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Channel: まつたけ秘帖
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さすらいの殺人鬼

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 「復讐するは我にあり」 
 昭和38年の福岡。現金強奪のため男性二人を殺害し逃亡した榎津巌は、大学教授を騙って潜伏した浜松の旅館の女将ハルとねんごろになるが…
 昭和40・50年代の邦画が大好きな私。中でもこの映画はmyベスト3には確実に入る傑作!うっすい軽い今の邦画と違い、昭和の重さと暗さが映画を観た!という満腹感、満足感を与えてくれます。人間関係も社会も空気さえも、どよよ~んと淀んでいた昭和という時代。同じ狂気的な凶悪犯罪でも、現代と違って濃密な情念や愛憎によって引き起こされていたものが多かった。おどろおどろしくも活力に満ちていた昭和がよく描けた映画といえば、まっさきにこの映画が思い浮かぶ私です。当たり障りのないポリコレなんか蔓延してなかった、本当に良き時代でした…

 警察の捜査網をかいくぐって日本各地で殺人&詐欺行脚、世間を震撼とさせた西口彰事件をモチーフにして佐木隆三が書いた直木賞受賞作小説を映画化したもの。凶暴な殺人と知能犯罪である詐欺を両立させた事件の特異性で、血塗られた日本凶悪犯罪史に黒い名を刻んだ西口彰をモデルにした榎津巌、その神出鬼没ぶり、被害者たちのと庶民的で人情あふれる?ふれあい、まさに殺人鬼となった寅さんです。寅さんは殺人も詐欺もセックスもしませんが、自由な風来坊で自分ルールな思考回路、調子がよくて口達者、図々しいけど人好きのするところなど、寅さんを彷彿とさせる巌。あの口のうまさ、演技力、コミュ力など、有効に活かしてまっとうに生きてたら、さぞや成功した人生を送れたことだろうに。騙してるという意識が薄く、弁護士や教授になりすましてるうちに現実と虚実の区別がつかなくなってる、みたいな様子も病的。殺さなくても?と思うような殺人ばかりなのなのは、どうしようもない殺人衝動?まさに生まれてきてはいけなかったかのような害悪人間。ロンブローゾの性悪説を、巌を見てると信じたくなるほどです。

 とんでもない戦慄の殺人鬼だけど、何か憎めない愛嬌がある巌。よせばいいのに深く関わってしまう被害者たちの気持ちは、まったく理解できないものではありません。昭和の繁栄に取り残された者たちが、肩寄せあうように巌と親しくなる姿が、微笑ましくも切なくて。巌とハル母娘とのやりとりは、絶望の中の刹那のぬくもりやユーモアがありました。巌の正体が殺人鬼と気づいた後のハル母娘の態度は、本当に孤独な人、絶望した人にしか理解できない悲しい人情なのではないでしょうか。

 巌役は、私にとって今なお日本最高の名優である緒形拳。この映画の彼、もう最高で~す!こんな演技、そしてこんな俳優、もう二度とお目にはかかかれないでしょう。まさに不世出の役者。今の人気俳優なんて、緒形拳に比べたら水道水やティッシュみたいに薄くて軽い。緒形拳のファンなら、今の邦画やドラマにはとても満足できないはず。この映画の緒形拳も、とにかくギラギラしてます。鬼気迫るって言葉は、彼のためにあるといっても過言ではない。目つきとか鋭すぎてヤバい。怖いけど、同時に女を濡らす色気もハンパない。低音の美声がセクシー。残虐な殺人シーンではまさに悪鬼ですが、それ以外はひょうひょうとトボけた感じが可愛いんですよ。福岡弁?『にゃにゃ』とか方言が可愛かった。緒形拳といえば昭和の濡れ場王ですが、この映画でもエロかった。緒形拳は当時42歳ぐらい。あたらめてキムタクとか嵐とか、いい年して幼稚な無難タレントだなと失笑。

 緒形拳以外の出演者も、むせそうになるほどの昭和な名演。巌の父役の三國連太郎は、晩年のスーさんとは別人。息子の佐藤浩市にはないイヤらしさ、妖気が強烈。巌の妻役の倍賞美津子の生々しい色香!湯煙の中で義父を誘惑するシーンでの、熟れた巨乳ポロンがエロすぎ。ハル役の小川真由美も、可愛くて哀れな熟女を好演。彼女も濡れ場では熟れたおっぱいを披露。彼女たちのように女の業を妖艶に演じることができる女優も、今はもういなくなってしましたね。エロ熟女といえば、かつてロマンポルノで男たちのリビドーを刺激しまくった白川和子や絵沢萌子も顔を出してます。ハルの母役の清川虹子、巌の母役のミヤコ蝶々など、ばあさん女優たちも強烈な存在感。ハルの旅館に派遣されて巌の相手をするデリヘル嬢役の根岸季衣も、なにげに印象的でした。
 昭和に撮影したからこその昭和な雰囲気も、この映画の魅力です。当時の駅とか汽車の中、ダイヤル電話、古い連れ込み旅館やボロいアパートなど、平成になってセットやCGで作ったものではないリアルさに、昭和を生きた者は郷愁を覚えることでしょう。

行儀よく真面目なんて出来やしなかった

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 「君が君で君だ」
 親切にしてくれた韓国人女性に好意を抱いた青年二人は、女性の元恋人も加えて女性が好きな尾崎豊、ブラッド・ピット、坂本龍馬に成りきってアパートに同居し、そこから女性の生活を観察し始めるが…
 うう~ん…何とも意味不明で気持ち悪い映画でした。狂気の恋は私の大好きなテーマなのですが、この映画のそれは全然怖くも美しくもなくて、ただもう幼稚で騒々しいだけ。ストーカー行為の内容が、もう不愉快極まりない。日がな一日、向かいの部屋から被害者の一挙手一投足をのぞき見、盗撮、盗聴してワーワーヒーヒー騒いでる姿は、もう見るに耐えない醜さ。被害者に直接は何もしないところが、返って卑劣なんですよ。脳みそがイタんでるわりにはコワレ人の怖さも面白さもなく、まるで中学生のオナニーを延々と見せられてるような気色悪さでした。見守ってる!と言いながら、彼女が体を売るのも自殺しようとするのも止めず、彼女の苦境に興奮してるだけなのも本当に気持ち悪かった。あんなおぞましいストーカー行為を長い間犯しながら、大したしっぺがえしも罰も受けず、純愛を貫いたみたいな展開には失笑。フツーは刑務所か精神病院でしょ。正気に戻ったら、真っ先に自分たちがやってたことを慙愧、後悔、反省すべきなのに。こんな形の純愛もあるんだ、みたいなノリが片腹痛いです。

 内容も演出も台詞も俳優たちの演技も、作り手側は楽しんでるのがすごく分かる。でも観客を置き去りにし過ぎ。それもまた私の苦手な、自分たちが楽しければいい的な内輪受けっぽくて不快でした。いちばん許せないのは、大好きな俳優をそんな内輪で狎れ合い映画に引きずりこんで無駄づかいしたこと。この映画を観たのは言うまでもなく、大好きな池松壮亮が主演だからです。池松くんも昔から出演作に、かなり当たり外れがある俳優。最近はハズレのほうが多くて、ほんと残念です。もうちょっと出演作を選んでほしいわ~。

 尾崎豊になりきってる男役の池松くん。何でこんな映画に出たのとトホホになりつつ、やはり若手随一の魅力と実力はギラリと光らせてはいるんですよ。焦点が定まってない瞳のヤバさ、そして美しさは、やはりイザベル・アジャーニっぽくて、こんなふざけた映画ではなく真面目に本格的に狂気を活かせる映画に出てほしい。女の下着姿になって踊ったりお祈りしたり、女の髪の毛をムシャムシャ食べる壮亮くん、キモいけど笑えます。無精ひげのない顔での映画は久々?やっぱすごい童顔!肌が浅黒く少し荒れてるところも、某事務所のメイクバッチリ顔が苦手な私のとっては、生々しい男の魅力が。

 女の下着に着替える時の上半身裸とか、尾崎豊に扮してる時のTシャツ姿で見える腋毛とか、可愛いコドモ顔だけど相変わらず性的フェロモンが濃厚。壮亮くんじゃなくてブサメンやフツメン俳優だったら、確実に観るのリタイア、いや、始めっから観てなかった。壮亮くんの暗いエロ可愛さの前では私、まるで甘い樹汁に吸い寄せられるカブトムシになってしまいます。そして壮亮くんだけでなく、もう一人私の大好きな俳優もこの映画には出演してます。ワタシ的には夢の共演!それがなぜこんな映画でと、ますますトホホ!

 ストーカーされてる韓国人女性の彼氏の借金を取り立てにくるチンピラ役で、向井理が登場。「ザ・ファブル」でのヤーさん役も割とイケてたムカイリー。今回も乱暴でヤサグレたコワいお兄さん役を好演してます。ムカイリーって善人役よりもイケズな役のほうが似合うと思う。気持ち悪いストーカーどもにビシっと手も口も出すムカイリーがカッコよかったです。薄い眉毛もチンピラファッションも、何やったってオシャレに見えるところもムカイリーらしい。超小顔で長身で、スラっとしたスタイルのよさにも毎度ホレボレ。壮亮くんとのツーショットは、ほんと私の妄想が成就したかのようだった。次は本格的にW主演で競演を!高村薫の「冷血」がもし映画化されるとしたら、二人にぴったりだと思うの!

 韓国人女性のクズ彼氏が、可愛いイケメン!アホなチャラい演技も良かったし、誰?と思って調べたら、高杉真宙という子でした。他の出演作の彼も見てみたいものです。ブラッド・ピット男役の満島真之介もイケメンなのですが、オーバーすぎる演技がかなりウザかったです。イケメン俳優たちには、大したことないのに俺ってスゲー演技してるだろ?と自己満足してるだけの学芸会ではなく、下手でもいいので大胆さとか衝撃がある演技や役に挑戦してほしいものです。

アカい恋人

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 「レッズ」
フリーライターのルイーズは、ジャーナリストのジョン・リードと恋に落ち、夫を捨ててジョンと同棲を始める。反戦を唱え社会主義運動にのめりこむジョンは、ロシア革命に立ち会うためルイーズを伴いソ連へと渡るが…
 老化による気力・体力・集中力の衰えゆえに、どんなに面白い映画、すぐれた映画でも、長い映画はとてつもなく苦痛。上映時間が2時間を超える映画は、映画館で観ることを躊躇するように。最近の映画は、やたらと不必要なまでに長いので、本当にキツいです。DVDレンタルや録画した長時間映画は、最初から最後まで一気に観ることはほとんどなく、連続ドラマのようにチビチビと1時間ずつ観てます。この1981年の3時間を超える大作も、3日かけて完観しました
 レッズ、といっても、もちろんサッカーチームのことでもメジャーリーグの球団のことでもなく、共産主義者のことです。ロシア革命を現地で見聞したアメリカのジャーナリスト、ジョン・リードの半生を描いた映画です。私の苦手な小難しくお堅い社会派映画なのかなと思いきや、どちらかと言えばジョンとその妻ルイーズとの恋愛ドラマっぽかったです。

 アメリカの政府を糾弾し続け、反戦を叫び、社会主義運動に激しく身を投じ、ソ連で客死した男…と聞けば、筋金入りのガチガチなアカい人をイメージしますが、ジョンにはそんな思いつめた重苦しさはなく、むしろ明るく朗らかに自由闊達で、インテリらしからぬ情熱的でタフな行動派、という典型的アメリカンいい男って感じでした。特にルイーズに対してのヘタレっぷりが可愛かったです。魅力的な人間に描かれてはいたけど、決して理想の夫、恋人ではない類の男でもありました。そばにいても離れていても、一瞬も安らげないもん。ああいう夢追い人を愛して支えるには、超人的な精神力が必要です。

 ジョンはチャーミングでしたが、ルイーズは私の苦手なガチガチのフェミニストでした。自己主張が強く自信過剰、過小評価されるとブチギレし、悪いのは自分ではなく自分を認めない周囲、な言動や考え方がなんだかな~。相手の話を素直に冷静に聞けず、感情的で支離滅裂なあー言えばこー言うをヒステリックにぶつけてくるルイーズは、ちょっと田島○子センセイとカブりました。八つ当たりされるジョンが可哀想だった。ジョンが不在の時に彼の親友と浮気したくせに、ジョンの女遊びは許さないとか、自分勝手すぎる。キレた時のギャーギャーしたわめき声と鬼の形相、私がジョンなら百年の恋も醒めます。

 激動の時代、アメリカとロシアを舞台に、ジョンとルイーズが別れとヨリ戻しを繰り返す、壮大なバカップル映画です。ロシア革命についてはほとんど無知な私なので、当時のソ連について勉強になりました。カオスな革命、恋人の関係性など、大好きな映画「存在の耐えられない軽さ」のプラハの春と、自由奔放で優しいトマシュ&情熱的なテレーザをちょっとだけ彷彿とさせました。レーニンを演じてた俳優が本物とそっくり!それにしても。ジョンもルイーズも、全然ロシア語が喋れない、喋ろうともほとんどしないところが、ほんとアメリカ人だな~と悪い意味で感嘆。英語が上手なロシア人がいっぱいたのが、不思議かつ都合よすぎ。実際にはどうだったんだろう。

 スケールが大きく美しいロマンあふれる映画に仕上げるために、いろいろ話を盛ってるんだろうな~。ジョンを探すため、ルイーズが密航してロシアに渡る危険で過酷な冒険とか、駅での再会シーンとか、事実だったら出来すぎなドラマティックさです。でも映画なので、そういう演出は大事だとも思う。悪質な捏造、ヤラセでなければ無問題!風景や建造物までCGにしてしまう最近の映画と違い、労力をかけたロケ撮影も、CGと違ってリアルで物語に説得力を与えていました。
 この映画、キャストがなかなか豪華&シブいです。当時ハリウッドきっての才人スター、そして希代のプレイボーイとして名をはせていたウォーレン・ビーティーと、ファッションや生き方など時代の最先端をいく女優として人気だったダイアン・キートンが主演。二人は当時、恋人同士だったとか。この映画の監督も兼ねたビーティー氏は、オスカーの監督賞を受賞。演出は硬派で手堅いけど、演技と見た目は柔和で明るい。すごく若々しく、同じ世代の俳優で同じ80年代の映画「愛と哀しみの果て」のロバート・レッドフォードとかに比べたら、加齢臭や老人的なカサカサ感は皆無。恋愛映画も違和感なし、いや、返って彼から色恋要素を抜くほうが間違ってます。見た目も手伝って、常に何となくコミカル。ルイーズの誕生日に料理をしているシーンとか、かなり笑えました。映画人として最盛期にあった頃の彼ですが、今は“ラララの誤発表爺さん”としてのほうが有名になってしまったという、トホホな老後生活が切ない。

 ダイアン・キートンは、美女ではないけど男にモテる、しかも頭のいい男、才能ある男がホレる魅力の持ち主なんだろうな~。同じ進歩的なインテリ女性といっても、ルイーズと違いキートン女史はギスギスヒステリックなフェミニストではなく、軽やかでしなやかな才媛。そんなイメージがルイーズへの反感や不快感を薄めてくれました。作家のユージン・オニール役でジャック・ニコルソン、編集者の役でジーン・ハックマンといった大物名優が脇役出演してます。二人とも好演してますが、彼らほどの名優にはもったいないような役でした。女性活動家エマ・ゴールドマン役の名女優モーリン・ステイプルトンが、この映画でオスカーの助演女優賞を受賞してます。名撮影監督ヴィットリオ・ストラーロによる独特な光具合の映像美も印象的です。
 それにしても。やっぱ私、アカい人たちには共感も理解もできないわ~。若い頃に右翼男にされた洗脳がまだ解けてないせいでもあるんだけど、過激すぎてドン引きしちゃうんですよね。ジョンたちも一歩間違えれば連合赤軍、みたいな危うさがあったし。右も左も、暴力は辞さない!なのは承服しがたいです。

痴情小説家

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 「火宅の人」
 作家の桂一雄は、妻子をよそに若い愛人との情事に溺れ、私生活を題材にした小説を書いて糊口をしのいでいた。いつしか女たちとの相克に疲れ、放浪の旅に出る桂だったが…
 やっぱり昭和に作った昭和の映画はいいですね~。とにかく内容も脚本も演出も演技も、すべてにおいて濃ゆいです。最近の邦画は薄すぎて味気ない。そんな物足りなさを抱いてる若い人たちにも観てほしい昭和映画のひとつです。実在の作家、檀一雄をモデルにした主人公、桂の生き方や女性関係なんて、令和のポリコレ的には完全にアウトです。でもポリコレ的な人の話なんか全然面白くありません。他人と深く関わることが苦手な私なんかからすると、眉をひそめるどころか憧れさえする桂の激しく自由な人生です。とにかく桂先生、元気すぎる。創作と情痴に東奔西走するバイタリティには驚嘆するばかりです。

 妻、愛人、行きずりの女。おっさんの三股なんてフツーなら醜悪で気持ち悪く、卑劣で許せないはずなのですが、桂先生ってばいつもドタバタ、アタフタと忙しく大真面目に一生懸命なので、薄汚いゲス不倫おやじには見えないんですよね~。ドロドロした情念の修羅場というよりも、どちらかといえばコミカルな喜劇っぽかったのが意外でした。笑えるシーンが多いです。「仁義なき戦い」もそうでしたが、深作欣二監督の作品ってテンションが高く激しすぎて、何だか滑稽でもあるんですよね~。かなりすっとぼけてる桂だけでなく、女たちもみんなちょっと変わってるというか、泥沼不倫でありがちな陰惨さや深刻さが希薄で、みんな元気でマイペース。桂に翻弄されつつも彼に人生を左右されない強さが、珍妙かつ魅力的でした。男はズルくて可愛い、女は愚かで強い。無気力な今の男女は少し見習ってもいい、元気な男ざかり女ざかり情痴話でした。

 恋多き作家役を、緒形拳が情熱的かつ愛嬌たっぷりに演じてます。こういう役、こういう演技ができる俳優、今いないよな~と、あらためて緒形拳の偉大さ、貴重さを思い知りました。無責任で自分勝手だけど、何か憎めない、つい許してしまう情けなさ、優しさがまさに女殺し。とぼけてるけど男の欲望でギラギラと脂ぎって、ぜんぜん乾いてないぬめりがエロい。この映画でも濡れ場たっぷり。キスというより口吸い、全裸の体の重ね方や絡め方とか、緒形拳が得意だった濡れ場には、今の邦画ではもう見ることができない生臭い官能であふれています。子どもたちには優しく面白い父で、女たちには常に優しく言葉遣いが丁寧なところが可愛かったです。

 緒形拳をめぐる3人の女たちを演じた女優たちも、すごくチャーミングな好演。今の女優たちにはない独特な個性と美しさ。妻役のいしだあゆみが、なかなか強烈です。尽くす妻、耐える妻なんだけど、桂に対してすごいつっけんどんで冷淡な言動が笑えた。感情を押し殺した無表情で、家事に介護に夫の仕事の手伝いにテキパキ動く姿や、ダメ亭主を結局は手のひらの上で転がしてる貞女の余裕など、昭和の良妻賢母って感じをよく出してました。新興宗教にハマって変なお祈りをする奇態もクレイジーで笑えました。いしだあゆみは当時、大ヒットドラマ「金曜日の妻たちへ」など女優として絶頂期。顔も体もガイコツみたいに細いけど、ドスのきいた低い声と喋り方なので、ぜんぜん弱々しく見えません。緒形拳とは「野獣刑事」でも共演してましたね。
 桂の愛人役の原田美枝子が、若々しく大胆!緒形拳との濡れ場では、豊満な美巨乳を惜しげもなくさらし、もまれ吸われまくってヨガる顔も声もエロい!けど、隠微さはなくとにかく明るく元気。桂と旅を共にする行きずりの女役は、深作監督の恋人だった松坂慶子。彼女も当時、美貌といいキャリアといい絶頂期。ほんと美人!「事件」や「鎌田行進曲」など、美しいけど人が善すぎる男運の悪い場末の女、といえば彼女の十八番。彼女も濡れ場では美裸体を披露してます。昔はトップ女優といえどバンバン脱いでました。今はもうそんな果敢な女優もいないし、それを必要とする映画も作られなくなりました…
 昭和に作った昭和の映画ならではの昭和感、昭和臭も、全編に沁みわたっているのも魅力。桂一家の家とか暮らしぶりには、ノスタルジーを覚えずにはいられません。あと、桂の日本脳炎で寝たきりになってしまった息子が入院する病院。今のポリコレ邦画では絶対ありえない障害児描写です。

パリのイケメン掏摸

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 「フレンチ・ラン」
 パリで逃亡生活を送っていたスリのマイケルは、盗んで捨てたカバンの中に仕掛けられていた時限爆弾が爆発し死傷者が出たため、テロリストとしてCIA捜査官のブライアーに身柄を確保される。無実を訴えるマイケルにブライアーは、事件の捜査協力を強制するが…
 「ボディガード 守るべきもの」でMY イケメンレーダーを激しくビビビとさせたリチャード・マッデン出演作、ということで観ました~。リチャマ、やっぱいい男ほどよく濃ゆい男くささがいいですね~。カッコいいんだけどカッコつけてなくて、男前で有能なのに全然イケイケじゃないところが「ボディガード」と同じ。すごく悲しそうな不幸顔。クールにスマートなヒーローよりも、よってたかって非道い目に遭って満身創痍な男の役が似合います。

 今回もリチャマ、テロ事件の犯人にされたり、怖い捜査官に追っかけられたりボコられたり、さんざんな目に遭いまくってます。でもすごいイケメン!あんなイケメン、どこにいても目立つのでお尋ね者生活は無理!カフェで煙草吸ってるだけなのに、周囲とは違う雰囲気を醸してるもん。容姿と才能をひけらかしていいとこどりしてる幸せな男よりも、美点が災いになってるような不器用で不幸な男のほうに、私は興味をかき立てられ魅力を感じます。

 不幸イケメンなリチャマ。大人の男っぽいけど、よく見ると若い。肌とかツヤツヤ。大学生の役もまだできそう。子どもっぽいけどよく見たら老けてる嵐とは真逆ですね。リチャマと嵐が同世代ってのが驚きです。可哀想でカッコカワいいリチャマですが、激しいアクションとか死闘などは主役のイドリス・エルバが担当しており、わりとおとなしいのがちょっと物足りません。でも、パワフルで俺様なイドリスに守られながら、おどおどしたり素直に従ったりするリチャマが可愛い!巨漢のイドリスと並ぶと、すごく小柄に見えるリチャマもキュートでした。何でも手際よく頂戴するマイケルのスリの技、まさに神業!褒められたものではないにも関わらず、すごい才能だと感嘆。

 ♂フェロモンむんむんなリチャマなので、性的なシーンが全然ないのはかなり残念。女がダメなら男と!なんて腐の期待も、熟年マッチョのイドリスともBLの気配は微塵もなしで裏切られます。見た目からして親分と子分な二人だったので、もうちょっと年が近い違うタイプのイケメン同士だったらな~。でもまあ、相手が魁夷なコワモテおじさんだから従ったけど、同世代のイケメンだったらマイケルは絶対言いなりにはならなかったでしょうから、必然性のある組み合わせではありました。

 ブライアー役は「ワイルド・スピード スーパーコンボ」の悪役も記憶に新しいイドリス・エルバ。彼もカッコいい!ほんと強そうで頼りになる漢(おとこ)。ぜったい大丈夫、負けるわけがないな無敵感、安心感がハンパなくて、ピンチシーンになっても全然ハラハラもドキドキもしませんでしたゴツい風貌、荒っぽい演技の中にも、ハリウッドのアクションスターにはないスマートで洗練されたものが感じられるイドルス、さすがブリティッシュ俳優。英国俳優のイドリスとリチャマをアメリカ人役で起用、というのが謎です。テロに利用される女の役は、「イヴ・サンローラン」などのフランス女優シャルロット・ルボン。いしだあゆみ+ウィノナ・ライダー、みたいな顔です。凱旋門やエッフェル塔など有名な観光地だけでなく、移民が多いゴミゴミした区域など、パリの風景も目に楽しかったです。

 すっかりmy heartthrobになったリチャマ。いい男!不幸そうな顔がたまらん!

 ↑ キット・ハリントンとゲーム・オブ・スローンズに続いて共演したアメコミ映画“Eternals”の日本公開が待ち遠しい!

そろそろ暮れの胸算用

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 早いもので、今日から師走!今年もあとわずかですね~。今年も特に大きなトラブルもなかった代わりに、特に大きな幸せもありませんでした。このまま平穏無事に2019年を終えたいです。
 今日は映画の日でしたね!日曜日が映画の日ってめったにないので、好機!とばかりにあの話題作を遅ればせながら観に行きました!今年はあと何本観られるでしょか。
 陽春も観逃せない映画いっぱいで楽しみですね!絶対観る!な映画をピックアップしてみました~。皆さまが楽しみにしてらっしゃる映画、ぜひ教えてください(^^♪

  パラサイト 半地下の家族

 ポン・ジュノ監督待望の新作は、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞。来たるオスカーでも韓国映画初のノミネーションが期待されています。

  母との約束、250通の手紙

 ピエール・ニネ待望の新作!フランスの高名な作家ロマン・ガリ役。ママン役はシャルロット・ゲンズブール。シャルロットももうそんな役をやる年になったんだね~。

  Red

 直木賞作家、島本理生の小説の映画化。妻夫木聡の濡れ場が見どころ。でも相手が夏帆ってのがちょっと…

  フォードVSフェラーリ

 マット・デーモンとクリスチャン・ベールが競演!このところスランプ気味のマット、この映画で巻き返しなるか?

  ナイブス・アウト 名探偵と刃の館の秘密 
 
 斬新なミステリー映画と好評。007とキャプテン・アメリカの共演というのも興味深いです。

  1917 命をかけた伝令

 サム・メンデス監督の戦争映画。ベネディクト・カンバーバッチ、コリン・ファース、マーク・ストロングなど出演者が豪華。でもMY お目当てはリチャード・マッデン

  スキャンダル

 マスコミを舞台にしたスキャンダラスな女の戦い!シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、大物女優3人の火花散る演技合戦が楽しみ。
 
  ジョン・F・ドノヴァンの死と生

 グザヴィエ・ドラン監督初の全編英語作品が、ようやく日本公開!キット・ハリントンが夭折した人気スター役。さすがドラ美、相変わらずイケメンの趣味がええわ!

地獄の道化師

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 「ジョーカー」
 荒廃したゴッサムシティの底辺社会で、母の介護をしながらコメディアンになることを夢見ていたアーサーに、理不尽な解雇や暴力、そして出生の秘密など次々と不幸が襲いかかる。積もり積もった悲憤と怨嗟はやがて、アーサーを狂気の殺人者ジョーカーへと変貌させるのだった…
 話題作をやっと観に行くことができました~(^^♪なかなか劇場に足を運べず、もういっかなと半ば諦めかけていたのですが、ここまで評判が良く大ヒットまでしているからには、やはりスルーはできませんでした。すぐに観に行かなかったのはタイミングのせいでもあるのですが、好きなスターが主演ではないからというのも大きい。好きなスター主演だったら、たぶん速攻で観に行ったでしょうし。ジョーカー役のホアキン・フェニックスは、いまやハリウッドきっての名優。それを否定するつもりは毛頭ありません。でも苦手な俳優なんですよね~。見た目が気持ち悪いというか。でもそんなホアキンのキモさが激烈に、かつ魅力的に活かされていた今回のジョーカー役でした。初めてホアキンアレルギー反応が出なかった作品かも。

 これでもか!と虐げられ侮られ軽んじられ、ゴミのように扱われるホアキン。その目も当てられぬ悲惨さときたら!こっちまで心が傷つき沈むみじめさ。でもただの可哀想な人、にならなところが名優ホアキンのホアキンたる所以。哀れなんだけど、その強い目つきや傲然とした表情、独善的な言動など、人に優しい気持ちや同情を抱かせない、人をイラっとさせて攻撃的な気分にさせる見た目と演技がお見事でした。発作的な笑いも、その顔といい声といい神経に障る気持ち悪さ。奇形に近いガリガリ裸体も、目を背けたくなるおぞましさ。病的な負のオーラを死臭のように発酵させてるホアキンの、まさに命がけな気迫は非凡な俳優にしか生み出せないもの。日本のCMメイン俳優との差をまざまざと感じさせます。

 ジョーカーに変貌してからのホアキンは、今まで見た出演作の中ではいちばんカッコよかったです。「ダークナイト」のヒース・レジャーのジョカーも圧巻の鬼気迫る激演でしたが、ハイテンションで漫画ちっくなヒース版はスゴいね~と笑って楽しめるけど、憎悪や怨念を内面にドロドロと溜めたホアキンジョーカーの欝々しさ重苦しさは、アーサーと同じ社会の底辺で生きる者にとっては笑えないリアリティが。怖いのは悪夢より厳しい現実…オスカーの呼び声高いホアキン、受賞に値する痛烈な熱演でした。

 ホアキンの演技ならぬ怨技も戦慄でしたが、私のような底辺人間には身につまされる内容にもゾっとしました。貧困、格差、暴力、失業、虐待、孤独、メンヘラ、暴動…世界各国で見られる深刻な社会問題、病巣てんこもり。カオスなゴッサムシティは、決して映画の中だけの世界ではありません。精神病を患ってるアーサーが、病気に理解も寛容さもない冷たく残酷な社会にキレで復讐する姿が、日本でも多発している精神障害者、発達障害者が生きづらさに追い詰められ社会を逆恨みして起こしてしまう事件とカブりました。観てる間、バットマン関連のアメコミ映画であることをすっかり忘れてしまってました。さすがにアーサーほどではないにせよ、私も社会の冷たさを身に沁みながら生きてるし、憤懣もやるかたない。私だって、一歩間違えればジョーカーと化すやもしれぬ。ジョーカー予備軍がそこかしこにいるカタストロフィな時代を、私たちは生きているのですね…

 

 

 

キム秘書①~⑤ バラ色の主従関係

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 「キム秘書はいったい、なぜ?」第1話から5話まで観ました~。韓流ドラマ鑑賞は久々(^^♪

☆韓国の財閥って
 大勢の取り巻き引き連れ、ふんぞりかえって歩く御曹司ヨンジュン。社員は殿様のお通りに会ったように直立不動で平身低頭。相変わらず時代錯誤な金持ち&庶民な描写。こんなのフツーだと思ってる韓国の国民って、ほんと可哀想。今どき秘書がネクタイを選んだり直したりなんてしないでしょ。ヒロインである敏腕秘書ミソをコキ使うヨンジュン、あれがもし醜い爺だったら、完全におぞましいパワハラ、モラハラですよ。でもそうはならないのが、韓流ドラママジック。時代錯誤なのと同時に、上質の少女漫画ちっくなスウィートさも相変わらずです。

 御曹司ヨンジュン役のパク・ソジュンは、映画「ミッドナイト・ランナー」で初めてお目にかかりましたが、カッコいいんだけど顔が私のタイプじゃないんですよね~。典型的な韓国顔イケメンというか。チョン・ジョンミョンとかコン・ユとかヒョンビンとかチュ・ジンモとか、私は日本人っぽい顔の韓国イケメンが好きなんですよね~。ソジュンくん、顔が細長くない東方神起のユンホ、シャープになった松田翔太、みたいな感じ?顔はタイプじゃないけど、スタイルめちゃくちゃいいですね~。小顔で長身で足が長い!スーツ姿は御曹司というよりモデルみたいです。ちんちくりんな某事務所タレントとは大違い。スラっとしてるけど、やはり彼も韓流男、脱いだらスゴい肉体美!

 あまり必然性のないシャワーシーンは、韓流ドラマのお約束。ソジュンくんもサービス脱ぎに余念がありません。
 有閑マダムなヨンジュンのオモニも、後ろにお付きの使用人たちを従えて庭を歩いてたり。こんな身分差シーン、今の日本ではありえません。ヨンジュンの親友、こんなのに社長やらせて大丈夫なの?な男。実際の韓国の財閥も、こんな感じですよね。難しくて大事な仕事は下にやらせて、財閥のバカ息子バカ娘は要職に就いても遊んでるだけ、ならまだしも、傍若無人に威張ってる実態は、日本ではワイドショーネタとして嗤われてるけど、本国では深刻な社会問題。

☆男も女もメイクが
 ミソ役は、「トキメキ☆成均館スキャンダル」や「栄光のジェーン」などのパク・ミニョン。大人っぽくなりましたね~。美人だけど、メイクが濃ゆいわ~。寝起きシーンでもバッチリだし。パク・ソジュンのメイクもかなりバッチリだけど。鈴木その子みたいな白い顔と、ほのかに色づくプルンとしたリップは、女優以上です。
☆韓流ファッションセンス 
 ヨンジュンは韓流ドラマにしては趣味のいいスーツや私服ですが、ミソは秘書の時はバブル時代っぽいボディコン、私生活ではいい年して乙女すぎるギャル服と、韓流ならではの悪趣味さです。

☆脇キャラ
 ミソの同僚たちがみんないい味出してます。特に、バブリーファッションのポン課長と、ミソの後任になった新キム秘書。二人のやりとりが笑えます。新キム秘書、ヨイショの天才。秘書にしとくにはもったいない才能。
☆ロマンティック演出
 ミソの気を惹くため、遊園地を貸切るヨンジュン。ライトアップや花火など、韓流ドラマでよくあるパターン。これって、フツーの女性ならうっとりするものなの?お金の使い方、間違ってると思うのだけど。
☆記憶喪失ってそんなに簡単になるもんなの?
 ミソ、実はヨンジュンとは幼い時に出会っていた?でもその記憶が失われていて…これも韓流でよくある使い古されたパターン。いまだにまかり通ってるんですね~。

☆ミソの姉二人
 ミソががむしゃらに働いていたのは、父親の借金返済と姉二人の学費を稼ぐため。いやだ~こんな家族!長姉はちょっと綾瀬はるか似?
☆イケメン?!
 謎のベストセラー作家モルペウスの正体は、ヨンジュンの兄ソンヨン。ブサイク!容姿端麗な設定に納得できん。イケメン扱いに疑問符な韓流男優って多いけど、彼もその一人です。
☆彼も顔ではなくカラダ 
 謎のエリート社員コさん役は、アイドルグループ2PMのチャンソン。いしだ壱成みたいな顔?彼もスタイルと体格は抜群で、特にスーツ姿でのお尻がむっちり大きくて、何かエロい!
★総括
 韓流ドラマだな~と苦笑する内容、演出、演技ですが、それも韓流ドラマの醍醐味なんですよね。日本のドラマが同じことやると許せないけど、韓流ドラマならまあいっか、になります
 パク・ソジュンくん、顔はタイプじゃないけどカッコいいです。実は童貞?!な感じも可愛く出していて、演技も悪くないです。
 かなり美化されてる財閥家族ですが、やはり何となく特権意識やモラルのなさは感じられます。ヨーロッパの貴族社会、生活に感じるような憧れは微塵もわいてきません。金にあかせた俗悪さと下品さも、韓流ドラマのお楽しみになってます。愛憎関係の兄ソンヨンを、もっとイケメンにしてほしかった。

↑ 惚れ惚れするよな肉体美!これを活かして、ぜひ大胆な濡れ場に挑戦してほしいものです。話題の「パラサイト 半地下の家族」にカメオ出演してるとか。ソジュンくん、新作の「使者」も面白そう。銀幕でも会いたい

ある日森の中イケメンに出逢った

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 イギリスBBCのドラマ「チャタレイ夫人の恋人」を観ました~。
 20世紀初頭のイギリス。大富豪の貴族クリフォードと結婚したコニーだったが、クリフォードは戦場で負傷し下半身不随となってしまう。性的に満たされぬ日々を余儀なくされたコニーは、新しい森番のメラーズに強く惹かれるようになるが…
 D・H・ロレンスの原作小説は、何度も映像化された不朽の問題作。私のお目当ては言うまでもなく。メラーズ役のリチャード・マッデンリチャマ、やっぱ男前~そんなに前の作品ではないけど、何となく若い、ていうか、少年っぽさが残ってる感じのリチャマでした。ワイルドな風貌、ぶっきら棒で寡黙なリチャマ、すごく男らしいのですが、同時にすごく傷つきやすそうなナイーブさもあって、母性本能をくすぐります。リチャマといえば、不幸顔、不幸オーラ。階級社会の中で受ける理不尽で不公平、屈辱的な扱いに、怒りと悲しみをくすぶらせながら諦めきってる風情や、コニーへのあふれる恋慕や欲情でウルウル潤んでる瞳には、もうキュン死寸前になってしまいました。不幸や悲運が似合いすぎるリチャマ、もう明るくて幸せな彼は想像もできません。

 セクシーフェロモンもリチャマの魅力ですが、彼ってエロくはないんですよね~。イギリスのイケメン俳優のほとんどがそうですが、脱いでも色白で柔和な裸はあまり眼福ではない。まあ、いかにも鍛えました!な不自然なまでにバキバキ筋肉よりマシ。体毛が濃ゆいリチャマですが、胸毛が苦手な私もリチャマだったらチクチク痛くても無問題!

 日本では卑猥小説と見なされ発禁となった経緯とか、シルビア・クリステル主演作とかの影響で、禁断のエロ小説というイメージを持っていましたが、この作品はBBCのTVドラマということもあって、甘く美しい文芸ドラマに仕上がってました。濡れ場とは言い難い、とてもソフトなラブシーン。貴族の奥様が身分卑しい下男との情事に溺れる、という背徳感は希薄。身分差を超えて愛し合う男女のロマンスドラマになってました。ロレンスの小説は不倫の性愛と同時に、イギリスの階級社会のシビアな実態を描くことを意図してたと思いますが、このドラマではどちらもかなり薄口。コニーにはあまり葛藤とか苦悩、罪悪感がなく、すごくサバサバと明るく軽やか。ほとんどためらうことなく偽善に満ちた貴族生活を捨てるなど、現代女性に通じる自由さと強さ。
 
 メラーズも階級差への怨嗟や劣等感で、もっと屈折してたり刺々しいはずの男なのですが、かなり素直で純真になってたのが可愛かったけれど、ちょっと物足りなくもあった。身分差という枷があまり活かされてなかったような気がします。後継ぎが欲しいのでコニーに男をすすめたりするクリフォードの不道徳さ、退廃が貴族らしかったです。内心ではメラーズや使用人など虫けら同然に思ってるのに、表面的には常に優しく紳士的で慇懃なクリフォードの態度も、いかにも英国貴族。同じ格差社会でも、乱暴で下卑た韓国とはやはり違います。百年の恋も醒めるようなことをコニーに言ったりしたりするクリフォードですが、みじめすぎる寝取られ亭主っぷりには同情を禁じ得ませんでした。

 コニー役のホリデイ・グレンジャーは、ふっくらと健康的なピチピチギャルみたいで、可愛いけど貴婦人って感じは全然なし。クリフォード役のジェームズ・ノートンは、イケメンではないけど優しそうで親しみやすい顔。電気ショック療法シーンの感電演技が悲惨だけど笑えた。複雑な役を好演、熱演していました。クリフォードがコニーにあてがおうとする貴族の青年役で、「キングスマン」シリーズや「ロンドン・スパイ」などのエドワード・ホルクロフトがチョコっと出てました。メインキャラがみんな若い役者たちだったので、不倫とか背徳とかといったドロドロしい話にそぐわぬ爽やかで清々しい作風になってました。
 コニーとメラーズが情事を重ねる森が美しい!さわさわと森の木々の声のような風、静かで優しい雨etc.私もあんなところで暮らしたり情交してみたいものです。壮麗かつ気品あふれるチャタレイ夫妻の邸宅も素晴らしかった。夫妻のファッションも、韓国の成金とは真逆な優雅さ、趣味の良さです。

 ↑ ゲーム・オブ・スローンズ、観たいけど…ずっと悩んでます

王子さまと俺

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 「代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン」
 16世紀末、壬辰倭乱(豊臣秀吉による文禄の役、慶長の役)により混乱に陥った朝鮮。王は世子(皇太子)の光海君に国政を押し付け、明に逃亡してしまう。兵士の代わりに軍役を担う農民のグループ“代立軍”が光海君の護衛に就くことになるが、彼らは脆弱な光海君や非情な高官たちに反感を募らせる。過酷な旅を共にするうちに、代立軍のリーダーであるトウは孤独な光海君と信頼し合うようになるが…
 イ・ジョンジェ主演ということで観ました~トウ役のジョンジェ、相変わらずカッコいいですね~ソフト&スウィートなジョンジェも素敵ですが、ハード&ワイルドなジョンジェもチョベリグ(死語)彼も40代半ばになりましたが、老化劣化がほとんどなくて若々しいのが驚異的。若く見えるけど、年が近いキムタクみたいにイタい若作りや精神年齢の低い役・演技で強引に若く見せてるのではなく、大人の男の落ち着きと成熟を備えているところがジョンジェの魅力です。この作品では身分の低い野武士役なのですが、卑しさや下品さなど微塵もなく、ストイックで誇り高い清廉なオーラが。クールで勇猛な中にある情の厚さ、悲しみにも胸を打たれました。男は強くなければ生きていけない、優しくなければ生きる価値はない、を地でいくような役。日本のアイドルタレント、CMレベル俳優にはないジョンジェの漢(おとこ)っぷりに惚れ惚れ。

 髭モジャで泥まみれな男くさい風貌になっても、どことなく爽やかで優雅ささえ感じられるところもジョンジェならでは。そして、ジョンジェといえばの肉体美。川で血を洗い流すシーンでちょっとだけ脱いでますが、40半ばとは思えぬ筋肉。日本のアイドルや男優もよく鍛えてます自慢してますが、ジョンジェの筋肉ってそれとは全然違うんですよね~。ジョンジェのカッコいいけどカッコつけてないところが好き。不幸が似合うところも好き。ジョンジェみたいな、逆境や悲運の中でこそいい男っぷりが際立つ俳優が好きです。

 過酷な旅を共にしているうちに、身分を超えた男同士の親愛を培うトウと世子さま。守り守られる二人、描きようによってはBLに成りえるやりとりと絡み方でしたが、世子さまがBL向けのルックスではなく、私好みのイケメンではなかったので、萌え妄想できなかったのが残念。光海君役のヨ・ジング、東南アジア系顔なので、時代劇の王族や貴族役が似合わない。でも、苦悩と疲労で青ざめ窶れて虚ろな表情など、なかなか鬼気迫るものがありました。演技は秀逸。ヘタレ、役立たず、お荷物な王子さまが、艱難辛苦と悲劇を経て成長する物語でもありました。

 トウの弟分のテソク役は、しばらく気づかなかったけど、キム・ムヨルだった!「イルジメ」のアホ坊ちゃん役とは違う、野性的で無骨な弓の名手役でカッコよかった!髭生やすと男前!彼も長身で体格がいいので、ほんと強そう。戦うシーンが絵になります。
 食い扶持を稼ぐために、賤民が身分の高い武士の身代わりになって兵士になる、なんてシステムがあったのですね。どこの国にも理不尽で不公平な身分制度がありましたが、韓国のそれはイギリスとかとはまた違った露骨さ非道さ。とにかく人間扱いしてないんですよね~。口汚い罵倒や、いきなり背中や胸を足蹴にするとか、日本ではあまり見ない侮蔑的な精神的肉体的暴力。この映画でも、悲惨な出来事に身も世もなく泣き叫び狂乱する人々がよく出てきましたが、あれって実際の現代のニュースでもよく見る光景。朝鮮半島独特の異様さです。

 「暗殺」の日本軍人も酷かったけど、倭軍の日本人武将が喋る超絶ヘタクソな日本語が笑えた。明らかに韓国人俳優じゃん日本公開に配慮も忖度もなし。いっそのこと、中世のフランス貴族もナチスドイツも英語を喋ってるハリウッド映画方式にすればよかったのに。
 血しぶき、血まみれ、容赦なき阿鼻叫喚の残虐、残酷な荒っぽい殺戮シーンもまた、韓流映画ならでは。日本の時代劇といえば、おんな子ども向けの漫画時代劇、本格もどきのポリコレ時代劇、お花畑大河ドラマ。過激で生々しい演技、演出ができる俳優や監督がいないのが残念です。

 ↑ ジョンジェ久々のTVドラマ「補佐官」も観たいな~
 
 
 

ガラスのBL仮面

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 「メソッド」
 舞台俳優のジェハは、新作の相手役であるアイドルのヨンウのやる気のなさに苛立つ。役にのめりこむジェハの影響を受け、しだいにヨンウも真剣に取り組むように。破滅的な男同士の愛に溺れる役を演じる二人は稽古以外でも親密な関係となり、やがて激しく求め合うようになるが…
 役者さんって、ほんと大変な仕事なんですね!役にのめり込み過ぎると、身も心も私生活も性生活も影響を受けて、しっちゃかめっちゃかになってしまうんですね~。まあ、CMレベルのタレント男優女優だとそんなことにはならないのでしょうけど。天才型の役者って、どこか破綻していて不幸な人が多いけど、さもありなんって感じです。でも、恐ろしいまでの才能ゆえの不幸って、凡人からすると輝かしく羨ましいです。

 この映画の主人公であるジェハは、本当にヨンウのことを愛してしまったのか、それとも入魂演技ゆえの錯覚だったのか。もちろん腐としては前者のほうが萌える設定ですが、ジェハの様子やラストからして、どうやら後者のほう。恋人同士を演じているうちに本当に愛し合う仲になることってよくあるみたいですが、さすがにノンケの妻帯者が同性愛の役だからといって男に恋したり、セックスしたりはしないと思うので、ジェハの役になりきってしまうメソッド演技ってスゴすぎます。夫が若い男と密会したり逃避行したり、ジェハの奥さん可哀想!自分自身だけでなく、演技のためなら愛する人をも傷つけることさえ厭わない、役者の業の深さにも畏怖。

 ヨンウのほうは逆に、本気になってしまってたのが哀れで痛ましかったです。ストーカー化したり、舞台の本番中に自殺未遂とか、狂気の命がけLOVEがヤバすぎです。思い込みにしても本気にしても、現実と虚構の区別がつかなくなる危険な心理が演技を研ぎ澄ませ、舞台を大成功に導くという結末は、悲劇であると同時にハッピーエンドでもあったのではないでしょうか。
 ジェハ役は、韓流映画やドラマの売れっ子バイプレイヤーであるパク・ソンウン。主演作を観たのはこれが初めてかも。決して美男ではない、どちらかといえばブサイクなのですが、すごくいい男に見える不思議な俳優。大柄でたくましい体躯も、男らしくてカッコいいです。ヨンウ役のオ・スンフンが、ちょっと個人的には残念だったかも。ぜんぜんアイドルに見えんし、美青年じゃないし。たまにKABA.ちゃんに似て見える時も。メイクばっちりな肌も何か汚かったし、ヨンウはもっと可愛いイケメンか、魔性っぽい美男に演じてほしかったかも。若い頃のレスリー・チャンならドンピシャ。ヨンウが何かキモいので、ラブシーンや破滅的な展開にもドキドキしませんでした。ラブシーンもキスどまりで物足りません。それはそうと。この作品、日本でリメイクされるとしたら、ジェハは堤真一、ヨンウは山崎賢人がいいかも(^^♪

サイコ未亡人の闇友活

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 メリークリスマス!
 楽しく華やかな聖夜って感じは、私の周囲ではまったくしませんいつも通り、バタバタと素っ気なく味気なく一日が終わろうとしています。皆さまはハッピークリスマスだったことでしょうか。サンタクロースよりもインフルエンザが来そうな寒い夜、元気にお正月を迎えるために何卒ご自愛ください(^^♪もうすぐ今年も終わり…

 「グレタ GRETA」
 ニューヨークの高級レストランで働くフランシスは、仕事帰りの地下鉄でバッグを拾い、落とし主である未亡人グレタに届ける。グレタの孤独な境遇に同情し、彼女と親交を深めるフランシスだったが、やがてグレタの恐るべき秘密と狂気を知ることに…
 やっと観ることができました~(^^♪イザベル・ユペール、期待通りのイカレっぷりでした!彼女はやっぱ、こーでなきゃね!還暦を過ぎた大物女優が、まったく守りに入らず過激に軽やかに攻め続けている。もう畏怖と敬服あるのみです。好感と共感ばかり欲しがってるような役や演技しかできない女優なんか、ほんとつまんない。媚や無難とは無縁、常に人々を唖然とさせ戦慄させ、そして魅了し笑わせてくれるなんて、世界広しといえどイザベル・ユペールだけです。

 「Violette Nozière」や「沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇」「ピアニスト」そして「エル ELLE」etc.冷酷で性悪、不可解で不道徳で変態な女たち。フツーなら映画のヒロインになどなりえない狂女や凶女を、強烈で魅惑的なヒロインにしてしまう唯一無二の女優イサベル・ユペール。今回のグレタ役も、彼女でなければありがちなB級映画の異常者になっていたことでしょう。イザベル・ユペールの素晴らしすぎる独特さは、激ヤバな役をすご~く軽やかに楽しそうに演じてるところ。決して深刻に重苦しく大熱演なんかしないんです。おぞましい奇行や凶行も、常にシレっとスットボケてる。これってもうイザベル・ユペールの専売特許になってます。

 これまでのトンデモヒロイン同様、グレタもやることなすことイっちゃっててヤバすぎるのですが、これまで同様明らかに笑いを狙ってやってる確信犯的なイビツさ過激さに、ユペりんファンならニヤリ。笑えるシーンや演技はたくさんあるのですが、レストランの前に一日中地蔵のように立ってる姿や、フランシスに向かってチューイングガムを吐き飛ばしたり、エリカを尾行して画像をフランシスに送りつける時にエリカに見つからないよう素早くピョコっと隠れる敏捷さ、そしてレストランに客として押しかけテーブルをひっくり返すという星一徹も真っ青なプッツン行為、などインパクト強烈。踊りながら探偵の首に注射をブスっと射したり、フランシスへの鬼のようなピアノレッスン強制もイカレてて笑えたわ~。隠し部屋や恐怖のお仕置きボックスなど、グレタの家も狂ってて笑えた。

 軽やかで毒々しいユーモア、そしてヨーロッパの香り高いエレガンスも、ハリウッドのどんな美しく演技の巧い大物女優にもないユペりんの魅力です。彼女もすっかりおばあさんになりましたが、軽妙で毅然としてるので老いさらばえた感は微塵もありません。グレタのフェミニンで上品なファッションも素敵でした。フランシスとエリカもファッション、そしてシェアしてる部屋もオシャレだった。

 フランシス役のクロエ・グレース・モレッツは、すごいぽっちゃり顔とがっちりガタイ。ガリガリに痩せた女優よりも好き。石原さとみを素朴に強靭にした感じに見えた。すごく強そうなので、小柄で華奢な老女グレタなんか簡単に撃退できそうだったけど、見た目と違って心は弱いので騙されたり利用されたりして痛い目に遭うフランシスみたいな子もいますよね~。落とし物を届けに落とし主の家に直接出向くなんて、フツーなら絶対しませんし。純粋すぎ、お人よしすぎるのもいかがなものかです。フランシスの親友エリカが、すごくチャーミングなキャラでした。一見チャラいパリピ娘だけど、言動が男前でカッコいい。友情に厚く、ラストはヒロインを救い出すヒーローのような大活躍!演じてるマイカ・モンローの好演も特筆ものです。グレタ、フランシス、エリカの絡みや関係性に、うっすらとレズっぽいものを感じたのは私だけでしょうか。みんな男っけ全然なかったもんね。

 かなり穴だらけな脚本といい、決して秀作でも佳作でもないけど、私はこういう笑えるイカレ映画、そして女優が好演してる映画、大好きです。ニール・ジョーダン監督の作品なのですが、ジョーダン監督といえば傑作「クライング・ゲーム」以外は駄作凡作が多い一発屋?ジョーダン監督作の常連、スティーヴン・レイが探偵役でチョコっと出演してます。ニューヨークの風景がとても美しく撮れていて、どことなくジョーダン監督といえばのアイルランドの匂いがしました。

 ↑こういうのが似合う女優って、彼女以外思いつかんわ~

2019年my cinema lifeを総括する

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 昨夜は職場の忘年会+退社する人の送別会でした。珍しくかなり飲んでしまい、今もちょっと頭が痛い
 2019年もいよいよ終わりますね~。よいこと悪いこと、今年もいろんなことがありました。わし個人にとっては、よしにつけ悪しにつけ何もなかった…という例年通りの一年でしたこうしてのんきにのんびりとブログを更新してる、ひとまず平穏無事な年の瀬。少なくとも不幸ではない証拠!と自分に言い聞かせてます。
 今年もいろんな映画が公開されました。観たい映画いっぱい!しかし、その半分も観られなかった、というのも例年と同じ。今年、どんな映画を劇場まで観に行ったんじゃろ?振り返ってみると…

 1月 -
 2月 メリー・ポピンズ リターンズ
    女王陛下のお気に入り
 3月 運び屋
 4月 ビール・ストリートの恋人たち
    ともしび
    アベンジャーズ エンドゲーム
 5月 ROMA ローマ
    ブラック・クランズマン
 6月 天国でまた会おう
    アラジン
 7月 ザ・ファブル
    パピヨン
    COLD WAR 二つの心、ひとつの歌
 8月 ワイルド・スピード スーパーコンボ
    劇場版おっさんずラブ LOVE OR DEAD
 9月 ロケットマン
    ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
10月 よこがお
11月 -
12月 ジョーカー
    グレタ GRETA

 20本!うう~ん。映画ファンとは名乗れぬ少なさですね~加齢とともに外に出るのが億劫になっていってるため、おのずと映画館からも足が遠のいてしまってるみたい。映画のおかげでかろうじて引きこもりにならずにすんでもいるのだけど。
 大して観てないくせに、おこがましくもマイベスト映画、男優女優を発表ぢゃ~

my best 5 movies in 2019

1位 ローマ ROMA

 演出と演技と映像の奇跡的な三位一体!映画ってすごい!素晴らしい!と心の底から思わせる秀作です。

2位 女王陛下のお気に入り

 きれいかわいいだけの薄っぺらいCMレベル女優ではない、ほんまもんの女優たちによる胸やけしそうなほどの濃ゆいガチンコ演技バトル!こういう映画が好き!

3位 ブラック・クランズマン

 ゴキゲンで痛烈な社会派コメディ。黒人って可哀想、ではなく、黒人ってカッコいい!と思った映画。音楽も秀逸!もう一回観たいかも!

4位 ジョーカー

 底辺人間にとっては本当に身につまされる内容。しょせん映画、と笑い飛ばせない怖さがいつまでも拭えなくて…

5位 ロケットマン

 華やかで愉快なBLミュージカル!ボヘミアンより全然こっちのほうが好き!今年最高のイケメン映画でもありました。

 my best 3 actors in 2019

1位 タロン・エガートン 「ロケットマン」

 ラミちゃんのフレディより、タロちゃんのエルトンのほうが激烈で強烈でした!歌って踊って脱いで男とヤって、才能も役者魂もハンパない彼にもオスカーあげて!

2位 リチャード・マッデン 「ロケットマン」

 今年最高の色男。この作品ですっかり惚れてもうた。今はちょっとしたリチャマ中毒。もっともっと彼の作品が観たい!

3位 アダム・ドライバー 「ブラック・クランズマン」

 地味なのにすごい存在感!この作品で初オスカー候補にもなり、躍進はさらに加速!SWシリーズも大ヒット、最新作ではオスカー受賞の呼び声が高いなど、いま最もイケイケな役者です。
 
 その他で印象に残ったのは、「パピヨン」のチャーリー・ハナムとラミ・マレック、「ブラック・クランズマン」のジョン・デヴィッド・ワシントン、「ビール・ストリートの恋人たち」のステファン・ジェームズ、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット、「ジョーカー」のホアキン・フェニックス、がパっと思い浮かびます。


 my best 3 actresses in 2019

1位 オリヴィア・コールマン 「女王陛下のお気に入り」

 いろんな女王さまを映画の中で見てきましたが、これほどヤバくて面白い女王さまは前代未聞。この映画を観た後、しばらくはどんな女優もフツーに見えた。実際のオリヴィアさんもユニークな女性のようで、オスカー受賞した時のリアクションやスピーチもユーモアいっぱい。女優は若さや美しさではなく、個性と演技力!だとあらためて思い知らされました。

2位 筒井真理子 「よこがお}

 どんどん無難化、つまんなくなっていってる日本の女優の中にあって、彼女は数少ない例外。女の業、美醜を生々しくも優しく柔らかく演じた彼女に魅了されました。

3位 レイチェル・ワイズ 「女王陛下のお気に入り」

 女って怖い、カッコいい!異性にも同性にも媚びないレイチェル姐さんの強さと怜悧さが、この映画では見事に活かれてていました。
 
 あとは、「メリー・ポピンズ リターンズ」のエミリー・ブラント、「女王陛下のお気に入り」のエマ・ストーン、「ビール・ストリートの恋人たち」のキキ・レイン、「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーゴット・ロビー、「グレタ GRETA」のイザベル・ユペール、クロエ・グレース・モレッツとマイカ・モンローも、印象に残る好演でした。

 「グリーンブック」や「フッド:ビギニング」「惡の華」「アマンダと僕」「サマーフィーリング」など、観逃してしまった作品もぎょうさんあります。
 来年も平和に楽しく健康で文化的な生活を送れますやうに!皆様にもよきことがあまた起きますやうに!今年もお世話になりました!ありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします!よいお年を!☺またすぐお会いしましょう🎶
 

AKEOME2020☆彡

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 あけましておめでとうございます!
 素敵なお正月をお過ごしのことと存じます!わしは例年通り、のんびりまったり引きこもり正月を満喫(^^♪どこにも行かず誰にも会わず気も金も使わず好きなことしかしない、ああ~至福
 大晦日はもちろんぼっち紅白。司会者の3人が、どうも個人的に好感度が低くて。こういうところも世間とズレてる私です。内村の全然笑えないコントぶっこみもウンザリですが、アイドルグループのパフォーマンスに紛れ込むのがウザすぎる。あれって誰得なの?アイドルグループのファンは、あれOKなの?アイドルグループご本人たちもやりにくくてイヤなのでは。今年は欅坂ではなく乃木坂にもぐりこんで嬉しそうに踊ってましたけど、自己満足だよな~。欅坂はまた不協和音で最後に平手友梨奈が倒れてメンバーに担がれて退場したり、お約束の倒れ芸。お大事に!

 まともに見た歌手は、欅坂、Official髭男dism、RADWINPS、竹内まりや、氷川きよし、聖子、MISIAぐらいかな~。ベストパフォーマンスは圧巻の歌声だったMISIAか、勇気ある衝撃の変貌を遂げた氷川きよしのどっちかでしょう。歌は歌わなかったけど、米津玄師の登場もレアな見どころのひとつだったのではないでしょうか。嵐の長々と引っ張る休止興業もやっと終わると思ったら安堵。
 正月とはいえ、食っちゃ寝ばかりはさすがに心身によくないので、三が日は毎日ぼっち初詣。こんだけお参りすりゃ願いはかなうだろう!さい銭合計300円じゃあ無理かな
 広島のお正月といえば、カープ特番。ご存じの通り、去年はまさかのBクラス4位というトホホな結果だったので、3連覇の年のような浮かれた気持ちでキャッキャとはしゃぐカープ選手たちのバラエティ番組を観ることはできません。唯一、TSSの大瀬良大地くんの結婚披露宴特番だけ観ました。

 大瀬良くん、あらためてご結婚おめでとうございます!可愛かった大瀬良くんも、すっかり大人の男性になって、きれいな嫁さんもらって、おっさんな私は感無量でございますわ。大瀬良くんの嫁だなんて世界一羨ましい身分となった浅田真由さんは、広島出身の広島ローカルタレント。恥ずかしながら大瀬良くんと結婚するまであまり存じ上げなかったのですが、美人ですね!そりゃ大瀬良くんも惚れるわ。さすがにすごいテレビ慣れしてるところが頼もしいですね。こんなこと言ったら世の女性の反発を買うだろうけど、しっかり内助の功をお願いします!

 披露宴の大瀬良くん、長身でがっちりした体躯に新郎衣装が似合っててカッコいい~真由さんもほんま美人じゃ~。カープ同僚たちによるサプライズ演出&余興が楽しい。チーム最年長の重鎮、石原おじさんがわざわざ大瀬良夫妻がデートした場所を訪れて、夫妻と同じポーズで写真を撮る企画。大瀬良夫妻、結構あちこち気軽に出没してるんですね!湯来町の久保アグリファーム、行ってみたい!江田島のオリーブファクトリーは、私も行ったことあり。後輩の山口翔、高橋樹也、高橋昂也の3人が、3代目J Soulbrothersのリュウセイ踊ったりTT兄弟コントしたり、かなりクオリティの高い余興を披露。イマムーとアドゥワの、大瀬良くんを飲み屋に呼び出して本音を吐かせるどっきりVTRも笑えた。イマムーも交際してる広島出身の女子ゴルファーと年内入籍かな。カピバラ3兄弟、ついに全員既婚者か~。

 大瀬良夫妻の幸せそうな様子よりも、出席者の顔ぶれが気になって。主だったカープ選手はだいたい来てましたね~。セイヤ、25歳とは思えぬ貫禄。黒田さん&新井さんのツーショットに歓喜!緒方元監督の姿がなかったような…野球選手って、スーツ姿もカッコいいですよね~。大瀬良家の人々は、もちろん一般の方々なのでほとんど映ってませんでしたが、大瀬良くんといえば弟の元気くん。ドラフト特番史上最高の感動的神ドキュメントと言われてる大瀬良兄弟愛には、冷血人間の私も涙しました。あれで私、大瀬良くんに惚れたんですよね~。元気くんの姿も確認できなかったけど、お元気でしょうか。
 私も大瀬良夫妻の幸せ、あやかりたいです!でも明日から仕事!ああ、考えただけでどっと疲れが…どうか今年も、波風の立たない平穏無事な一年でありますやうに!皆さまとまた楽しいcinema lifeを共有できますやうに!

理想の離婚

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 「マリッジ・ストーリー」
 ニューヨークで活動する舞台演出家の夫チャーリーと別れ、息子を連れてロスの実家に戻り女優として再起を目指すニコールだったが、息子の親権をめぐってチャーリーと争うことになり…
 評判通りの秀作でした!結婚はパっとサっとできちゃうけど、離婚となるとそうはいかないんですね~。離婚するために必要かつ消耗する時間や気力を想像しただけで、やっぱ独りがいい!なんて寂しく気楽な我が身をかえりみてしまいます

 夫婦が傷ついて悩むだけでなく、子どもの親権という難題が重すぎます。この映画を観ていて思ったけど、子どもにとってはほんといい迷惑。チャーリーもニコールも息子のことを本当に愛していてるのはわかるのだけど、自分たちの都合やエゴで息子を振り回してもいて、勝手だな~と憤りを覚えました。どんな事情があるにせよ、子どもを傷つけることは許されません。でも、息子があまりナイーブではなく、両親の間を行ったり来たりしながら、しょーがないな~みたいな感じで根気よく付き合ってあげてる風が微笑ましく救いになりました。涙を誘うけなげ系じゃなかったのが返って好感。息子があまりにも恬淡としているので、ちょっと発達障害なのかな?とも。LD(学習障害)っぽかったし。

 離婚、親権争いだけでなく、家庭や社会における女性の立場や自立についても考えさせられました。チャーリーの言動や思考回路には、ニコールじゃなくても妻って?母親って?と疑問に思っちゃいますわ。基本的にはチャーリーって仕事熱心で妻にも優しくて子煩悩で、悪いところなんか全然ない、文句言ったらバチが当たる、すご~くいい夫、いいパパなんですよ。でもでも、ん?は?なことをふと言ったりしたりして、ナンダカンダでやっぱり彼も世の亭主と同じだなと暗澹とさせるのです。結局は女が我慢し譲歩して諦める。妻だから母だから。女は結婚したらこうあるべきという社会通念を当たり前のように守ろうとしていて、根底では女を見下してる。私が最も不快だったのは、ニコールの稼いだ金を自分の仕事に使って何が悪い?みたいな考え方。そういうのが女性を傷つけるなんて気づきもせず、とことん無邪気に鈍感。これがいちばんタチが悪いんですよね~。

 ニコールのように自立心や自尊心が高い女性にとっては、確かに一緒に暮らすには辛い相手かもしれませんが、愛する男性に尽くしたい、黙ってついていきたいタイプの女性にとっては、チャーリーは理想の夫かもしれません。とにかく男と女の間には、どんなに愛し合っていても埋められない溝があるんですね~。でも、何でも理解し合える、わかち合える話の映画なんて、ウソくさいし面白くありません。ギスギスドロドロしがちな下世話な話を、クスっと笑えるユーモアや、ほのぼのしたぬくもりで包んでいるところが、この映画の特徴と魅力です。あからさまに男が悪い!な糾弾や偏重はなく、さりげなく女性寄りなところも、キツいフェミニズム映画が苦手な人向けなのでは。
 納得できずに気疲れはしつつも、互いを尊重し合っていがみ合ったり顔も見たくない!と憎しみ合うこともなく、友好的な関係を構築するニコールとチャーリーですが、あれって二人に才能とお金があったおかげだよな~とも。凡庸で貧乏な底辺男女だったら、目も当てられぬ醜悪で悲惨な修羅場になってますよ。しょせんセレブの世界の話、庶民感覚とのズレも感じました。爽やかで優しいラストは後味よく、離婚しなくても別居婚でよかったんじゃない?と思いました。
 主演のアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが、今までの出演作中ベストかもしれない好演!

 アダムさん、ヌオ~っとした巨体と、イケメンなのかブサイクなのか判然とせぬ顔が、ほんと独特すぎる。いろんなことに戸惑ってる様子が可愛い。演技してるとは思えぬ自然な感じは、いかにも熱演してます!な演技よりも難度が高いはず。奇抜な役でも演技でもなく、特殊なメイクもせず、観客の心に刺さる演技に感嘆。印象に残るシーンいっぱいありましたが、特に好きなのは悲しい歌をカラオケするシーン。淡々としつつ痛みが伝わってくる名演でした。スカーレット・ヨハンソンも、いい女優になりましたね~。可憐に生意気な少女から、酸いも甘いも知った立派なおばさんに成長。二人ともすごい長い台詞を自然かつエモーショナルにこなし、役者の真髄を見せつけてくれました。二人にオスカーあげたい!
 対照的なニューヨークとロサンゼルスの風景や生活の描写も興味深かったです。どっちも魅力的。どちらかに住めるなら、私はニューヨークのほうがいいかも。開放的な明るさより、活気と憂いが混じりあった大都会に心惹かれます。チャーリー率いるNYの劇団の舞台裏と、ニコールが復帰するLAのTVドラマ撮影裏も、対照的に描かれていて面白かったです。

↑ 近日発表のゴールデングローブ賞、アダムの主演男優賞受賞をI wish!スターウォーズも大ヒット中、オスカー候補も確実視されてるなど、いま最もイケイケな役者!
 
 
 

少年よ王座に就け

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 ゴールデングローブ賞の結果は、ちょっと意外な結果に。

 作品賞 1917 命をかけた伝令(ドラマ)
     ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(ミュージカル/コメディ)
 監督賞 サム・メンデス
 主演男優賞 ホアキン・フェニックス(ドラマ)
       タロン・エガートン(ミュージカル/コメディ)
 主演女優賞 レニー・ゼルウィガー(ドラマ)
       オークワフィナ(ミュージカル/コメディ)
 助演男優賞 ブラッド・ピット
 助演女優賞 ローラ・ダーン
 外国語映画賞 パラサイト 半地下の家族

 作品賞と監督賞は、伏兵快挙!って感じ。驚喜だったのが、タロン・エガートン!アダム・ドライバーにも獲ってほしかったけど、ホアキンもスゴかったので納得。レニゼルは苦手な女優だし、そっくりさんモノマネ演技も好きじゃないので、スカ子のほうに軍配が上がってほしかったです。ブラピはこれでますますオスカー受賞の確率が高まった?ついにブラピもオスカー俳優か〜。パラサイトの外国語映画賞はもう鉄板。韓国映画初のオスカーとなりそう。来週発表のオスカーノミネーションが楽しみですね!

 ↑タロちゃん、おめでと!オスカー候補になりますようI wish!
  
 「キング」
 15世紀のイギリス。父王への反発から王宮を出て放蕩生活を送っていたハル王子は、父の死後ヘンリー5世として王位を継ぐ。国内の反乱やフランスとの戦争など、深刻な内憂外患にヘンリー5世は立ち向かうが…
 大好物なジャンル、イギリス王室ドラマ。ロイヤルな人々の家族関係や権力争いが、殺伐と血生臭いのがいいんですよね~。王族も貴族もワイルドな野蛮人で、ちっとも高貴じゃないし優雅じゃなくて、皇室をめぐる政争記である平家物語とかみたいに、盛者必衰や諸行無常といった耽美さが全然ないところなど、日本とのお国柄の違いがわかって興味深いです。とにかく激しくて血塗られたトンデモ話やホラー話でいっぱい、ネタの宝庫である英国王室ですが、この映画の主人公であるヘンリー5世も有名。そのドラマティックな生涯と活躍を描いたシェイクスピアの戯曲は、多くの名優たちによって舞台だけでなく映画化ドラマ化もされてます。

 奔放な青春、父王や廷臣たちとの確執、内乱やフランスとの戦いetc.2時間弱の映画よりも大河ドラマ向けな波乱万丈さですが、この映画…何か盛り上がりに欠けるというか、すごく平坦で淡々としてて暗くて、あくび数回、リタイア寸前。劇的なエピソードや人間ドラマでいっぱいなのに、退屈になってしまったのが不思議で残念。同じくハル王子/ヘンリー5世を主人公にした「ホロウ・クラウン 嘆きの王冠」はすごく面白かったのに。脚本と演出の問題もあるのでしょうけど、いちばんの敗因はハル王子/ヘンリー5世に魅力が欠けてたこと。ホロウ・クラウンのハル王子/ヘンリー5世はチャーミングな好男子だったのに。これは演じてたトム・ヒドルストンの魅力と力量の成せるわざだったのでしょう。とはいえ、この作品のティモシー・シャラメが俳優としてトムヒより劣ってるとか、魅力と演技力がないとか、そういうことではありません。ただ単に、彼には相応しくないミスキャストだったということです。

 ティモたん、ぜんぜんイギリスの王さまに見えん民衆や兵士を鼓舞し鬼神のごとく勇猛果敢に戦う英雄役を、見た目もキャラも草食文系男子の代表格みたいなティモたんにオファーするなんて、無茶ぶりにもほどがあります。引き受けるティモたんもどうかしてる。誰もが畏怖しひれ伏してしまうカリスマや威厳なんて、ティモたんじゃなくても若手イケメン俳優には荷が重すぎます。ヘンリー5世になってからのティモたん、違和感ありまくり。台詞まわしの力強さとか男らしい挙措など頑張ってたのですが、いかんせんルックスが。顔も体つきも雰囲気も、良い意味でも悪い意味でもモダンすぎるんですよね~。「君の名前で僕を呼んで」の主人公エリオ役は、まさに彼のために用意されたような一世一代のハマリ役でした。自堕落でアンニュイなハル王子の時は、ちょっとエリオを彷彿とさせましたが。時代劇でも、芸術や遊興を優雅にけだるく楽しむ貴族の青年役ならほんとピッタリなんだけど。この映画でも、パリまたはニューヨークのオシャレ男子に見えて仕方なかったです。

 ティモたん、独特の風貌と魅力なので、それを活かせる役を演じてほしいです。何でもこなします!的なオールマイティ俳優を目指す必要はないと思う。ブリティッシュイングリッシュだけでなく、流暢なフランス語も駆使するなど、さすがインターナショナルで高学歴なティモたん。同世代の若手俳優とは一線を画してます。それにしてもティモたん、すごい美男に見える時とキモいお笑い芸人みたいな顔に見える時のギャップが激しいそこも彼の個性ですね。若い頃のレオナルド・ディカプリオとカブりますが、レオとはまた全然違う年齢の重ね方をすることでしょうね。
 ハル王子の親友でヘンリー5世の腹心となるフォルスタッフ役は、最近は監督としても活躍してるジョエル・エドガートン。フォルスタッフってブサイクな巨漢ってイメージだし、あんな思慮深いキャラだったっけ?ジョエルのフォルスタッフはカッコよすぎ。意外な好演だったのが、フランスの皇太子役のロバート・パティンソン。苦手な俳優ですが、性悪で残忍で愚劣な役はすごい似合う!今後は癖の強い悪役で活路を見出しそう。ヘンリー5世と結婚するフランスの王女役で、実生活でもティモたんの恋人であるリリー・ローズ・デップが登場。両親であるジョニー・デップとヴァネッサ・パラディのどっちにもよく似てる!けど、両親のほうがキレイカワイイ
 イギリスの時代劇は、衣装や王宮など建造物や室内装飾も、華美さはなく地味で重苦しいけど、シンプルでスタイリッシュなカッコよさがあって好きです。

 ↑「レディバード」の監督&主演女優と再結集の「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」が、近日日本公開のティモたんです。ティモたんとそんなに年が変わらないはずのシアーシャ・ローナンが、すでに貫禄ある熟女に見えるレオ&おケイみたいに大出世してね!

キム秘書⑦~⑬ 恋のパワハラ愛のモラハラ

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 「キム秘書はいったい、なぜ?」第7話から13話まで観ました~。

☆あざとい女
 ミソって意外とあざといんですよね~。怪我の手当て中にヨンジュンの唇に触れたり、こっちです!と手をつないで引っ張ったり、秘書がすることじゃないでしょ。あと、バスの座席やヨンジュンの部屋のソファとかで、アクシデントが起きて二人が思わず密着してしまうシチュエーションがやたらと多いのですが、ドキドキするよりその時のミソのリアクションがあざとすぎてシラけてしまう。

☆私情採用
 実は幼い頃に起きた誘拐事件の時に出会っていたヨンジュンとミソ。韓流ドラマだから許せるありえない運命。ミソをそばに置きたいから秘書に抜擢したとか公私混同すぎる。ミソのことをずっと好きだったみたいなことになってますが、始めの頃の単に有能な秘書を辞めさせたくないから執着、と何だか辻褄が合わなくなってるような…

☆パワハラもモラハラも
 昼だろうが夜だろうが、ミソの部屋に突然押しかけてくるヨンジュン。いくら雇い主でも、これって完全にパワハラ、モラハラ。イケメン御曹司がやると胸キュンな強引さだけど、ブサイク上司おっさん上司がやるとストーカー。

☆愉快な合宿
 ミソと同僚たちが、田舎で息抜きを兼ねた合宿。運動会だの懇談会だの、やたらと息抜きしてる会社だな。楽しくハメはずしてたら、何とここにもヨンジュンが突如現れて、リラックスムード粉砕!消毒車(韓国、いまだにこんなのが走ってるんですね!)が撒く消毒の煙の中から出現するヨンジュンが笑えた。イヤだけど我慢して愛想笑いとおべっかに徹する部下たちの様子も笑えたが、それが当然とばかりに振る舞うKYヨンジュン、これもすごいモラハラ、パワハラです。

☆キモい兄
 ミソが幼い頃に書いた日記を、ニヤニヤしながら読んでるヨンジュン兄が気持ち悪い!思わせぶりな登場、キャラ設定なわりにはいてもいなくてもいい存在な兄です。謎のベストセラー作家という素性も、もうなかったことになってる?
☆済州島
 韓流ドラマではおなじみの済州島。姉二人と休日を過ごすミソの前に、またまた前触れもなく現れるヨンジュン。毎度おなじみ、得意のいきなり押しかけです。姉たちに取り入るため、涙ぐましい努力をするヨンジュンが可愛かったです。潮干狩りが楽しそうだった。私も小さい頃はよく家族と行ったわ~。

☆ゲス御曹司リターンズ
 回想シーンでのミソの父。どっかで見たことある男…ひょっとして、「リターン」の極悪御曹司テソク?!テソクとは真逆な人の善い明るいキャラでした。
☆ホラーな過去
 誘拐事件の真相。児童虐待監禁、そして目の前で首つり!こんな目に遭えばそりゃトラウマになるわな。

☆イルボンレッスン
 ミソに日本語の特訓をするヨンジュン。ミソのこと叱れないほどヘタクソな日本語が笑えた。
☆こんなん食えんわ
 レストランでヨンジュンが用意したケーキ…いったい何を塗ったの?青いケーキが気持ち悪い!
★総括
 バカバカしいんだけど、つい観てしまう。韓流ドラマってナンダカンダで面白いんですよね~。初回でリタイアが多い日本のドラマとの違いは何なのか、いつか考察してみたいです。
 日本のドラマとの決定的な違いは、やはり男優のカッコよさ、演技力でしょう。パク・ソジュンくんは顔だけだと決してタイプではないのですが、顔の小ささ、手足の長さ、スーツの着こなし、そして肉体美。ちんちくりんで一般人レベルな見た目の某事務所タレントがイケメンの基準になってる人からしたら、返って気持ち悪いかもしれない完璧なルックス。ナルシーなイケメン変人童貞というヨンジュンのキャラも滑稽で可愛いです。

 ↑ パク・ソジュンくん主演の「ディヴァイン・フューリー 使者」のイルボン公開が決定!元格闘家のエクソシストという役で、自慢の肉体美も披露!楽しみ!

愉怪な寄生家族

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 「パラサイト 半地下の家族」
 家族全員が無職のキム一家は、極貧の半地下で暮らしていた。そんな中、長男が留学する友人に代わって金持ちの家の家庭教師をすることになり…
 昨年のカンヌ映画祭パルムドールを皮切りに賞レースを席捲、来たるアカデミー賞でも外国語映画賞のみならず作品賞、監督賞にもノミネートされ、韓国映画初のオスカー受賞はほぼ確実、という快挙を遂げようとしている話題作を、ついに観ることができました~(^^♪いやはや、予想以上、期待以上の面白さでした!早くも2020年my best 映画な予感!国家も国民も、どうかしてるとしか思えないほど民度が低い韓国ですが、こと映画に関してだけ言えば、ずいぶん前から完全に邦画を凌駕してます。こんな傑作を観てしまったら、毒にも薬にもならん邦画なんてますます観てられなくなるわ。「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」など、その独創性とエンタメ性で韓国社会の暗部を描き、日本でも人気が高いポン・ジュノ監督の手腕は、さならる高みに到達したようです。

 この映画、とにかく最初から最後まで爆笑と戦慄のつるべ打ちなんですよ~。まず、底辺ファミリーのキム一家の仲良しぶりが、トボケたユーモアいっぱい。貧乏だけど明るく元気に寄り添って生きてる様子は、何だか干し草のぬくもり的なほのぼのささえ感じさせます。金持ち一家に寄生する計画を実行するキム一家ですが、その手際のよさ、完璧な一致団結は、ラグビー日本代表も真っ青なONE TEAMぶり。トム・クルーズも舌を巻く、スパイのようなミッション遂行が笑えます。先任の運転手や家政婦に罠を仕掛けて陥れ、クビに追いこんで後釜に自分たちがおさまる一家、やってることはかなり卑劣なのですが、すごいノリノリで悪びれず楽しそうにやってるので、つい彼らを応援する気持ちに。同じくカンヌ受賞作、底辺家族を描いた某邦画は、辛気くさい上に感動の涙狙いが露骨で拒否反応が出てしまったけど、この作品は警抜な喜劇として社会の歪みを炙りだしているところが出色、ひたすら驚嘆感嘆あるのみでした。

 それにしてもキム一家、みんなすごい能力と頭の良さ、バイタリティと度胸の持ち主。それを活かさないのではなく活かせない韓国の格差社会は、本当に心胆を寒からしめます。働かずにぐうたらしてる怠け者一家ではなく、みんな労働意欲旺盛なのにチャンスがないだけ。能力があっても努力をしても決して這い上がれない、便所コオロギに生まれついた者は死ぬまで便所コオロギ、という絶望的な宿命。詐欺なんかしないでまっとうに職を探せとか正論をのたまう人は、便所コオロギ人生がどんなものか知るよしもない幸せな人です。
 金持ち一家も底抜けのお人好しで、いくら何でも騙されやすすぎやろ~と呆れて笑えます。親切で気さくだけど、決してキム一家を自分たちと対等とは見なさない金持ち一家。ちょっと「沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇」のブルジョア一家とカブりました。キム一家への悪意のない無神経な言動が、やがて悲劇を招くであろうと不安を煽り、笑わせながらも胸をザワつかせます。

 卑劣な手段で職を得るキム一家ですが、仕事には一生懸命で真摯、金持ち一家にも誠意と感謝の気持ちをもって尽くして、決して悪いこと(留守中に勝手に酒盛りしたり風呂に入る程度)はしないし、陥れた相手のことを心配したり、基本的には善人なところが致命的な失態、破局を招くのですが、そこからはまさに笑いと恐怖が混じった濁流のような怒涛の展開で、観客も一気に流される感覚を味わうことに。

 ↑ こいつら、ほんま大暴れしてくれましたね~
 爆笑シーン満載、登場人物はみんなキャラ立ち過ぎ。特にツボだったのが、緊迫のジャージャー麺パニック、家政婦の親北ギャグ(将軍さまをマンセーする北朝鮮の女性アナウンサーのモノマネ)、おかんの家政婦撃退の蹴り、など思い出し笑いヤバい。中盤からのキム一家VS家政婦夫婦の必死すぎる阿鼻叫喚バトルは、ほとんど岡田あーみんのスラップスティックな狂笑世界です。強烈キャラの中では、やっぱ家政婦が最強インパクトでした。あの夫妻、ほんとビックリすぎる豹変と登場でしたわ~。意表を突きまくる展開、そうきたか!と唸らせる伏線の張り方や小道具の使い方など、脚本が本当に秀逸です。

 役者たちの好演、激演もインパクト強烈です。代表して、おとん役のソン・ガンホ。気のいいおっさんだけど、何かやらかすに違いないという危険な不穏さをチラチラ見せながらのコメディ演技、ほんとお見事でした。彼みたいな役者、日本にも欲しいですね~。金持ち一家の主人がなかなかの男前(すごい美声!)で、クビになる若い運転手もイケメン!そして、冒頭にキム一家を訪ねてくる長男の友人役で、パク・ソジュンが登場!

 すぐに退場するチョイ役でしたが、キム一家を金持ち一家へと導く重要な役でした。奥様やお嬢様の心をすぐに掴む設定の長男は、イケメンのソジュンくんがやればよかったのではとも思った。それにしても。金持ち一家を騙しても、ソジュンくんが戻ってきたらいったいどうごまかすつもりだったんだろ。
 演出、脚本、演技だけでなく、半地下と豪邸という二つの別世界を創りだした美術も偉業。あれ、全部セットなんですよね~。そして、豪邸に隠されていたもうひとつの…おっと、これ以上は!ネタばれ、危ない危ないby福田和子!希望なのか絶望なのか、観る者に判断を委ねるラストは、何とも言えぬ余韻を残します。
 
 

僕の彼氏は殺し屋だった

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 ウグイス嬢問題が発覚後、適応障害を理由に長いことバックレてた河井克行&案里夫妻が、堂々と通常国会に出席!説明拒否の記者会見とか、適応障害が聞いて呆れる強靭メンタル。記者会見が終わって建物に入った案里が油断して見せた不敵な笑顔も、こいつ国民なめてるな~と憤りを覚えました。広島の恥!ウグイス嬢問題はともかく、働きもせず高額ボーナスを二人して受け取ってたことが承服しがたい。まさに血税のドブ捨て。いま全国の小学校で、給食がどんどん貧しくなっていってることが問題になってますが、河井夫婦みたいな連中にあげるお金があったら、子どもたちの健全な育成のために回してほしいと切に願います。今日もちゃんとした食事ができなかった子どもたちがいると思うと、アンリはアンリでも悲しみが止まらないby杏里
 バックレ&ボーナス泥棒国会議員もですが、今夜も世の中おかしい、狂ってると戦慄してしまったことが。某バラエティ番組で、世界各国で誰が今もっともイケメンとされているかというクイズコーナーやってたのですが、フランスはピエール・ニネかな?と思ったら大正解!ピエール・ニネだった!納得!と思った直後、耳を疑う発言が。ピエール・ニネと千原ジュニアが似てる!という信じがたい暴言。しかも千原ジュニア、まんざらでもなさそうな顔してるんですよ。笑止千万すぎる!前から思ってたけど、千原ジュニアってTVではいい男扱いされてるっぽいのが謎!異常!って思う私のほうが異常なのかしらん?バラエティ番組、やっぱあんまし観ないほうがいいと心底思いました。

 「LONG TIME NO SEE」
 殺し屋のチスには、ネット作家というもうひとつの顔があった。熱心なファンである青年ギテと恋に落ちるチスだったが、二人には過酷な運命が待ち受けていた…
 孤独な男前の殺し屋と天真爛漫なイケメンが恋に落ちる…なんて、ハリポタやスターウォーズ以上のファンタジー設定。BL漫画の映画化?な内容でしたが、残念ながら全然萌えませんでした~。主人公二人の見た目が美しくない!ブサメンではないけど、かなりフツメン。現実的なゲイの話ならいいけど、非現実的な話なんだからBLカップルも非現実的なイケメンにしないと!

 運命的な出会い(ありえない出会いともいう)、胸キュンな惹かれ合いと急接近、キス→セックス、そして悲しい試練とハッピーエンド、というBL漫画の王道なのですが、二人がタイプじゃないという身もフタもない理由で何やっても何が起きても、全然ときめかないんですよね~。BLものはやっぱ、ウソくさくも美しくないとね~。主人公二人のキャラ、そして話の展開も何か変というかブレすぎ。胸キュンラブとハードなフィルムノアールを強引に雑にゴチャマゼしてる感じ。暗い過去と秘密を抱き、闇世界で殺し屋として生きるチスが、なぜかネットでBL小説を書いてて、まるで出会い系のようにファンと気軽に会ったりとか、意味不明すぎる。ギテも中盤になって実は…な正体とか唐突すぎ無理やりすぎ。何の伏線もなかったし、は?と苦笑するしかなかった。チスのネット作家設定もギテの正体も、その後の展開に全然活かされてなかったし、とにかく脚本が酷いです。BLラブシーンもソフトすぎ、フツーすぎ。あれぐらいなら日本の某事務所タレントやCMレベル俳優でもできます。

 チス役のタク・ウソクは、坂口健太郎が老けて地味になった感じの顔?たま~に堤真一にも似て見えました。腹筋はちゃんと割れた細マッチョな上半身裸は、さすが韓流男優。ギテ役のヨン・スンホは、私が苦手なメイクのキツい韓国顔。裸も生白くてプヨプヨ。もっと可愛い顔+キレイなカラダのイケメンにしてほしかったです。イルボンリメイクの際は、それこそチス役は最近マッチョ化したらしい坂口健太郎、ギテ役は伊藤健太郎のW健太郎主演で胸キュン&ハードなBLをお願いしたい!

 

釜山のヤクザ飯

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 「青い塩」
 裏社会から足を洗ったドゥサンは、母の故郷であるプサンでレストランを開くため料理教室に通う。そこで出会った少女セビンと親しくなるドゥサンだったが、セビンは闇組織の一員であり、ドゥサンの動向を探るため彼に近づいたのだった。ドゥサンを抹殺する指令を受けたセビンは…

 裏社会の男たちのせめぎ合いと、ピュアでスウィートな純愛。韓流の十八番を混ぜ合わせた映画。まるでキムチとホイップクリームを混ぜたような内容でした。どっちかだけにしてほしかったかも。どっちかといえば、私はエグい暴力描写満載なバイオレンス、冷酷無比なハードボイルドのほうに重点を置いてほしかった。この映画、どちかかといえば純愛重視だったのが残念。男と女のインポな純愛は苦手。でもこの映画のドゥサンとセビンは、年の差があったせいか男と女というより父と娘、みたいな愛情。疑似父娘みたいな関係になっていく過程が、あたたかく優しく描かれていました。料理を通して仲良くなるのも笑ましかったです。

 ターゲットを殺さなければならないのに殺せない、という設定は結構ありきたり。絶体絶命なハラハラ感が希薄だったのは、二人を追い詰める裏社会と闇組織が何かショボかったからでしょうか。もっと残虐で非情じゃないと。ラストもツメが甘すぎ。ビツクリするようなノーテンキなハッピーエンド。真相に気づかない、あるいは見逃すほど裏社会って甘くないでしょ~。

 内容はともかく、キャストは特筆に値します。ドゥサン役のソン・ガンホ、やっぱいい役者!「パラサイト 半地下の家族」観たばっかだったので、めちゃ若く見えた。金持ちのヤーさん役で、衣装もこざっぱりしてたのもパラサイトとは真逆。底抜けのお人よし、というキャラは不変。何でそんなに優しいのにヤクザなんかに?下心など微塵もない、命がけでセジンを守る無償の愛が崇高すぎる。ガンホおじさんの仏さまのような笑顔、とても演技とは思えない。どんなに媚びた笑顔しても目は笑ってないビジネススマイルな日本の某事務所タレントとは大違い。嘘や裏切りに気づいていても、黙っておおらかに包み込む温かい包容力も、ただのカッコつけた見た目だけいい俳優には出せないガンホおじさんの役者としての大きさ。いい人、だけど怖い本性や深い業も秘めている、という面をもっと見たかったけど。

 セビン役のシン・セギョンは、キスマイの北山宏光そっくり?時代劇ドラマ「根の深い木」ではそうは見えなかったけど。ヒロインを演じてもいまいち印象に残らない。若い韓流女優は男優と違って、ほとんどが似たような顔、演技の没個性。脇のキャストはなかなか豪華で、韓国映画を観たらかなりの確率で会える名バイプレイヤー、オ・ダルスがセビンの射撃の先生役、ベテラン女優ユン・ヨジョンが闇組織の女ボス役で出演してます。闇組織の冷酷なスナイパー役で、キム・ミンジュンも登場。ゲゲゲの鬼太郎みたいな髪型が笑えますが(隠密な殺し屋がそんな髪型してたら目立つやろ~)、長身スタイル抜群でやっぱ男前です。
 私がこの映画を観たのは言うまでもなく、my韓流3王子のひとりであるチョン・ジョンミョンに会いたかったからニダ!

 ドゥサンに忠実な弟分やくざ役のミョン太、やっぱ好きやわ~仔犬系童顔が可愛い!可愛いんだけど、すごく男らしいところがミョン太の魅力。頼りたい、甘えたいと思わせる年下男です。超小顔、そしてスラっとしつつもガッチリしてる長身も素敵。モノトーンのシンプルなスーツやYシャツも、スタイルがいいので似合うんですよね~。格闘シーンも、長い脚がシャっと伸びてカッコよかったわ~。兄貴への義理人情な献身がけなげでしたが、相手がガンホおじさんではなくもうちょっと若い男前俳優だったら、かなりBLのかほりがしたかもしれない関係でした。
 プサンの海やソウルの夜の風景など、美しくも哀愁漂う映像美も印象的。名作「イルマーレ」と同じ監督と知り納得。ドゥサンとセビンがセルフでクッキングする海沿いの食堂が味わい深かったです。ああいう観光客が絶対知らない行かない店とかで、その土地ならではの料理を食べてみたいものです。

 ↑ミョン太、新作映画ではまたまたヤクザ役を演じてます。ミョン太も早いものでもうアラフォー。そろそろ成熟した大人の男の魅力を発揮する役に挑んでほしいものです。全裸濡れ場もプタケヨ~!
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