


鬱屈を抱える大学生の雅也に、24人を殺害し死刑判決を受けた榛村から手紙が届く。中学生の頃、パン屋を経営する榛村と親しかった雅也は、拘置所で面会した榛村から一件だけ自分が犯してない殺人の真相を探るよう頼まれるが…
「孤狼の血」シリーズの白石和彌監督作。幼稚で無害な最近の邦画界では、その過激で非ポリコレな血なまぐさい作風が異色かつ希少な存在である白石監督、今回もゲロゲロ(死語)な暴力描写が冴えてました。誘拐した少年少女たちを小屋で拷問、虐殺するシーンでの生きたまま爪剥ぎ、眼球えぐり出し。山中で女性が手首足首を裂かれムキ出しになってる骨、などなど。もはや楽しんでやってるとしか思えない、悪趣味な遊び心さえ感じられる白石監督のエグいヴァイオレンスには、何だかもう珍奇で滑稽で笑えるんですよね~。それこそ白石監督独自の持ち味でしょうか。

それにしても。最近は映画もドラマもサイコサスペンスだらけで、そのほとんどがイージーでチープな凡作。よほどの独特な設定や切り口がないと、目の肥えた映画&ドラマファンを満足させることはできません。この作品も、どこかで見たことがあるような既視感が否めなかった。猟奇大量殺人とか、アメリカならいざ知らず日本だとちょっと無理がある。孤狼シリーズも、韓流ヴァイオレンスの影響がかなり濃厚でしたが、韓流のおどろおどろしさ野蛮さに比べると、どこか軽い薄い。それは日韓の俳優の風貌・個性の違いによるところも大きい。やくざ役やサイコ役の韓国俳優って、ほんと怖いですし。日本俳優はやっぱ、どこか優しげで貧弱なので怖くないんだよな~。榛村役の阿部サダヲも、気持ち悪かったけど怖くはなかったです。

サダヲさん、苦手な俳優なのですが、俺って演技うまいだろ?的なところが今回は希薄で、いかにも狂気を秘めてますっぽさも抑え気味に、終始明るく穏やかな好人物っぽく演じてたのが良かったです。若い時代のシーンの風貌がキモくて笑えた。あんな髪型のお笑い芸人、いましたよね~。檻の中から人を操る殺人鬼って、ほとんどレクター博士のパロディでした。
私のお目当ては、もちろんサダヲではなくW主演の岡田健史


雅也役の岡田くん。大画面では初めてお目にかかったけど、いや~やっぱイケメンじゃの~


根暗くんな役ですが、大学でスカッシュをしてるシーンとか、爽やかなスポーツマンでカッコよかった。長身も素敵なのですが、細すぎて色気がないのが惜しい。ちょっとだけ脱いでますが、肉体美とはいいがたかった。まあ、あの役で肉体美なのもおかしいけど、エロさも加われば無敵の男前になれると思う!それと。演技に成長があったとはいえ、基本的にはまだ大根です



雅也の母役の中山美穂が…

死刑囚が収監されている東京拘置所が興味深かったです。すごい立派できれいな建物!あんな風に面会するんですね~。死刑囚にもあんなに簡単に会えるんですね。世間を騒がせた死刑囚と面識があるとか、なかなかないことですよね。もし会いに来てと手紙が来たら、私だったら…


↑ 韓流俳優とかBTSとか人気みたいですが、顔だけだとはるかに勝ってる日本人俳優は多い。岡田くんはその代表格。事務所トラブルとかあったみたいで心配。芸能界の汚い大人の事情に潰されることなく、いい役者になってほしいのだけど…