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Channel: まつたけ秘帖
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釜山のヤクザ飯

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 「青い塩」
 裏社会から足を洗ったドゥサンは、母の故郷であるプサンでレストランを開くため料理教室に通う。そこで出会った少女セビンと親しくなるドゥサンだったが、セビンは闇組織の一員であり、ドゥサンの動向を探るため彼に近づいたのだった。ドゥサンを抹殺する指令を受けたセビンは…

 裏社会の男たちのせめぎ合いと、ピュアでスウィートな純愛。韓流の十八番を混ぜ合わせた映画。まるでキムチとホイップクリームを混ぜたような内容でした。どっちかだけにしてほしかったかも。どっちかといえば、私はエグい暴力描写満載なバイオレンス、冷酷無比なハードボイルドのほうに重点を置いてほしかった。この映画、どちかかといえば純愛重視だったのが残念。男と女のインポな純愛は苦手。でもこの映画のドゥサンとセビンは、年の差があったせいか男と女というより父と娘、みたいな愛情。疑似父娘みたいな関係になっていく過程が、あたたかく優しく描かれていました。料理を通して仲良くなるのも笑ましかったです。

 ターゲットを殺さなければならないのに殺せない、という設定は結構ありきたり。絶体絶命なハラハラ感が希薄だったのは、二人を追い詰める裏社会と闇組織が何かショボかったからでしょうか。もっと残虐で非情じゃないと。ラストもツメが甘すぎ。ビツクリするようなノーテンキなハッピーエンド。真相に気づかない、あるいは見逃すほど裏社会って甘くないでしょ~。

 内容はともかく、キャストは特筆に値します。ドゥサン役のソン・ガンホ、やっぱいい役者!「パラサイト 半地下の家族」観たばっかだったので、めちゃ若く見えた。金持ちのヤーさん役で、衣装もこざっぱりしてたのもパラサイトとは真逆。底抜けのお人よし、というキャラは不変。何でそんなに優しいのにヤクザなんかに?下心など微塵もない、命がけでセジンを守る無償の愛が崇高すぎる。ガンホおじさんの仏さまのような笑顔、とても演技とは思えない。どんなに媚びた笑顔しても目は笑ってないビジネススマイルな日本の某事務所タレントとは大違い。嘘や裏切りに気づいていても、黙っておおらかに包み込む温かい包容力も、ただのカッコつけた見た目だけいい俳優には出せないガンホおじさんの役者としての大きさ。いい人、だけど怖い本性や深い業も秘めている、という面をもっと見たかったけど。

 セビン役のシン・セギョンは、キスマイの北山宏光そっくり?時代劇ドラマ「根の深い木」ではそうは見えなかったけど。ヒロインを演じてもいまいち印象に残らない。若い韓流女優は男優と違って、ほとんどが似たような顔、演技の没個性。脇のキャストはなかなか豪華で、韓国映画を観たらかなりの確率で会える名バイプレイヤー、オ・ダルスがセビンの射撃の先生役、ベテラン女優ユン・ヨジョンが闇組織の女ボス役で出演してます。闇組織の冷酷なスナイパー役で、キム・ミンジュンも登場。ゲゲゲの鬼太郎みたいな髪型が笑えますが(隠密な殺し屋がそんな髪型してたら目立つやろ~)、長身スタイル抜群でやっぱ男前です。
 私がこの映画を観たのは言うまでもなく、my韓流3王子のひとりであるチョン・ジョンミョンに会いたかったからニダ!

 ドゥサンに忠実な弟分やくざ役のミョン太、やっぱ好きやわ~仔犬系童顔が可愛い!可愛いんだけど、すごく男らしいところがミョン太の魅力。頼りたい、甘えたいと思わせる年下男です。超小顔、そしてスラっとしつつもガッチリしてる長身も素敵。モノトーンのシンプルなスーツやYシャツも、スタイルがいいので似合うんですよね~。格闘シーンも、長い脚がシャっと伸びてカッコよかったわ~。兄貴への義理人情な献身がけなげでしたが、相手がガンホおじさんではなくもうちょっと若い男前俳優だったら、かなりBLのかほりがしたかもしれない関係でした。
 プサンの海やソウルの夜の風景など、美しくも哀愁漂う映像美も印象的。名作「イルマーレ」と同じ監督と知り納得。ドゥサンとセビンがセルフでクッキングする海沿いの食堂が味わい深かったです。ああいう観光客が絶対知らない行かない店とかで、その土地ならではの料理を食べてみたいものです。

 ↑ミョン太、新作映画ではまたまたヤクザ役を演じてます。ミョン太も早いものでもうアラフォー。そろそろ成熟した大人の男の魅力を発揮する役に挑んでほしいものです。全裸濡れ場もプタケヨ~!

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