しそうだけどちょっと哀しそうで、母性本能くすぐる系です。トボけた真顔が独特で可愛い。初登場シーンはブリーフ一丁なのですが、ガッチリムッチリした裸もセクシー。子どものパジャマは破れてたのに、パンツはそのままだったのが不思議でしたが

 トム・ハンクス可愛いカッコいい!名演!で満足満足♪な映画ですが、二度と戻れない子ども時代の大切さ、はかなさも伝わってきて、ノスタルジーに胸をキュンとさせてもくれる名作です。君も子どもに戻ろう!と誘うジョッシュにスーザンが言う『私はもうその時を生きた。一度で十分』という台詞が、今の私にはホロ苦かったです。
 スーザン役のエリザベス・パーキンスも好演。はじめはカリカリしたトンガリキャリアウーマンだったのが、だんだん柔らかく優しく変貌していく過程が素敵でした。それにしても。女って、男に惚れると弱くなるんだよね~。

 トム・ハンクスと同じぐらいの名演だったのは、ジョッシュの親友ビリーを演じてた男の子。演技うますぎ!ビリーのキャラも、子どものくせに男気があってめっちゃカッコいいんですよ。将来いい男になりそう。少年ジョッシュが、トム・ハンクスに全然似てないのがちょっと気になった。それはそうと。童貞を失ったジョッシュは、12歳に戻ってから元通りの生活、子どもの世界に以前のように適応できるのかな~と、ラストに下世話な感想を抱いてしまった私です…

 ↑この頃のトムの可愛さは、まさに神!別人のようなおじさんになってしまってる現在のハンクス氏、警察沙汰になるバカ息子がいるなど、時の流れを痛感させてくれます…

Sweet Mermaid♪

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 My Favorite 80年代映画⑤
 「スプラッシュ」
 ニューヨークで青果市場を営む青年アランの前に、突如現れた謎の美女。アランはマジソンと名づけた彼女と恋に落ちる。マジソンの正体は、幼い頃に海で溺れたアランを救い、恋しい彼に会うために大都会へやって来た人魚だった…

 引き続きトム・ハンクス主演作。「ビッグ」よりさらに前のトム、さらに若くて可愛い!ほんま好きやわ~この頃のトム・ハンクス。イモいけどイケメン。今とは別人な細さもスマートでカッコいい。トボけてるけど何か悲しそう、すごく繊細でガラスのハートっぽさも母性本能をくすぐります。可愛いけど気色悪い男ぶりっこではないところも好き。

 「ビッグ」のオトナコドモ演技同様、このラブコメでのロマンティック演技もチャーミングなトム・ハンクス。表情とか目つきとか動きとか、恋してるんですよほんとに。恋したら、相手のどんな変なところも美点に見えてしまう。素っ裸でNYに現れて警察のご厄介になったり、英語も話せず素性も知れず、怪音波みたいな声でTVをぶっ壊したり、どこからどう見ても考えても、フツーじゃないマジソン。でも、アランは大して気にしないんです。それどころか、そんなマジソンを可愛いとか楽しいとか思って、ますますデレデレになっちゃう。まさに恋は盲目。翻弄されることに酔ってるみたいな。こんな彼氏を困らせて悩ませて泣かせてみたい!と思わせる、恋するドM男なトム・ハンクスが好きです。

 シャイでナイーヴでドMだけど、頼りない草食男子じゃないのがいいんです。「ビッグ」のジョッシュもそうでしたが、この映画のアランも強引なまでにヒロインをガンガン引っ張っりまわし、主導権を握ってくれるんですよ。もちろん、女に不快感や不安を抱かせるようなやり方をせずに、純真に情熱的に。そういう男子、いいですよね~。そして、まだ若くてイケメンなので、美女とのラブシーンも絵になります。

 胸キュンなシーンも多く、アイススケートのシーンとラストの海のシーンが特にso sweetでした。ああ~わしも大瀬良くんと手をつないでスケートしたり、青い海で泳いでみたいのお~。ラストのアランの決断に感嘆。まさに愛のためにすべてを捨てた彼、後悔も恐れもない愛なんて、私には一生縁がないんだろうな~…

 マジソン役のダリル・ハンナも、めっちゃラブリー。陸の大都会でも物怖じせず、好奇心いっぱいで大胆不敵なことをする彼女が笑えます。水の中での演技、大変だったんだろうな~。それにしても。もし彼女みたいな美女じゃなくて、逸ノ城とか巨人の阿部とかにそっくりな人魚姫だったら、やっぱアランはあそこまでベタ惚れにならないんでしょうね

 アランの兄、ろくでもないけどいい奴なフレディ役のジョン・キャンディも好演。子どもの時と同様、大人になってもわざとコインを落として拾うフリして、女性のスカートの中をのぞくのが笑えた。スケベさが意外なところで役立つのも笑えた。ジョン・キャンディって、もう亡くなられてるんでしたっけ…哀悼…

 この映画の後も、何作もトム・ハンクス主演作を撮っているロン・ハワード監督。今では名匠っぽくなってますが、この当時はまだフレッシュな若々しい感性があって、最近の作品より断然好きです。
 人の姿を借りて来たのよBig Big Town♪雨に濡れたら私はただのマーメイド♪ビルの都会は冷たい海ね~♪カラオケに行けば必ず歌う中山美穂のヒット曲「人魚姫 Mermaid」は、明らかにこの映画をモチーフにしてますよね。

倒錯の青い闇!“どうぞぶってね”

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 昨夜のカープVS阪神は、壮絶な接戦の末に引き分け!両チームの選手、さぞや疲労困憊だったことでしょう。応援してるほうも、どっと疲れるゲームでしたが敗北じゃなかったのはまあよしとしますが…やっぱ勝ってほしかったな~。てか、勝てる試合だったのに…今年のセ・リーグは、最悪といっていいほどのお粗末な低レベルの戦いで、首位の巨人と最下位のカープとの間も、差がほとんどない。なので、ここで快進撃をカマせば、すぐに上位に浮上、優勝だって決して夢じゃない状況。なのに…と、今さら詮無きことですが、惜しい気持ちは拭えません。悔しさもひとしお、ため息が深く重い理由は、勝てなかったのが大瀬良くんのダメっぷりのせいだったこと…

 ああ~…中継ぎにコンバートした大瀬良くんですが…無残な不調っぷりから抜け出せないまま。彼に対する厳しい冷たい声が、胸に痛くて…去年は、カープの王子さまのようにもてはやされてたのに、今やカープのガンみたいな扱い大瀬良くんには、きっと何か悪いものが憑いてるんですよ!お祓いに行ったほうがいいかも!早く大瀬良くんが輝きを取り戻せるよう、今年の七夕はそれだけを星に願います…
 今夜の先発はノムスケ(今日26歳の誕生日!おめでと)。さあ、今夜こそ虎退治!で・も。阪神の先発は、能見さん乙女心が揺れる夜です♪
 って今、戦況どーなっとんじゃろ…怖あてチェックできんわ~

 My Favorite 80年代映画⑥
 「ブルーベルベット」
 田舎町に帰省した大学生のジェフリーは、草むらで人間の耳を発見する。事件と関わりがあると思われるクラブ歌手ドロシーに、ジェフリーは近づくが…
 「エレファントマン」やTVシリーズ「ツインピークス」などで知られる天才&変態名匠デイヴィッド・リンチ監督の作品の中では、my most favoriteです。わけがわかんない映画が多いリンチ監督作の中では、わかりやすくてストーリーが(一応)あるし。

 とにかくこの映画、出てくる連中がドイツモコイツモ変態なんですよ。変態たちが狂態痴態を競う、めくるめくアブノーマルワールドにドン引きしつつ惹きこまれてしまいます。冒頭、50年代のアメリカっぽい、明るくほのぼのしたムードと映像の中で蠢く、地中のまがまがしい虫、そして落ちている耳!隠微な変態世界への、見事ないざない方です。好奇心から事件に首を突っ込んでいくジェフリーを道案内役に、観てるほうもどんどん深い暗い沼にズルズル引きずり込まれる感覚を味わえます。

 狂った異常な話なんですけど、何か笑えるんですよ。リンチ監督も、確実にそれを狙ってたと思います。おいおい~とか、ちょ待てよ!なシーンのてんこもり。よくこんな変態キャラ思いつくな~と、リンチ監督の異才ぶりに驚嘆せずにはいられません。意味深だけど意味不明なキャラや、シュールなシーンなども、他の監督にはない独特さ。

 頭がアレな人々ばかりですが、特にアレなのがデニス・ホッパー演じる悪党フランク。わけのわからない罵詈雑言しか口にせず、触るものみな傷つける狂犬ぶりがヤバすぎます。ガス?麻薬?吸引しながら、ドロシーにマミーマミーと甘えながら変態行為、そしてボコボコに殴ったり。赤ちゃんみたいに青いベルベットをハムハムしてたり、そのイカレポンチな倒錯ぶり、凶暴な異常者ぶりが非道すぎて笑えます。こんな演技、素面でできるものなのかしらん?オスカーにノミネートされたほどのデニス・ホッパーの怪演が、とにかく強烈です。

 そして、フランク以上のド変態ドロシー役、イザベラ・ロッセリーニもスゴすぎます。もう見るからに何かコワレてる女ドロシーですが、やることも言うこともヤバすぎ!クローゼットに隠れてたジェフリーを引きずり出して、何をするのかと思えば。ジェフリーをナイフで脅して全裸にして、ハアハアとか

 フランクに殴られて陶然、ジェフリーとの情事では、ぶって!いじめて!とSM行為を強制など、ドMな変態痴女ドロシー。フツーの女優なら二の足を踏む役を、イングリッド・バーグマンの娘であるイザベラが捨て身の怪演!ハリウッド女優にはない退廃、熟れた崩れた美貌と肉体が、生々しく痛々しく不気味。あざだらけの全裸で植え込みから出てくる姿とか、その女優魂に畏怖。この映画のイザベラを見て、草葉の陰のバーグマンはどう思ったことでしょうか。私が演じたかった!と羨ましがったかも?
 好奇心のせいで悪夢を味わう主人公ジェフリー役、リンチ監督のお気に俳優だったカイル・マクラクランが可愛いイケメン!

 事件への執着ぶり、女の部屋に侵入、のぞき見など、やはり変態なジェフリーを、淡々と可愛く演じてるカイル。端正で甘いマスク、どこか掴めない謎めいた雰囲気が素敵。全裸も披露。おちりが可愛かった♪現在のカイルは、シブいおじさまになっているようです。

 ジェフリーを手伝う女子高生役、ローラ・ダーンも好演。ジェフリーとドロシーの関係を知ってショックを受けるシーンの彼女、すごい顔で怖い+笑えます。タイトルにもなった歌が効果的に使われていて、観終わった後もしばらく耳に残ります。

ニネニネさせて♪

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 「誘惑 セダクション」
 恋人のマリオンとともに、ガスパールは拾った携帯電話の持ち主である女を好奇心から尾行する。男と車中でガス自殺を図った女を、二人は助けるが…
 わしのイチ推しメン、ピエール・ニネの出演作!今のところ日本では「キリマンジャロの雪」と「イヴ・サンローラン」、そしてこの映画の3本でしかニネくんとは会えないので、ファンにとっては貴重な一本なのです。

 ガスパールといつもツルんでるマブダチの一人、ヤン役のニネくん。やっぱ可愛いわ~フツーの男の子役なので、返って彼のカッコカワイさが顕著に。こんな男の子、そのへんフツーに歩いてないよな~。顔ちっちゃくて美白肌で大きな瞳はキラキラで、アヒル口がキュートで背が高くてスマートで、笑顔があどけなくて、低い声は甘くてetc.欠点ないじゃん!でも、彼のトレビアンなところは、こんなにもカッコカワイいのに、カッコつけたところもブリっこなところもスカしたところもナルシーさも全然なくて、すごくナチュラルで爽やかなところ!美男子だけどファニーフェイス、お高くとまってなくて親しみやすい雰囲気。すごく優しそうなんですよね~。実際のニネくんも、バスとか電車とかでお年寄りに席を譲ってるますよ絶対。イケメンなのに、いい人オーラもハンパない。そんなニネくんに、ますますZOKKON命な私です♪

 ニネくん自身っぽいほど、ヤンもすごくいい子。悪友たちにいつも明るく調子合わせてくれたり、家事を手伝ってくれたり、真面目に心配してくれたり。おバカな話や行動しても、賢そうな感じがするところもニネくんらしかったです。友だち付き合いが悪くなり、マリオンにも冷たくなったガスパールに怒るヤンが可愛かった。ガスパールを殴るのかと思いきや、貸したバイク今すぐ返せ!ってガキかよ!と微笑ましすぎるヤン。水着姿もラブリーでした。細いけど、引き締まった上半身してます。

 とまあ、ごくフツーの男の子を可愛く演じてたニネくんです。彼の姿を見るだけでもファンには観る価値のある映画ですが、ぶっちゃけ彼じゃなくてもいい役ではあります。「イヴ・サンローラン」の彼に魅せられた人だと、フツーすぎて物足りないかもしれません。
 ガスパール役のグレゴワール・ルプランス・ランゲも、好きなボーギャルソンです。浅利陽介+エドワード・ノートン、みたいな見た目の地味イケメン。彼も「キリマンジャロの雪」に出てましたね。あの映画よりカッコよくなってました。おちりも出してました♪それにしても。ガスパールもヤンも、いったい何歳の設定なんだろ?どう見ても言動は高校生でしたが…

 謎の女オドレイ役は、リュック・ベッソン監督の「アデル」でヒロインを演じたルイーズ・ブルゴワン。うう~ん?特に美人でも可愛くもない?強烈な魅力は感じなかったけど、脱ぎっぷりは見事でした。
 オドレイの怪しい兄役で、メルヴィル・プポーが登場!

 メルヴィルもおじさんになったな~。でも、やっぱイケメン♪メルヴィルも、あんまし仕事選ばないタイプなのかな。来るオファー、ほとんど受けてそう。マリオン役は、「La Religieuse」でヒロインの尼僧を演じてたポーリーヌ・エティエンヌ。ジュリエット・ビノシュ似?彼女も脱ぎっぷりよすぎ。
 邦題は、JAROに通告ものな誇大広告です。エロティックサスペンスを期待すると、ガクっとなるので要注意お話は、オンラインゲームにハマりすぎたら生活が破綻するよ!頭がイカれちゃうよ!気をつけて!みたいな警鐘物語?交錯する現実と仮想世界で正気を見失い死に導かれ、どんどん命を落としていく若者たち、みたいな話だったら、松本洋子先生の怖い少女漫画っぽい面白い映画になったかもしれないので、何だか惜しい。オドレイ兄妹がいったい何者なのか、何がしたかったのか、いまいち理解できなかった。あと、ガスパールとマリオンが、拾った携帯電話に勝手に出たりメールのぞいたり、持ち主を尾行したりするのも理解不可能。何でそんなことすんの?!私よく携帯を落とすのですが、こんな人たちには拾われたくない~!

 イケてるニネっち画像、集めてみました~

 ほんまカッコええのお~

 ハリウッドスターと違って、さすがパリジャンというか、若いのにシックですよね~。新作“Un homme idéal”はシリアスなサスペンスみたいですが、旧作はラブコメが多いニネっち。早く日本でも陽の目を見ますやうに…

地獄先生の鬼畜指導

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 「セッション」
 ドラマーとして成功を目指すアンドリューは、名門音楽学院に入学する。伝説の鬼教師フレッチャー教授にスカウトされるアンドリューだったが、彼の精神のバランスはフレッチャーの常軌を逸した指導によって崩されていくのだった…
 上半期のMYベスト映画はこれに決まり!評判通り、すごく面白かった、いや、怖かったです鬼コーチに才能を見出され、ありえない猛特訓を耐え抜き、努力が実って成功、成長する主人公…スポ根ものの王道的ストーリー、あるいはガラスの仮面の音楽バージョンかな?と思いきや…あわわわ戸塚ヨットスクールも真っ青な、とんでもない青少年虐待物語でした~こんな問題教師、許されんだろ~。とにかくフレッチャー先生が怖い!非道い!鬼の形相だけでも怖いのに、こっちまでビクっと身を引いてしまうほどの怒号、椅子投げシンバル投げ、リズムとりビンタ、そして生徒の人格を全否定する、人権蹂躙な侮辱に満ちた罵詈雑言!まさに心を挫く、心を壊す凶器のような破壊力。生徒を伸ばすことよりも、生徒を狂気や死に追いやることが目的のような、悪魔の罵りに戦慄しっぱなしです。フレッチャー先生、よくあれで誰かに刺されなかったよな~。

 非道すぎるけど、これは教育熱心なあまりの行き過ぎた指導なんだ!と、純真な私は最後まで信じてました。ラスト、やっぱそうじゃん!いろいろあったけど、終わりよければすべてよし!と安心しかけた私、じぇじぇじぇ!?(死語?)と、最後になって見事に無残に裏切られましたそ、そんな~フレッチャー先生の正体、真意は衝撃的すぎます。
 フレッチャー先生、単にブチギレるだけでなく、悪魔のように狡猾、陰険なんですよ。他の生徒を利用してアンドリューを上げたり下げたりする方法が、彼を弄んでるとしか思えないんです。どうしてそんなことするの?!なんでそこまで鬼畜なの?!ヤメテー!!と、こっちまで頭がおかしくなりそうに。

 アンドリューが、可哀想なんだけど、あんまし同情できない性格なんですよね~。だからこそ、単なる弱いものいじめな話にならなかったのでしょうか。翻弄され虐げられ踏みにじられて屈辱にまみれながらも、血の汗・血の涙を流しながらしぶとく食い下がるアンドリュー。他のバンドメンバーが先生によって貶められたり格下げになったりすると、静かに嬉しそうな様子とか歪んでて怖い。ど根性で奮闘ではなくて、狂気に蝕まれて暴走するアンドリューのイっちゃってる言動も、ヤバすぎて唖然とさせられます。ラストのアンドリューVS先生オンステージは、狂気が炸裂して圧巻です。

 アンドリューもだけど、生徒が先生に対して異様なまでに絶対服従なんですよ。軍隊みたいだった。あそこまでされて、何でプッツンしないんだろう。それだけ音楽命、キャリア大事ってことなのかしらん?音楽にしろスポーツにしろ、極めようと思えば壮絶な茨の道だけど、自分に才能があると信じることで頑張れるのに、あの先生の指導じゃ…ドMな人なら魅惑のレッスンだと思いますがとにかく、最初から最後まで緊張感が漲ってて、退屈しません。同じ音楽ものでも、のだめとかユルかったヌルかったよな~。アンドリュー含め生徒がみんな、性格が悪く(ならざるをえない)てギスギスしてる不協和音も怖かった。美しい音楽を合奏するためには、必ずしも心を合わせなくていいんですね…

 ↑恐怖の壁ドン!
 凶人フレッチャー先生を激演し、アカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズが、とにかく強烈で圧倒されます!怖い~あんな先生、絶対イヤだ~!夢に出てきそうなほどの迫力、存在感。観終わった後は、しばらく彼の怒鳴り声が耳に残り、鬼顔が目に焼きついて離れなくなるでしょう。非道い役なんですけど、何かカッコいいんですよ!ダンディで颯爽としていて、美声な罵声。悪とか狂とかとは違う独特の個性が。怖いけど、素敵おぢさまでした。ツルピカ頭が何かセクシー。
 アンドリュー役のマイルズ・テラーも、迫真の熱演でした。地味だしイケメンではないけど、フツーっぽいところが、コワレ演技にリアルさを。この映画に抜擢されるまでは、ドラムに触ったこともなかったと聞いてビツクリ!この映画さながらの猛特訓したんだろうな~。見事な演奏でした。
 意地とかプライドとか情熱とか、そんな美しいモチベーションなどアンドリューにもフレッチャー先生にもないのがユニークな映画なのですが。二人みたいなのは極端で異常だけど、何かに命がけになって取り組んでる人を見ると、すごく羨ましくなる私です。部活とかすればよかったな~と後悔…
 主役二人の演技もさることながら、この映画は音楽がカッコいいんですよ!ジャズ、いいですね~。オリジナルタイトルにもなった“Whiplash”が特に好き。サントラ買おうかな~。たたみかけるような展開と場面も素晴らしく、オスカーでは編集賞も納得の受賞。撮影当時、29歳!だったという新進気鋭のデイミアン・チャゼル監督、まさに彗星のごとく現れた感じ。次回作が待ち遠しい!
 それはそうと…邦題が、どうもしっくりこないんですよね~…もうちょっと内容に合ったタイトルにしてほしかったかも…

 ↑シモンズおぢさん、オスカーおめでと授賞式の彼も、クールな熟年って感じでカッコよかった。今後は名バイプレイヤーとしてだけではなく、主役も張ってほしいものです

You make me MAD☆

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 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
 荒廃した近未来の世界。砂漠をさまよう元警官のマックスは、人々を支配するイモータン・ジョーの一味に囚われる。そんな中、ジョーの配下であるフュリオサが組織を裏切り、ジョーの妻たちを連れて逃亡するが…
 メル・ギブソンのオリジナルは未見なので、比較はできないのですが…ニューバージョン、すごく面白かったです!が、すごく疲れました~この映画、かなり気力体力が必要ですよ。仕事帰りにはキツかったわ。心身ともに余裕のある時に観たほうがいいかも…
 もう最初っから最後まで、めちゃくちゃハイテンション。怒涛のハチャメチャっぷりに、もうあかん、ついていけん、とギブアップしようとしても、そうはさせない強引さ、パワーが漲ってて、モミクチャにされながら連れて行かれる感覚。アル中とヤク中のパーティにまぎれこんだかのようなヤバさとか、とにかくもう狂気のどんちゃんお祭り騒ぎです。

 話も、逃げるマックスたち、追う悪の軍団、ただそれだけ、みたいなシンプルさ。内容なんかないけど、細かいことはあまり気になりません、いや、気にさせてくれません悪の軍団のわけのわからん狂悪ぶりが笑えます。世紀末な舞台設定とか、ちょっと北斗の拳っぽかったです。悪キャラも、北斗の拳に出てくる外道どもとカブるし。悪の親玉ジョーとか、この人たち人間?!な奇怪な風貌とかは、何かワンピースっぽいかも?ワンピースにもあーいうバケモノキャラ、出てきますよね。アクロバットすぎるアクションシーンとか、すべてが漫画チックです。残虐なシーンてんこもり、シリアス調だけど、ノリはお笑いです。かなり笑いも狙ってるところが好きです。激走、激闘中も狂ったように、火を吹くギターや和太鼓?ガンガンドンドン演奏してるクレイジーロックなバンドとか。
 この映画が待ち遠しかったのは、言うまでもなく新マッド・マックスを襲名したのがトム・ハーディだから♪

 いや~トムハ、めっちゃカッコよかったですまさに肉弾バトル!格闘もアクションも、すごく泥くさくてリアルなところが素敵。ゴツくて屈強なゴリマッチョさがたまりません。ワイルドで男らしいけど、顔は薄くて可愛いところが女子受けもするトムハ。台詞が少なく無表情な役ですが、困惑したり焦ったりする顔や仕草がso cute!ちょっと魔裟斗に似て見えたのは、わしだけ?

 期待通りイケまくりなトムハでしたが…この映画の真の主役って、マックスよりも彼と共闘する女戦士フュリオサなのでは?

 フュリオサが、めっちゃカッコいいんですよ!クールでニヒルで、それでいて熱い。女たちを守り抜く姿は、まさにヒロイン、いや、ヒーローです。

 フュリオサを激演したのは、オスカー女優のシャーリーズ・セロン。漢(おとこ)らしい役ながらも、女が背負う痛みとか悲しみとか重さも伝わってくるフェミニストなキャラは、いかにもシャー子さんらしかった。自分の美貌と、世の中の男を憎んでるような役が多いシャー子さんにピッタリとも言える役でした。その貫禄と存在感のせいか、トムハが弟分にしか見えなかった。身体的にも、小柄なトムハと並ぶとシャー子さんの長身さが際立ってました。マックスとフュリオサの、互いに共感、敬意は抱きつつも馴れ合いに陥らないタッグ、漢(おとこ)の友情がカッコよかったです。
 仮面ライダーで言えば、ショッカーみたいな立ち位置?の兵隊ウォーボーイが、わらわらとゾンビみたいで笑えます。その一人で、マックスたちにしぶとく食いついてくるニュート役は、ジェニファー・ローレンスの元カレとしても有名な英国俳優ニコラス・ホルト。子役からイケメンに成長した素顔は全然わからないメイク、はっちゃけまくりつつ、凶暴なんだけど何かアホでドヂなところが笑いと悲哀を誘う、なかなか美味しい役で目立ってました。
 マックスが悩まされていた少女の幻覚とか、???な謎を残したまま終わったのは、やはり続編への布石なのでしょうか。トムハ続投なら、もちろん観ます!

 ↑チョイワル風ゴリマッチョ男だけど、何か可愛いところがトムハの魅力。今年はマッドマックス、「チャイルド44」「オン・ザ・ハイウェイ」が日本公開、そしてトムハのゴリマッチョぶりが最高に炸裂している「ウォーリアーズ」が、待望のDVDスルー!今年はトムハの年になりそう♪

 ↑シャー子さん、デカっ!やっぱこの二人、姉弟にしか見えませんね~。カッコいい姉弟ですね~

私が消える…

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 「アリスのままで」
 幸せな家庭と順調なキャリアに恵まれていた言語学者のアリスに、言葉や記憶が覚束なくなるという症状が。彼女は若年アルツハイマー病を発症していた…
 ううう~ん…身につまされる映画を観てしまいました。若年アルツハイマー、怖すぎます劇中、『まだ癌のほうがまし』というアリスの台詞があるのですが、ほんとその通りだよな~と深く頷いてしまいました。癌なら、辛いけど周囲の理解も同情もケアも得られるし、何より命を終えるための準備や心づもりも自分でできる。最期まで自分自身でいられるけど、アルツハイマーのような痴呆症は…迷惑なボケ老人!と疎まれ蔑まれ、介護も大変。何より、記憶だけでなく自分自身まで失っていく怖さ、悲しさは癌の比ではありません。自分の意思に反して誇りや尊厳を失くしてしまうのは、命を失うことより恐ろしいです。アリスの場合は、知性もルックスも人柄もすぐれていたから、よけい悲惨に思えました。

 私の祖母も、亡くなる前の数年間は痴呆状態で、それはそれは大変でした。本人よりも、周囲が。言い方は悪いけど、ボケたもん勝ちというか…完全に恍惚のひと化してしまえば、本人は返って楽になれるように思えます。でもアリスは、いちばん悲惨なパターン。正気と痴呆の行ったり来たりの、いわゆるまだらボケ。私がおかしい、周囲に迷惑をかけている、怖い、助けて、という自覚からくる不安や苦痛、羞恥や罪悪感…自分がどんどんコワレていくのが分かるのに、どうしようもない。なすすべもなくてコワレていくしかない、自殺したくてもできない、という生き地獄!セッションやマッドマックスとかの恐怖は、私にはありえないので面白おかしく笑いとばせるけど、アリスの恐怖は明日は我が身なリアルな恐怖。アルツハイマーは遺伝(!!)と医者から告げられ、アリスの家族がショックに打ちひしがれる姿も、戦慄を禁じ得ない悲劇でした。家族の苦悩はわりとサラっと描かれていて、ほんとなら生活や家族関係にはもっと破綻や不和が生じたり、醜態をさらしたりするはずなんだけどな、という物足りなさも否めませんでしたが、見苦しくイタい修羅場が展開されなかったので、ちょっと安堵しました。

 アリスを演じたジュリアン・ムーアは、念願のオスカーを初受賞。美しく知的で優しいヒロインがじわじわ壊れていく過程を、髪振り乱しての大熱演!ではなく、繊細に美しく演じていたのが返って胸を衝きました。症状が出ているシーンもすべてが悲痛ではなく、何となく軽やかにトボケた感じがすることもあって、名女優の余裕と実力を再認識。彼女のシンプルかつフェミニンなファッションも素敵でした。
 アリスの次女役は、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。人相悪いな~と常々思ってたけど、この映画でもそれは不変。優しそうなジュリアン・ムーアとアレック・ボールドウィン(も、すっかり枯れた初老おじさまに。今もカッコいいけどね)から、クリステンみたいな娘が生まれるもんかね?彼女の魅力がいまだに理解できてない私。ヒロインだと違和感あるけど、脇役だと悪くなかったです。アリスの長男がイケメン!誰?と、さっそくチェキラー!ハンター・パリッシュくん、人気TVドラマにも出ているとか。今後の活躍が期待されます。

 ↑シャネルのショーに出席したジュリアン・ムーアをエスコートしてるのは、超大物俳優&大女優を両親にもつウルトラサラブレット!現在モデル、ラッパーとして活動してるとか。もうこんなに大きくなってたんですね~。隔世…

逆鱗の王宮

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 旅立ちを決めたのは勢いだけじゃないから~♪by trf
 来月下旬に、10日ほど休みをもらいました。部屋に引きこもるのも悪くないけど、せっかくの夏休みなので、海を渡る旅に出ることにしました
 どこに行こうか、すごく悩みました。候補は、
 ミャンマー 何かに会える気がする…誰かが私を呼んでる気がするんです…
 アイルランド 有名なモハーの断崖に立って、独り火サスしたい
 イスラエル 死海でプカプカ浮かんでみたい
 長年行きたいと思ってた憧れの異国。さんざん悩んでリサーチしまくった結果、ついに決定!思いたったらじっとしておられず、衝動的にもう格安航空券買ってしまった楽しみ半分、今になっていろいろ問題も見つかって、ちょっと後悔&不安、な心境です。
 どこに行くかは、次回発表♪もったいぶってんじゃねーよ!でしょうか

 「王の涙 イ・サンの決断」
 若き国王イ・サンは、父を無残な死に追いやった祖父の后とその一派への怒りを胸に秘め、彼らによる陰謀と暗殺に警戒する日々を送っていた。そんな中、王宮では密かにクーデターが決行されようとしていた…
 TVドラマにもなった朝鮮の賢王イ・サンが、クーデターと対峙する24時間を描いたドラマ。イ・サン役は、私の韓流3王子のひとりであるヒョンビン兵役を終えた彼の復帰作、そして初めての時代劇ということも話題になりました。

 いや~ビニ、カッコよかったです精悍かつシブくなってました。男らしい猿顔と肉体美の持ち主であるビニは、まさに私にとってはド・ストライクに近い男、なのですが。ルックス的にはパーフェクトなんだけど、彼の場合は演技に少し難が…どんな作品でも、同じような役で同じような演技。要するに大根でも、カムバック作ということで気合いが入ったのか、いつものワンパターンさと大根さを払拭する熱演、好演でした。ラストのクーデター勃発まであまり動きがなく、出ずっぱりというわけでもなかったのですが、憎悪や怒り、恐れや闘志を胸に秘めたビニの抑えた演技が、彼の役者としての成長をうかがわせました。以前のビニなら、ただもうカッコいいだけのウドの大木になってたでしょうし。威厳と知性、静かなる気炎とオーラも出てて、堂々たる主演として映画に君臨してました。

 劇中、長い台詞もこなしてたビニ。その威風堂々とした体躯と美声は、舞台でもイケそうだと思いました。ビニのハムレットとか見てみたい。後半になると、劇的な展開に合わせてアクティヴになってくビニ。騎馬シーンや弓で敵を倒すシーンの彼は、まさにヒーローって感じで惚れ惚れしてしまいます。
 そして、韓流男優のお約束といえばの、無駄脱ぎ眼福モムチャンもバッチリあります冒頭の初登場シーンに目がクギヅケ。上半身裸で筋トレしてるビニ。おお~すげーカラダ

 昔の人って、あんな風に筋トレしてたんですね。明らかなファンサービス脱ぎ。ビニ、コマウォヨ~。それにしても…どーやったらあんなカラダになれるんだろ。日本の肉体美と言われてる俳優やタレントとは、筋肉の厚みのみならず骨格まで違う感じ。ライ○アップで結果にコミットしてる的なビニの肉体美です。脱ぐだけじゃなく、いつか来るエロデビューの際にも有効活用してほしいものです。
 脇役も韓流ファンにはおなじみのメンツ。

 イ・サンが幼い頃から心を許している唯一の人間である尚冊役は、「殺人の告白」などのチョン・ジェヨン。いい俳優だし好演だったのですが、もうちょっとイケメン俳優だったら腐的には美味しかったんだけどなあ。女との寒イボな純愛要素がほとんどなく、イ・サンと尚冊がかなりBLっぽい関係だったので。
 イ・サンの命を狙う刺客役は、最近売れっ子なチョ・ジョンソク。やっぱ杏の夫に似てるな~。前作の「観相師」ではハイテンションでアホっぽい役でしたが、今回は「キング」の時みたいに寡黙な不幸キャラでした。彼、だんだんカッコよくなってきてますね。
 刺客の元締め爺役は キム・キドク監督作の常連だったチョ・ジェヒョン。不気味老けメイクで、はじめ誰か分かんなかった。冷酷な悪人を怪演。権力を握る大妃役は、ユチョンの「屋根部屋のプリンス」のハン・ジミン。若くて庶民的な彼女よりも、もうちょっと貫禄と毒のある妖艶な美熟女のほうが、あのラスボス的な悪女役には合ってたのでは。女官にしか見えないシーンもあったし。王に忠実な近衛隊長役は、「栄光のジェイン」とかイ・ジョンジェの「新しき世界」でも印象的だったパク・ソンウン。ミヤネ屋の中山レポーターをカッコよくした感じの彼、結構好きなんです。

 「チェオクの剣」を彷彿とさせるフュージョン活劇シーンも、スタリッシュでカッコよかったです。あと、衣装やセット、ロケの風景も美しく目に楽しい映画です。それはそうと…イ・サンの父が米櫃に入れられて死ぬ、というトンデモ刑に唖然。あーいう死刑が朝鮮にはあったんですね。韓流ファンの間ではおなじみ?の牛で引き裂き刑とかもゲロゲロ(死語)ですが、米櫃もイヤすぎる~ちなみに、イ・サンの父の悲劇を描いたソン・ガンホ&ユ・アイン主演の新作映画が、もうすぐ韓国で公開されるみたいですね。日本でも観られるかな?
 この映画、日本でリメイクするとしたら。理想妄想イルボンリメイクは…
 
 イ・サン … 池松壮亮
 尚冊 … 加瀬亮
 刺客 … 東出昌大
 近衛隊長 … 平山広行
 悪将軍 … 吉田鋼太郎
 イ・サンの母 … 壇れい
 大妃 … 鈴木京香
 刺客の元締め … 渡辺謙

 こんなん出ましたけど~?
 どよよ~んな役もいいけど、そろそろ凛々しい壮亮が見たいので、ぜひイ・サンみたいな役を!もちろんフンドシ姿の筋トレシーンもあり。
 チョ・ジョンソクは杏の夫にしか見えないので、彼しか思いつかない。彼の義父がサポート特別出演。

 ↑カッコカワイかったビニも、早や三十路。殻を破って大人の俳優へと進化してほしいものです。TVドラマでの復帰作は、大コケしたとか確かにつまんなそうだし、ビニもいつものビニに戻ってたみたいだし。もうそろそろ冒険、挑戦しよう!自分より格上の大物男優と共演とかしてほしい

煉獄の痴情

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 来月のお盆明けに、久々の海外旅行
 行先は、さんざん迷って色々リサーチした結果、アイルランドにしました~
 以前から、あの有名なモハーの断崖に行ってみたいな~と思ってたのです。いろんな映画やドラマで見た、アイルランドの自然の美しさ、素朴な街並みに、身を置いてみたいと夢見てました。でも最近は、ミャンマーになぜかスピリチュアルな魅力を妖しく強く感じてしまってました。なので最初は、ミャンマーに行く予定だったのです。でも、今ミャンマーは雨季で、毎日土砂降りらしい。有名な観光地も、雨季は交通の便が良くないらしい。そして、ビザを習得しなければならない。と、ネガティヴな点が多すぎて、行く気は萎えてしまいました。いつか、きっと…
 というわけで、アイルランドに決定地球の歩き方も買って、ウキウキと計画を立ててるのですが…ホテル宿泊費とか食費とか、物価が高いんですよ数年前に行ったチェコは、そんなに高いとは思わなかったんだけど…でもまあ、あんましケチケチしたら面白くないので、適度に悠遊したいと思います。もっと時間があれば、ロンドンにまた行ってみたいんだけどな~…
 乗り継ぎのドバイ空港も楽しみ。皆様、何か情報、おすすめとかありましたら、乞御教示!
 情報収集、英語の勉強がてらに、アイルランド関係の映画を観まくってみようと思います。おすすめ作品があれば、ぜひ教えてたもれ~。

 「愛のタリオ」
 女性スキャンダルで職場を追われた大学教授で作家のハッキュは、移り住んだ田舎町でドクという純粋な娘と出会う。やがて二人は情事に溺れるが、復職の叶ったハッキュはドクを捨て、妻子が待つソウルへと戻ってしまう…
 韓国のイケメンスター、チョン・ウソンの大胆な濡れ場初挑戦が話題となった作品。
 あわわ…ウソンさん、あんたも随分と思い切ったね~最近では、「情愛中毒」のソン・スンホンにも驚かされましたが、チョン・ウソンも噂通り期待通りの脱ぎっぷり濡れっぷりでしたとにかく、日本やハリウッドの人気男優は絶対やらない(できない)組んずほぐれつっぷりです。すげ~と感嘆するやら、よーやるわ~と呆れるやら、何でここまでヤる気になったんだろうと心配になるやら。

 売り出し中の新人イケメンでもなく、売れなくなった元スターでもなく、今や男ざかりにさしかかった、容姿も演技も脂がのろうとしている人気俳優のウソンが、どうしてAV男優も真っ青な全裸ズコバコに挑まねばならなかったのでしょうか。おそらく、俳優として男として、最も魅力的で色気がある今こそ!最盛期の自分をスクリーンに刻んでおかねば!という、自信とナルシズムが彼にそうさせたのではないでしょうか。衰えてから脱いだり濡れたりされても、誰得なイタさだし。まあ、いろんな大人の事情もあったのかもしれませんが…ファンを困惑させるほどのリスキーなチャレンジ、役者魂は、賞賛に値します。いまだに若者ぶってる日本のイタい加齢アイドルとかを見慣れてると、韓国のアラフォー男優は果敢で刺激的です。
 んで、ウソンの濡れっぷりですが…頑張ってましたね~

 全編ヤリまくり!というわけではなく、濡れ場は劇中2回だけ。最初のドクとの合体シーンが圧巻です。アソコも尻の穴さえ見えそうなスッポンポン、際どいアングル!激しい腰使いで、女をガンガン攻めるウソン。着衣だと長身でスラっとしてるウソンですが、脱ぐと韓流男優の御多分にもれず、ガッチリムッチリなモムチャン!厚い胸板、太い腕、形のよい引き締まった美ケツが、ぐわんぐわんと躍動!

 おお!?と瞠目してしまったのは、行為の真っ最中にいきなり女を軽々と持ち上げて、立位で貫く駅弁!あれ、軟弱なモヤシ男じゃできない力技ですよね。男ってでも、あれやりたがりますよねしんどかろうに。

 ウソンの、ベロチューしながら『いいか?いいだろう?』と囁く声、表情がエロかった。ちっとも気持ちよさそうじゃなく、苦しそう辛そうな顔しながらヤってるのがいいんですよ!

 交歓のクライマックス、汗だくで顔を真っ赤にして昇天するウソンの、イケメン崩壊なイキ顔が、これまたリアルで実際にはセックスしてないのに、してるような表情や演技って大変なんだろうな~。
 2回目は、カキタレの愛人とホテルでガンガン。これも全裸で立ったままバックからズコバコ。とまあ、めでたくエロデビューを果たしたウソンに拍手!おそらく、これが最初で最後でしょう。韓国のイケメン俳優は、兵役同様すっぽんぽんエロも一度は経験、という法律を成立させてほしいものです。さあ、次は誰がヤるかな?私の韓流3王子、コン・ユ、ヒョンビン、チョン・ジョンミョンに期待。
 話は、とんでもなく非道い悲惨な痴情のもつれ地獄。身勝手な男に純真おぼこ娘が身も心もズタズタボロボロにされちゃうんですよ。ハッキュ、ほんと最低最悪な女の敵野郎。ドクだけでなく、彼のせいで妻子も不幸のドン底。女を騙そうとか傷つけようとかいった悪意は全然ないところが、返ってタチが悪いんですよ。優しそうなところが魔性な毒男。でも、あんないい男と理性を失くす破滅的な情痴って、ちょっと憧れるかもボロボロにされて、天使から夜叉になるドクの、女の情念、執念も怖かったけど、愛したもの負けなラストには、女って愚かで悲しい生き物…と沈鬱な気分に。

 後半、盲人になってしまうウソンの、虚ろな目つきや表情もインパクトあり。それにしてもウソンって、やっぱ福山雅治に似てますよね~。福山さんも、ぜひハッキュみたいな優しい鬼畜男役に挑戦してほしいものです。

 ↑最近日本公開された「神の一手」でも、自慢の肉体美を披露してるウソンさん。これから撮影に入る新作映画は、どうやらアクション時代劇みたい?  

信念に殉じた男

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 「わが命つきるとも」
 16世紀のイギリス。国王ヘンリー8世は若い愛人アン・ブーリンと結婚するため、王妃との離婚を強行しようとしていた。王の信寵厚いトマス・モアは、離婚への賛同を拒むが…
 アカデミー賞で作品賞など6部門で受賞した名作。
 イギリス王室には、とても興味があります。といっても、今のロイヤルファミリーではなく、権力闘争に明け暮れていた頃の、激情的・激動的な王室ドラマに、です。王位や権力をめぐっての陰謀劇、悲劇は、日本をはじめ多くの国で起きていますが、中でも英国王室は最も有名でドラマティックなのではないでしょうか。とにかくイギリス王宮は、血みどろすぎて怖い&面白い。権力者の浮き沈み、盛者必衰が目まぐるしく、ついこないだまで華やかにこの世の春を驕っていたかと思えば、あれよあれよと凋落し罪人に落とされ、問答無用に断頭台送り。そんな血祭り英国王室の歴史の中でも、この映画のヘンリー8世の治世ほど、ブラッディな時代はないのではないでしょうか。ゆえにいろんなドラマがあって、小説や映画、ドラマになりやすいネタの宝庫。誰でも主人公になれるキャラクターがひしめいているのです。

 TVドラマ「THE TUDORS 背徳の王冠」でも登場した、ヘンリー8世に屈することなく己の信念を貫いたトマス・モアが、この映画の主人公です。このトマス・モアさん、今の時代の感覚からすると、信じられないほどの信念の強さ、誇り高さです。逆らう者はみんな容赦なく殺処分する魔王ヘンリー8世に、王宮の誰もが戦々恐々、保身と出世のために媚びへつらってるのに、トマス・モアだけは王のワガママや横暴を受け入れず、自分の信念に背くぐらいなら死んだほうがまし!と、進んで自滅の道を選ぶのです。その姿、生き様は、高潔で崇高だと思いますが…トマス・モアみたいな人が職場や家族にいたらイヤだな~とも思ってしまいます。
 世の中、生きるため、社会生活を円滑に営むためには、汚いことや誤ったことに手を染めたり見て見ぬフリしたりは不可避で、打算や妥協も必要です。でも、そんな風に生きることを、トマス・モアは全否定するんです。あーだこーだと他人のことを非難したり糾弾したりするのではなく、静かに自分自身の行いで周囲の俗人たちに罪悪感や劣等感を抱かせるんです。そんな人、そばにいたら色々やりにくいでしょうね~。厳しい清廉さゆえに、王や貴族、召使たちから尊敬されながらも煙たがられ、憎まれ疎まれてしまうトマス・モア。まさに水清ければ魚住めず。家族の安全や幸せよりも、自分の信念を大事にする男って、どうなんでしょう。他人ならカッコいいけど、夫や父親だったら、おいおい~カンベンしてよ~ですわ。あの時代ではなく、いま彼みたいな政治家がいたらと思わずにはいられません。日本を悪くしている今の老害政治家に、ぜひ観て欲しい映画です。

 TVドラマ「THE TUDORS」のトマス・モアは、高潔だけど宗教き○がいなヤバい人でしたが(演じるジェレミー・ノーザムは男前でした♪)、この映画のトマス・モアは常に悠然としていて、苦境に陥っても冷静沈着さと知的なユーモアを忘れない人間味のある人物って感じです。トマス・モアを名演し、アカデミー賞主演男優賞を受賞した英国の名優ポール・スコフィールドの、威風堂々としつつ颯爽と理知的な風情がカッコいいです。
 トマス・モアの妻アリス役は、「オリエント急行殺人事件」のドラゴミロフ侯爵夫人役が強烈だったウェンディ・ヒラー。慎ましく献身的で耐える美しい妻、なんてありきたりなキャラではなく、非美人でズケズケと皮肉をかましまくる、でも情味のある奥さんを、小気味よく演じています。トマス・モア夫妻の夫婦愛が、ベタベタしいお涙ちょうだいじゃなかったのが良かったです。

 ヘンリー8世役のロバート・ショウは、見た目も演技も吉田鋼太郎!豪快で風格があって、「THE TUDORS」のヘンリー8世ことジョナサン・リース・マイアーズが小僧っこに思えてしまいます。自分に逆らうトマス・モアが憎い!けど、尊敬する彼に理解してほしい、認めてほしい、という本音が切なかった。アン・ブーリンとの結婚お披露目パーティで、トマス・モアが来てくれた!と大喜び、でも人違いだったと知ってガッカリ…のシーンが、何だか悲しかったです。それにしてもヘンリー8世、非道すぎる困ったちゃん男。彼のせいで周囲は屍の山!
 トマス・モアが小舟に揺られて自邸と王宮を往復するシーンとか、英国の美しい風景も印象的です。「地上より永遠に」や「尼僧物語」など名作を撮った名匠フレッド・ジンネマン監督作。今の映画にはない気品ある骨太さが秀逸です。

息子をたずねて三千里

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 お松の独りアイルランド映画祭①
 「あなたを抱きしめる日まで」
 英国で娘と暮らす元看護師のフィロミナは、少女の時にアイルランドの修道院で産み、無理やり引き離された息子のことを忘れられずにいた。ジャーナリストのマーティンは、恰好のネタとしてフィロミナの息子探しに協力することになるが…
 「危険な関係」「クィーン」などの名匠スティーヴン・フリアーズ監督作品。
 にわかには信じがたい衝撃的な、悲しい、そして憤りを感じずにはいられない実話。「マグダレンの祈り」でも描かれた地獄の尼さん。望まない妊娠をした少女を修道院に監禁し奴隷のようにコキ使い、ふしだらな罪深い淫売女扱い。生まれた子供は金持ちのアメリカ人に売り飛ばすとか、非道い!神の名のもとに横行する人権蹂躙、精神的肉体的虐待、人身売買!こんなことがフツーにまかり通ってたなんて…アイルランドに行くのが怖くなってきました
 でもこの映画、まったく悲惨さや陰惨さがなく、ベタベタしい辛気臭いお涙ちょうだいでもなく、むしろ人情とユーモアにあふれた優しい温かい映画なんですよ。ヒロインのフィロミナが、超がつくほどの好人物だからでしょうか。フィロミナさん、悲しい過去を背負い、癒えない傷を抱えていても、決して他人を恨んだり憎んだりせず、人の悪いところではなく良いところしか見ない、まさに聖女のような女性なんです。でもフツーのおばちゃんでもあって、ミーハーだったり無知だったり庶民的なキャラに好感。彼女みたいな善い人が、どうしてあんなむごい、悲しい目に遭わなければならないのか。私だったら、神なんか誰が信じるか!と、恨みつらみで暗くトゲトゲしい人生を歩んでしまうことでしょう。でもフィロミナは、他人への思いやりを失わず、信仰心さえ厚いまま。人一倍の苦しみや悲しみを味わったからこそ、フィロミナは誰よりも優しく強くなれたのでしょうか、すべてを許すことができたのでしょうか。息子を探してはるばる渡ったアメリカで、フィロミナが知ることになる息子の行方には、しんみりとさせられます。神さまは、どれだけフィロミナに悲しみを与えるのだろう、と憤慨してしまいました。でも、ここでも優しく強いフィロミナの運命の受け入れかたは、崇高で感動的です。

 フィロミナ役は、泣く子も黙る英国の大女優ジュディ・デンチ。重厚で冷厳なイメージのある彼女ですが、今回はフツーの市井のオバチャンを好演。ちょっとトボけた天然キャラ演技が可愛くもありました。悲しみに対峙するシーンも、大げさに嘆いたりしない、静かに万感こもった演技が圧巻。オスカーにもノミネートされるなど、この映画でも高い評価を得たデンチ女史です。
 フィロミナを手伝うジャーナリストのマーティン役は、イギリスではコメディアンとして人気のスティーヴ・クーガン。この映画の企画は、彼の持ち込みなのだとか。知的インテリのマーティンと無教養なフィロミナのアメリカ珍道中、噛み合わない会話、やりとりが笑いを誘います。

 それにしても…ほんと当時の修道院、罪深いことをしてましたね。真実を隠蔽しようと、虚偽とか証拠隠滅とかもしたり。死産した赤ちゃんや出産で死んだ少女の墓を、罪人だから!と荒れ放題にしてたり。ほんま腹立つわ~あの修道院、放火したくなった。やってたことは残酷で醜いけど、修道院のあるアイルランド郊外は、目を洗う美しさ、清らかさでした。やっぱアイルランド、行きたくなりました♪

血の日曜日

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 やっとこさ、ダブリン宿泊のホテルを予約しました~。
 それにしても。どこも高くてトホホですわ。B&Bはお手頃というイメージでしたが、全然そんなことなくてビツクリ。イギリスに行った時、そんなに高いと思わなかったんだけど…チェコのホテルも安かった。アイルランド、物価はヨーロッパ屈指の高さと後で知って、ちょっとだけ早まったかなと後悔。でも、ガイドブックや関連本を読んだり、映画を観るとやっぱ行きたくなってきます。ひょっとしたら、最後の海外旅行かもしれないので、贅沢はできないけどあんましケチケチせずに、悠遊と過ごそうかなと考えてます。
 あとはモハーの断崖に行くため、ゴールウェイという町のホテルを予約するだけです。ワクワク気分に、小型機墜落事故のニュースが冷や水ぶかっけてくれましたが飛行機やっぱ怖いよ~万が一のことを考えて、恥ずかしいものは処分しておかねば♪

 お松の独りアイルランド映画祭②
 「ブラディ・サンデー」
 1972年の北アイルランド、デリー。下院議員のアイバン・クーパーは、公民権を訴える市民デモ行進を指揮していたが、平和的な運動を目的としていたアイバンの意思とは逆に、一部の市民が過激化。英国軍は暴徒を鎮圧するため武力行使に出てしまい…
 実際にアイルランドで起きた、イギリス軍によるデモ弾圧“血の日曜日”事件を描いた作品。
 かの天安門事件とかもそうですが…こんな非道いこと実際に起こったなんて、唖然、慄然です。武器を持たない一般市民に向かって、躊躇なく無差別乱射だなんて。ほとんど虐殺なんですよ。無抵抗な逃げ惑う老若男女だけでなく、負傷した人を助けようとしてる人たちまで容赦なく狙い撃ち。こんなこと、許されていいわけない。事件後、英国軍の誰も罪を問われず、ウヤムヤにされてしまったとか。怖い…逆らう弱者を、問答無用に圧迫し力で叩き潰す強者…世界中で繰り返されている、終わらない悲劇ですね。集団的自衛権のこととか、不穏な空気が流れている日本も、決して他人事ではありません。

 ポール・グリーングラス監督の出世作としても知られている今作。マット・デーモンのジェイソン・ボーンシリーズや「ユナイテッド93」などでも独特だった、グリーングラス監督の臨場感あふれるドキュメンタリータッチな演出、カメラワークは、事件の実況中継と錯覚してしまうほど。デモを指揮する政治家のアイバン・クーパー、デモに参加する若者たち、そして英国軍の3つの視点から、常に緊張と混沌を孕んだムードの中、悲劇へと突き進んでいく過程が描かれています。目まぐるしい人々の動きは、熱気と殺気の坩堝。まさにいつ爆発するか分からない風船を見ているような感覚に襲われます。ついに爆発すると、もうパニック映画状態。観客もそれに巻き込まれて、かなりしんどい思いをしてしまいます。

 当時のデリー市民の、貧しく沈鬱で劣悪な生活環境もリアルでした。あれじゃあ鬱屈や鬱憤はたまって、どこかでそれを吐き出したくもなるよな~。みんな真剣に深刻に現状を打破したい、英国に抗議したいと思っているのと同時に、特に若者たちは何だかお祭り気分で浮かれてる感じでもあって、それがまさかこんなことになるとは…という嘆きや痛みを深くしています。まさか英軍があそまでやるなんてねえ。英国をナメてしまったシッペ返し、代償はあまりにも高かった…それにしても。いくらなんでも、あんなゾウがアリを踏みつぶすようなこと、非道すぎますよ。イギリスは、なぜあそこまで思い切った蛮行に走ったのでしょうか。憎悪は憎悪を生む、育てる、という愚かさ悲しさは、いつの時代も、どこの国でも人間であるかぎり、断ち切れないのでしょうか。
 70年代のファッションや髪型は、何だかおしゃれに見えました。デモに参加して悲惨な末路を遂げる青年と、軍の暴走を止めようとする若い軍人が、なかなかのイケメンでした。DVD特典の、アイバン・クーパーを演じた俳優と、アイバン・クーパーご本人が事件発生現場を訪れ、当時を振り返るドキュメンタリーも興味深かったです。
 ちなみに。マットのジェイソン・ボーンがついに復活!待望の最新作は、グリーングラス監督が再び手掛けるというのも嬉しいですね。待ち遠しい!

私より強い男を探してた

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 お松の独りアイルランド映画祭③
 「静かなる男」
 30年代のアイルランド。アメリカから生まれ故郷に戻ってきた元ボクサーのショーンは、村の金持ちで偏屈者であるダナハーの妹メアリーと恋に落ちる。しかし、ショーンのことが気に入らないダナハーは、二人の結婚を認めようとせず…
 巨匠ジョン・フォード監督が、4度目!のアカデミー賞監督賞を受賞した名作。アイルランドが舞台ということで、さっそく観てみました♪
 フォード監督&ジョン・ウェインのコンビ作といえば、硬派で骨太な男の映画、というイメージですが。意外なことに、この映画はほとんどラブコメなんですよ。男らしい主人公と勝気なヒロインが互いに一目ぼれ、でも気が強い者同士なかなか素直になれなかったり、周囲や環境に邪魔されたりしつつ、ケンカしながらもラブラブになっていき、障害を乗り越えてハッピーエンド。壁ドンや顎クイ、お姫様ダッコとか雨の中のキスとか、胸キュンなLOVEシチュエーションもバッチリあったりします。

 基本は純愛ラブコメ、そこにフォード監督&ジョン・ウェインっぽい漢(おとこ)らしいシーンや友情人情、そしてアイルランドの美しい自然がトッピングされている、といった感じの映画でしょうか。とにかく、ジョン・ウェイン扮するショーンが、今や絶滅種ともえいる男らしいキャラなんですよ。ハーレイクンとかによく出てくる、ほとんどファンタジーな男。生まれはアイルランドだけど、育ったのはアメリカなヤンキーキャラも素敵。アメリカナイズされたショーンが、アイルランドの風習や因習に戸惑う、というより、そんなん知るか!と男らしく打破していく姿が、めっちゃ痛快豪快でカッコいい。ヒロインだけでなく、周囲の男たちも惚れていく雄々しさ。でも、やみくもに男らしさをひけらかす粗野さはなく、普段は静かで紳士的なところも理想的。そんな強く優しい男に、恋しない女はいないでしょう。ヒロインのメアリーも、ショーンのやることなすことにハートをズキュンバキュンされまくり、でもプライドが高く気が強いので、逆らったり抗ったり、でも好き好き大好きビーム出しまくりな彼女のツンデレっぷりが、かなり笑えます。

 素直になれないメアリーに対するショーンのアプローチが、これまた男らしいんですよ。たいていのことは女に合わせてくれ、女が怒ったりスネたりしても可愛い奴だなと余裕で笑ってる彼ですが、いざという時はめっちゃ強引。その行動力、決断力に女はますますメロメロに。女ってほんとは、自分より強い男に屈したいんだよな~。メアリーみたいな気が強い女は、特にそんな傾向あり。なんとか結婚にこぎつけても、兄が認めてくれない、持参金なしで嫁入りした自分が恥ずかしいと、ショーンにとってはどーでもいいことにウジウジこだわって家出してしまうメアリー。ついにプッツンし、彼女を無理やり家に連れて帰るショーン。ズルズル女を引きずりまわしたり髪の毛掴んだり突き飛ばしたり、DVに近い強引さはちょっと怖かったけど。でも、ワガママな女にはあれぐらいの荒療治は必要!女もナンダカンダで嬉しそうだったし。愛のために手をこまねいたり手を抜いたりしない男って、ほんとカッコいいですよね。あんな風に男に、熱く大切に思われるって幸せなことです。

 ショーン役のジョン・ウェインがカッコよかったです。イケメンとか美男は腐るほどいるけど、彼みたいな男の中の男は今いないですよね~。キャラ的には、高倉健に近い?顔がちょっと國村準に似て見えたのは私だけ?デカくてゴツいところも頼もしい。ラブコメも頑張ってたけど、馬に乗って疾走するシーンや、ダナハーとのファイトクラブも真っ青なガチンコタイマンシーンは、これぞジョン・ウェイン!な漢(おとこ)っぷりです。まさに拳で解かり合う的なショーンとダナハー、ノリはジャンプの漫画っぽくて笑えた。それはそうと…ショーンは、もうちょっと若い俳優のほうがよかったかも。青年役にしては、さすがに見た目はおじさんすぎなジョン・ウェインでした。
 メアリー役のモーリン・オハラも、すごくチャーミングでした。勝気なキャラにピッタリな赤毛も印象的。主役のカップルを取り巻く人々も、みんないい味だしてます。アイルランド人って、のんびりとおおらか、でも血の気が多い、という気質なのでしょうか。私も日がな一日、のんびりパブでほろ酔いしてみたいものです。
 この映画の真の主役は、アイルランドの自然の美しさかも。木々の葉や大地の緑、空の青、涼やかな小川、荒々しい海、のどかな馬や羊etc.すべてがほんと瑞々しくて清らかで牧歌的で、デトックスできそう!シンプルな住民の生活も、いいな~と感嘆。携帯やPCなんてなくても、じゅうぶん生きていけるんですよねホントは。ゴチャゴチャ不必要なものにあふれた、有害な情報にまみれた現代社会が、あたらめて薄汚れた息苦しいものに思われました。

恋するテロリスト

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 お松の独りアイルランド映画祭④
 「クライング・ゲーム」
 IRAのメンバーであるファーガスは、仲間とともに英国軍人のジョディを拉致監禁する。ファーガスとジョディとの間には友情が芽生えるが、ジョディは逃亡中に命を落としてしまう。ファーガスは、生前のジョディに頼まれた通り、ロンドンにいるジョディの恋人ディルに会いに行くが…
 アイルランド出身のニール・ジョーダン監督作品。映画好きな腐女子に人気の名作。もちろん、私も大好きな作品です。ファーガスとディルの恋に、胸キュンキュンしまくりなんですよ~。お互いに秘密を隠した者同士、そっと探るように距離を縮めていく二人の、小粋でロマンティックで切ないやりとりが素敵。あんな大人の会話、私もしてみたいわ。男どもが私と交わしてくれる会話なんて、面白くもなんともない政治の話かエグい下ネタだしとにかく劇中の会話は、アカデミー賞脚本賞受賞も納得の秀逸さ。月9の恋仲とか観てると、そのクオリティの相違、落差に驚かされます。

 で、公開当時話題となった、ヒロインであるディルの正体。観てないかたのために、なるべくネタバレにならぬよう話を進めたいと思いますが…私は彼女が登場した瞬間に分かりましたが、多くの人はファーガス同様、彼女の秘密に衝撃を受けたのではないでしょうか。ファーガスがディルの実態を知った瞬間と、その直後のリアクションって、何とも言えない気まずい、イタいムード。悲痛なのか、はたまた滑稽な場面なのか。もしあんたがファーガスだったら、どうする?と、多くの男に問うてみたいシチュエーションです。
 ショックを受けながらも、ディルを嫌悪したり蔑んだりせず、不器用ながらも彼女を優しく気遣い、だんだん覚悟がすわって彼女を全身全霊で守るファーガスは、まさに騎士のようなカッコよさ!腕力だけが決して男の強さじゃないんですよね。あのファーガスの優しさは、強くないと備えることはできません。彼のディルへの愛は、もはや男女の恋愛を超えた、大きく深い人間愛と言えます。人質のジョディも、そしてディルも、心を許さずにはいられないファーガスの優しさ。なぜ彼みたいな男が、テロリストになんかなったんだろう。優しいといってもナヨナヨしい草食男ではなく、肝のすわった目つきや物腰、ディルにつきまとうストーカー男など瞬殺する腕っぷしの強さ。ディルじゃなくても惚れますわ。

 ショックと困惑で狼狽してるファーガスに、開き直って積極的に迫るディル、可愛い男前ガール!人一倍怒ったり泣いたりしながら、決して挫けない諦めないディルもファーガス同様、強い人間だな~と感嘆。マズいと当惑しつつ、どんどんディルに惹かれて愛を深めていくファーガスも可愛い。どんなカップルよりも幸せになってほしい、と応援したくなる二人なのです。切ないけど、ほのぼのと優しいラブストーリーの傑作。修羅場を乗り越え、ますます困難な状況になったけど、温かい優しい未来が待ってるようなラストも感動的です。
 ファーガスを好演したアイリッシュ俳優のスティーヴン・レアは、決して美男ではないけど、哀愁があって素朴な味わいに好感。ディル役のジェイ・デヴィッドソンは、まさに奇跡のキャスティングと言えるのではないでしょうか。彼女の存在が、この映画の成功のカギを握っていたと言っても過言ではありません。彼女が有名スターではなく、無名の素人だったというのも勝因でしょう。この映画の後は、フェイドアウトしてしまった彼女。まさに一世一代の一発屋です。
 主役の二人以上にインパクトがあったのは、ファーガスの仲間のひとりであるジュード役のミランダ・リチャードソン。

 冷酷でビッチな女テロリスト、怖くてカッコよかったです。女優なら、あーいう役一度はやってみたいと思うものではないでしょうか。ジョディ役は、「ラストキング・オブ・スコットランド」でオスカーを受賞したフォレスト・ウィッテカー。かつては黒い鶴瓶、と言われてた彼ですが、よく見ると全然似てません。フォレストのほうがはるかにイケメン。粗暴だけど人なつっこいジョディを、可愛く悲しく演じてました。笑顔が天使!彼がファーガスに語って聞かせるサソリとカエルの寓話が、なかなか奥深くて心に沁みます。
 ジョディを監禁するIRAのアジトがある森が、すごく美しかった。ジョディが走って逃げるシーンは、まるで絵画のような風景。アイルランドのシーンは前半だけでしたが、その自然の美しさはじゅうぶん伝わってきました。
 

どチンピラとヒゲ娘

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 お松の独りアイルランド映画祭⑤
 「ダブリン上等!」
 恋人のデアドラにふられ傷心の青年ジョンと、彼の友人で仕事をクビになったバス運転手ミックに、チンピラのレイフが強盗計画をもちかけてくる。そこに、デアドラの妹、レイフを目の敵にしている暴力刑事、デアドラの不倫相手の妻らが絡んできて…
 ジャンルとしては犯罪コメディに分類される作品でしょうか。ハリウッド映画みたいなトリッキーでド派手な場面も仕掛けもありませんが、フツーの一般市民が巻き込まれたり引き起こしたりする騒動が、ポップに愉快に描かれてます。特に主役はおらず、うだつの上がらない青年たち、不倫カップル、トラウマとヒゲがある娘、小悪党のチンピラ、ヒーロー気取りのマル暴刑事、夫に捨てられた人妻、といったメインキャラが、それぞれ独立した話を展開しているうちに、だんだんつながっていくという内容。メインキャラはなかなか個性的で、ユニークな群像劇になってます。メインキャラの生活や人間関係、人生への不満や鬱屈に満ちたやりとり、ビミョーにコワレててズレた言動や思考が笑えます。

 それにしてもアイルランド人って…ほんと気がいい人々、そして血の気が多すぎる人々ですね~。のんきでのんびりしてるけど、すぐカっとなってプッツンして好戦的になる。その落差が激しすぎて、結構めんどくさい、疲れる国民性です。あと、この映画でも思いましたが、アイルランド人の勤労意欲のなさには驚かされます。ジョンやミックのテキトーすぎる怠け者ぶり、レジの女の接客態度のいい加減さ。勤勉な日本人からすると、その怠惰さは異常。そして、治安の悪さもショッキング。ドちんぴらのレイフなんか、まさに野放しにされてる狂犬だし。バスに石を投げてくる悪ガキとか、凶悪すぎてゾっとしました。あんな連中フツーにいそうなダブリン、何か行くのが怖くなってきた
 レイフ役のコリン・ファレルが、めっちゃ可愛いです。

 アイルランドのドちんぴら役だなんて、コリンに最も似合う役。女でも平気で殴る鬼畜なクソ野郎なんだけど、何か愛嬌があってアホっぽくて、憎めないんですよ。凶暴なのに何かいつも悲しそうなところも、キュンとくるコリンです。故郷のダブリンでイキイキと楽しそう、そして可愛いコリンでしたが。レイフみたいな奴とは、絶対ぜったい出くわしたくないです!

 ジョン役は、コリン同様ハリウッド映画でも活躍しているアイルランド俳優、キリアン・マーフィ。まだちょっと少年っぽくて、ナイーブにダメ男な彼も可愛いかったです。コリンとキリアンのからみを、もっと見たかったかも。カフェでコーヒーにソース入れて飲むキリアンに、コリンがウゲゲありえねー!みたいな顔しつつ、美味いからやってみと言われて恐る恐る飲むシーンが、何か微笑ましくて好きです。あと、ラスト近くでレイフが暴力刑事に追いつめられる草原?の風景が、すごく美しかったです。アイルランドの緑って、透明感がありますよね~。
 メインキャラのひとり、ヒゲ娘がインパクトあるのですが、もっと彼女を活かしてもほしかった。元カレにベッドに縛りつけられて胸にウンコされ、数日間放置されていた、という壮絶すぎる過去が強烈すぎて笑えた。そんなことされたらトラウマ、男性不信にもなるわな
 後に衝撃の秀作「BOY A」を撮ったジョン・クローリー監督は、なかなか才気ある演出家なのではないでしょうか。

 ↑コリンの新作は、ジェシカ・チャステイン共演、ストリンドベリの舞台劇を映画化した“Miss Julie”や、レア・セドゥ共演のファンタジー“The Lobster”など。早く日本でも公開されないかな~

息子の恋人

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 「追憶と、踊りながら」
 ロンドンの介護ホームで暮らすカンボジア系中国人のジュンのもとに、事故死した息子カイの恋人リチャードが訪ねてくる。ジュンはリチャードを嫌っていたが、リチャードはカイに代わってジュンを支えたいと願っていた…
 地味ながら、なかなか心の琴線に触れる佳作でした。息子を失った母親、恋人を失った男。それぞれの喪失感や空虚感、孤独が切なく優しく描かれています。愛について考えさせられました。リチャードの優しさ、ジュンの強さは、本当の悲しみと痛みを知った人じゃないと得られないものなのかもしれません。カイを追慕するリチャードとジュンの悲しみと苦しみは、深く悲痛なのですが…そんな彼らが私は羨ましくなってしまいまった。悲しみも苦しみも、それだけ誰かを深く強く愛した証のように思えて。今までも、そしてこれからも、愛に心が乱れることも沈むこともなく生きていくに違いないLOVELESSな自分自身が、あらためて心底イヤになりました。

 亡きカイをめぐって、リチャードとジュンが燻らせる愛の残り火が、痛ましくも切ないです。カイに代わってジュンを支えようとするリチャードですが。異国に溶け込むことを頑なに拒み、息子に依存し彼を苦しめていたジュンを、本当は憎んでもいる。ジュンも、自分と息子を引き離したのはリチャードだと恨んでいる。ラスト近く、互いの本音がはからずもぶつかってしまうシーンが、愛を争っているかのような不毛さ、そして悲痛さでした。愛って深ければ深いほど、美しいだけのものではいられなくなるのですね。愛って怖いですね。愛を知らない私は不幸だけど、同時に幸せなのかも?本当にカイを愛していたリチャードとジュン、あそこまで愛されたカイも、幸せで不幸な人のように思えました。
 リチャード役のベン・ウィショーが、素晴らしいの一言です。

 007のQ役で知られる英国イケメンのベン。リチャードの優しさ、悲しみが胸に痛いほど伝わってくるガラス細工な繊細さに惹きこまれずにはいられませんでした。すごい不幸顔なんですよ。不幸が似合う男って美しいですよね~。寂しそうな笑顔、潤んだ遠い瞳も、捨てられ子犬系の胸キュンな可愛さ。
 実際にもカミングアウトし、同性婚もしているベンがゲイの役を演じるのって、きっと簡単なことではなかったはず。彼の果敢な役者魂は賞賛に値します。ラブシーンも、美しく優しく切なかった。最近見た同性愛シーンではベストかも。かけがえのない、あまりにもソウルフルな愛だったからこそ、神さまって残酷だな~と溜息が出てしまいました。生涯に一度、いや、ほとんどの人にとっては一度もないような愛に出会えた二人を引き裂くなんて…カイへの消えない愛執のせいでジュンに執着するチャードの不安定さも、ベンの思いつめた翳りのある表情から伝わってきました。

 ゲイだけど全然キャマキャマしくないリチャード。通訳を引き受けてくれた女の子と仲良くしてるシーンは、ごくフツーのカップルにしか見えない。女の子がリチャードに好意を寄せるのも、当然の成り行きです。あんなに優しくて傷ついてて、しかも料理上手なイケメン、惚れてまうわな。ゲイに恋してしまう女も、切ないですよね。実際のベンも、カミングアウト前は女の子にモテて、さぞや困ってたことでしょう。
 カイ役のアンドリュー・レオンもイケメンでした。ちょっとウェンツ似?ウェンツを男らしくした感じ?リアルすぎる描写やブサイクを嫌悪する筋金入りの腐も満足する、ベンとの美カップルぶりでした。ジュン役のチェン・ペイペイは、ちょっと愛川キンキン似?あまりにも頑固で狭量だと、彼女みたいに老人ホームに入れられちゃうので要注意あの性格では、いくら愛があっても一緒には暮らせません。盲愛は害悪です。カイとは恋人同士だったというリチャードの告白にも、今さら何?そんなこととっくに気づいてた、と言わんばかりの冷静さが印象的でした。悲嘆に暮れ心揺れてばかりだったリチャードに比べ、最後まで一滴も涙を流すことも動揺もしなかったジュン。男は優しくて弱い、女は厳しくて強い…
 これが長編デビューというカンボジア出身のホン・カウ監督の、ゲイならではのきめ細やかな感受性も秀逸です。次回作が楽しみな監督です。ちなみにオリジナルタイトルの“Lilting”とは、リズミカルに軽やかに何かを動かす、という意味なんだとか。素敵なタイトルですね。

 ↑メルヴィル・プポーを地味にした感じのイケメン、ベン・ウィショー。007の最新作「スペクター」の他、ロン・ハワード監督の新作「白鯨のいた海」、エディ・レッドメインの“The Danish Girl”や、コリン・ファレルの“The Lobster”にも出演してる彼は、躍進著しい英国俳優のひとりです

悲しき狙撃手

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 今日は原爆記念日。鎮魂の朝を今年も迎えました…不穏な空気が流れ始めている今の日本だからこそ、祈りは例年にも増して強く悲壮なものとなりました。
 今夜はピースナイター。原爆記念日限定のユニフォームで、阪神と戦ってるカープですが。昨夜に続き、ポカスカ打たれるわエラーするわで、トホホ…な戦況です。今夜は鎮魂のためにも、ぜひ勝ってほしいものですが…最近、若い選手にイマイチ覇気が感じられないのが、心配でもどかしいです。

 「アメリカン・スナイパー」
 イラク戦争に従軍したクリス・カイルは、天才的な狙撃手として仲間の間では伝説の存在となるが、非情な任務は彼の精神を蝕んでいき…
 愛しのブラパことブラッドリー・クーパー主演作を、やっとこさ観ることができました~♪劇場に足を運ぶ予定だったのに、知らん間に終わっててガーンだったので、ようやくといった感じです。
 「世界にひとつのプレイブック」「アメリカン・ハッスル」そして今作と、3年連続でオスカーにノミネートされるという快挙を成したブラパ。かつては主人公の気のいい友人とか、おバカコメディ専門だったブラパも、今やハリウッドのトップスター。すごく嬉しい反面、ちょっと寂しさも。みんなのブラパになっちゃったね…彼の出世パターンって、トム・ハンクス御大と似てるような気がします。ブラパもいつかは、ハンクス氏のような貫禄たっぷり、恰幅でっぷりな大御所になるのかなあ…

 閑話休題。この巨匠クリント・イーストウッド監督作のブラパ、オスカー候補も納得の演技派っぷりでした。プロデュースも兼ねていたので、いつも以上い気合いが入ってたような気がします。まず、軍人の外貌を作り上げてたのがアッパレ。まさに魁偉という表現がぴったりな屈強さと迫力。不自然に人工的なバキバキのチョコレート腹筋などではなく、どこもかしこも厚い!太い!なガチムチゴリマッチョぶりが素敵すぎます。あんな米兵さんに、ぎゅっとされてみたい!腕枕してほしい!
 カラダだけでなく、地獄の戦場に身を投じるブラパの勇ましさ、雄々しさに惚れ惚れ。でも、決してカッコいいだけのヒーローではないのです。かなり病んでてコワレてるんです。観客を不安に陥れるブラパのメンヘラ演技が、怖くて不気味。

 お国のために命を捧げ、蛮人どもを撃って撃って撃ちまくるブラパasカイル。そのガチガチの右翼的愛国心は病的で、彼が日本人なら安倍首相が喜びそう。そして天才的な射撃の才能は、カイルにとって不幸としか思えませんでした。女・子どもも、不審で危険なら容赦なく射殺しなければならない過酷な任務。心が蝕まれ病んでしまうのも当然。あんな仕事を平然とできるのは、よほどのサイコパスだけです。撃ち殺しまくるブラパも怖かったけど、いちばんヤバいと思ったのは、生まれたばかりの娘を見舞うシーン。新生児室でギャーギャー泣いてる娘を放置してる看護師に、早く俺の娘の世話をしろー!!と鬼の形相&怒号でブチギレ。入隊する前から、キレやすいヤバい男だと思わせてたカイルの病巣が、あらわになったシーンです。平和なアメリカより、愛する家族のそばより、憎むべき倒すべき敵がいる殺戮の戦場のほうが生きやすそうだったのが、何となく理解できるような気がしました。

 かなり病んだコワレ男を熱演してたブラパですが、陰惨で暗い感じは全然なく、明るくて優しそうなところは不変。可愛いプッツン男は、彼の十八番ですよね。苦悩顔の美男俳優ではなく、オールアメリカンなブラパがカイルを演じたのは、返って痛ましさが増して良い結果になったのではないでしょうか。子どもを可愛がるシーンのブラパ、いい感じ。ブラパも再婚(確か彼、バツイチ)して子どもができたら、いいパパになりそう。でも実際の彼は超マザコンっぽいので(オスカー授賞式とか公の華やかな場には、たいていママ同伴)、奥さんは大変そう
 緊張感と臨場感あふれるイラクの戦地は、アクション映画さながらのスリリングさ。サスペンスフルな演出は、さすがクリント・イーストウッド監督です。砂嵐の中、脱出するためカイルたちが車に乗り込もうとするシーンとか、特に印象的でした。アルカイダのスナイパーが、結構イケメンでした。この映画、イーストウッド監督からの反戦メッセージ的な内容?エンドレスな殺し合いは、何の解決にもならないのですね。いたいけな子どもまで殺戮(ドリルで非道い!)するアルカイダは、ほんと蛮人!でも、彼らを躍起になって殲滅しようとするアメリカ軍だって、かなり残酷冷酷。戦場に、ヒーローも正義もないのです。カイルの最期は、悲惨だけどあっけなさすぎ。苛烈な戦場は生き抜いたのに、あんな死に方…彼の家族が可哀想!
 
 ↑素敵なブラパシリアスもいいけど、コメディの彼が好きです。新作“Adam Jones”では、イケメンなシェフを演じてます。共演者の中には、ダニエル・ブリュール(独)とかジェレミー・ドーナン(英)とかオマール・シー(仏)とか、チャーミングなヨーロッパの男優も。楽しみ♪ 

幽霊館に住むイケメン

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 「異人たちの棲む館」
 俳優になることを夢見ているパン職人のピエトロは、ローマにある古い屋敷に引っ越す。そこには、戦時中に謎の死を遂げた舞台俳優たちの幽霊が棲んでいた…
 イタリアンイケメン、エリオ・ジェルマーノ目当てで観たのですが、思いのほか愉快で心あたたまるコメディでした。
 幽霊に振り回される主人公…というのは、古今東西の映画やドラマでよくある設定で、この映画もそれほど飛びぬけた斬新さはないのですが、幽霊よりも主人公のピエトロのほうがヤバい、というのがこの映画の面白いところでしょうか。

 ピエトロくん、はじめはちょっとシャイなフツーのイケメン、かと思ってたのですが。乙女なしぐさや表情が可愛すぎる!もしかして?…やっぱゲイでした(笑)。恋人を招待するために、越してきたばかりの新居をイソイソ磨き上げたり、手料理をウキウキこしらえたり。やって来た彼氏(も、イケメン)の前で、ドキドキときめいてる様子が、これまたso cute!しかし…男は彼氏などではなく、俺につきまとうのはやめろ!と抗議に来たストーカー被害者だったそう、ピエトロくんは危ないストーカー男だったのです純真すぎる人って、あんな風に思い込みが激しくなっちゃうものなのでしょうか。相手にとっては迷惑この上ないけど、ピエトロくんみたいな可愛いストーカーは、何か応援したくなります

 で、こっぴどくフラれて傷心のピエトロを励まし慰めてくれたのは、屋敷に棲みついてる劇団ゴースト。ピエトロが彼らを怖がったりウザがったりしてたのはちょっとの間だけで、すぐに意気投合して和気藹々な同居生活。俳優志望のピエトロに演技指導してくれたり、ゴーストたちはみんな楽しくていい人ばかり。ふとっちょの少年が特にいい味だしてました。周囲の人間よりもゴーストに気を許して馴染んじゃってるピエトロ、やっぱ変な子です。

 ゴーストはピエトロ以外の人間には見えないので、周囲の目にはゴーストと触れ合ってるピエトロは、独りでわけのわかならいことをしているイカレ男にしか映らない、精神科医のところへ連れて行かれ、妄想幻聴の精神疾患扱いされるのが笑えました。実際にも、私たちには見えないものと対話してる人って、たまにいますよね。ピエトロみたいな場合もあるから、異常者扱いしてはいけません

 好きな男には失恋したピエトロですが、イケメン幽霊詩人とロマンティックな感じになったり、ピエトロのことが好きっぽい優しい男前さんが近所にいたり、男運は決して悪そうじゃなかったので安心。ストレートもゲイも、やっぱイケメンは得ですね。臆病でシャイな小動物っぽいキャラは女たちの母性本能もくすぐり、彼女たちに優しくしてもらえるピエトロ。もうちょっと彼が現実的でズルい性格だったら、男も女も手玉にとってオイシい人生を歩めそう。

 ピエトロの家で、優雅にのんきに過ごしてる幽霊さんたちですが。実は戦時中に悲劇的な最期を遂げて、成仏できずにさまよってるという事情にしんみり。自分たちが幽霊であるという自覚がなくて、いかにも幽霊みたいな特殊能力(宙を飛んだり何に変身したりといった)もないところが、ファンタジー苦手な私には好感がもてました。舞台衣装のままというゴージャスさも、幽霊らしからぬ華やかさが。
 ピエトロ役のエリオ・ジェルマーノが、めっちゃ可愛い!

 いつも困ったような泣きそうな顔してるのが、もう萌えMAX!さりげなく、それでいてゲイであることがバレバレな仕草とか、キャマキャマしさもなくナヨナヨしてないけど乙女な演技は、なかなかのクオリティの高さ。さすがカンヌ映画祭で男優賞を獲っただけあって(イクメンの奮闘を熱演した「我らの生活」)、ルックスがいいだけの俳優ではありません。オカマとゲイは違うのです。いつもウルウルしていてる黒目がちな瞳が美しい!「ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?」でも思ったけど、エリオって何となく妻夫木聡と雰囲気が似てる?男のフェロモンはあるけど、雄臭くはないところとか。背がそんなに高くないところとか。この映画が日本でリメイクされるとしたら、ピエトロ役はブッキー以外に考えられません。イタリア男なのに、あんまし体毛が濃くなさそうなエリオは、日本人の女子にはとっつきやすいイケメンではないでしょうか。パン職人さん、カフェ店員の制服も似合ってて可愛かった。

 劇団ゴーストの面々だけでなく、人間側の脇役もみんないい味だしてました。特にピエトロの従姉。めっちゃ面倒見のいいオチャメな人で、あんな姉ちゃんいたらいいな~と思わせるキャラでした。姉ちゃんとデキちゃう精神科医さんも笑えた。ローマの街角とかカフェも趣あって、行ってみたいな~と思いました。

 ↑エリオ・ジェルマーノ、1980年生まれの現在35歳。有名な詩人を演じた“Il giovane favoloso”が、今年のイタリア映画祭で上映され好評を博しました。一般公開が待たれます!
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